新井由木子【まだたべ】vol.030 恐怖! 語りかけるモノの巻

モノにもモノなりの事情があり、時には声を大にして主張したくなることだってある。“まだ食べたことのないもの”が気になって仕方がないイラストレーター・新井由木子さんが、食べるモノや関わるヒトと奮闘する日々を綴ります。

 人でないものが語りかけるということが、世の中には、ほんとうにあるものです。

 猫が話すというレベルではなく(まだたべvol.026参照)、生命を持たない無機質なものが語りかけてくる。
 例えば器物に魂が宿ることを、日本人は古来から『つくもがみ』などとして信じてまいりましたから、決して突飛なことを言っているわけではありません。お気に入りの人形や身につけるアクセサリーなどに対して、まるで生き物に対するような愛着がわき、それが語りかけてくるような気がしたことは、誰にでもあるのではないでしょうか。

 しかし我が家で起こったのは「気がする」の範疇を超えた、実際に目に見える形での「語りかけ」。
 そんな驚くべき出来事が我が家に起こったのは、喋(しゃべ)る家電などというものが、まだSFの中の出来事として語られていた、20年以上も前のことでした。

※【まだたべ】は、【思いつき書店】として世界文化社公式noteに移転しました。
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文・イラスト・写真:新井由木子(あらい ゆきこ)/東京都生まれ。イラストレーター・挿絵描き。埼玉県草加市にある書店「ペレカスブック」店主。挿絵や絵本の制作のかたわら書店を営む。著書に『誰かの見たもの 口伝怪奇譚』『おめでとうおばけ』(大日本図書)、『まんじゅうじいさん』(絵本塾出版)ほか。「この世はまだ たべたことのないものだらけ。東京に近い埼玉県の、とあるカフェの中にあるペレカスブックで、挿絵や絵本を作りながら本屋を営んでいます。料理は上手ではないけれど、生まれ故郷の式根島と、草加せんべいの町あたりを行き来しながら、食べること周りのことを書いてゆきます」
http://www.pelekasbook.com
Twitter:@pelekasbook

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