新井由木子【まだたべ】vol.032 呑むものいろいろの巻

自分も人も、お酒を呑んだら忘れたい記憶だけが無くなるといいのにね。“まだ食べたことのないもの”が気になって仕方がないイラストレーター・新井由木子さんが、食べるモノや関わるヒトと奮闘する日々を綴ります。

「酒なんか吞むものではない。あれは浴びるものだ」
 これは、我が家を直してくれた茨城県・牛久の宮大工さんのお言葉で、わたしが人生で出合ってきた数々の名言の中で、かなりの上位に入るものです。

 わたしは大酒吞みです。そして一番好きな呑み方は、家で猫を相手に盃を傾けるひとり酒です。
 今は早朝のおむすびばあさん(まだたべvol.010参照)の仕事があったり、昼間店番しながらではできない絵や文章の制作を夜に持ち込んだりしているので、呑めるのはせいぜい週に1、2度。普段はなかなか家で座ってくつろいでいることもありません。
 なので、呑み始めると猫も嬉しいのか、膝に乗ったり、どんな酒を呑んでいるのか確かめるために口元の匂いを嗅ぎにきたりしていますが、しばらくするといつの間にか2匹とも姿を消してしまいます。

※【まだたべ】は、【思いつき書店】として世界文化社公式noteに移転しました。
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文・イラスト・写真:新井由木子(あらい ゆきこ)/東京都生まれ。イラストレーター・挿絵描き。埼玉県草加市にある書店「ペレカスブック」店主。挿絵や絵本の制作のかたわら書店を営む。著書に『誰かの見たもの 口伝怪奇譚』『おめでとうおばけ』(大日本図書)、『まんじゅうじいさん』(絵本塾出版)ほか。「この世はまだ たべたことのないものだらけ。東京に近い埼玉県の、とあるカフェの中にあるペレカスブックで、挿絵や絵本を作りながら本屋を営んでいます。料理は上手ではないけれど、生まれ故郷の式根島と、草加せんべいの町あたりを行き来しながら、食べること周りのことを書いてゆきます」
http://www.pelekasbook.com
Twitter:@pelekasbook

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