新井由木子【まだたべ】vol.054 昭和100円玉物語の巻

100円あれば、駄菓子がいくつ買えたでしょう。子どもにとって、100円は大金だった時代のお話です。“まだ食べたことのないもの”が気になって仕方がないイラストレーター・新井由木子さんが、食べるモノや関わるヒトと奮闘する日々を綴ります。

 わたしがまだ小学校低学年だった頃のこと。式根島で暮らしていたわたしたち一家は、夏休みごとに上京し、草加の祖父母宅に滞在するのが恒例になっていました。
 草加は島には無いものがたくさんある、憧れの町でした。
 祖母と一緒に近所の団子屋さんの暖簾を潜り、畳表を敷いた長椅子に座って飲むクリームソーダ。駅向こうのスーパーの屋上遊園。
 不思議なことに、どれも新鮮というよりは懐かしい気持ちになるのが不思議でした。父の生まれ育ったところだから、幼心にも縁を感じていたのでしょうか。

 通りの薬局の前には、子ども用の電動遊具がありました。

※【まだたべ】は、【思いつき書店】として世界文化社公式noteに移転しました。
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文・イラスト・写真:新井由木子(あらい ゆきこ)/東京都生まれ。イラストレーター・挿絵描き。埼玉県草加市にある書店「ペレカスブック」店主。挿絵や絵本の制作のかたわら書店を営む。著書に『誰かの見たもの 口伝怪奇譚』『おめでとうおばけ』(大日本図書)、『まんじゅうじいさん』(絵本塾出版)ほか。「この世はまだ たべたことのないものだらけ。東京に近い埼玉県の、とあるカフェの中にあるペレカスブックで、挿絵や絵本を作りながら本屋を営んでいます。料理は上手ではないけれど、生まれ故郷の式根島と、草加せんべいの町あたりを行き来しながら、食べること周りのことを書いてゆきます」
http://www.pelekasbook.com
Twitter:@pelekasbook

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