新井由木子【まだたべ】vol.055 命の老眼鏡の巻

子どもたちに楽しい時間を過ごしてほしい、という思いさえあれば、準備が多少困難でも乗り切れるものです。“まだ食べたことのないもの”が気になって仕方がないイラストレーター・新井由木子さんが、食べるモノや関わるヒトと奮闘する日々を綴ります。

 ペレカスブックにはいくつかのワークショップがあります。なかでも紙の工作のシリーズではマチエールのある素材を準備することにこだわっています。
 段ボールに面白いと思う色を塗りまくり、グラデーションをつけたり模様を描いたりします。そしてそれをいろいろな形に切りまくります。
 ワークショップ当日は、会場中にそのパーツを貼り、子どもたちは自由にパーツを組み合わせて、自分だけのお面や望遠鏡などを作るのですが、とにかくパーツが多くなければつまらないので、いつもかなり大量の作業が発生するのです。

 翌日に迫ったワークショップは、大量の紙を使ってペレカスブックを秋の森のようにし、木の実(のような紙)や枯葉(のような紙)を森の中で見つけて、自由にどうぶつのお面を作ろう、というものでした。
 お客さまのいなくなったペレカスブックの閉店後、段ボールや紙工場から貰った端材など、大量の材料を前にして、わたしはいつものように追い詰められておりました。

※【まだたべ】は、【思いつき書店】として世界文化社公式noteに移転しました。
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文・イラスト・写真:新井由木子(あらい ゆきこ)/東京都生まれ。イラストレーター・挿絵描き。埼玉県草加市にある書店「ペレカスブック」店主。挿絵や絵本の制作のかたわら書店を営む。著書に『誰かの見たもの 口伝怪奇譚』『おめでとうおばけ』(大日本図書)、『まんじゅうじいさん』(絵本塾出版)ほか。「この世はまだ たべたことのないものだらけ。東京に近い埼玉県の、とあるカフェの中にあるペレカスブックで、挿絵や絵本を作りながら本屋を営んでいます。料理は上手ではないけれど、生まれ故郷の式根島と、草加せんべいの町あたりを行き来しながら、食べること周りのことを書いてゆきます」
http://www.pelekasbook.com
Twitter:@pelekasbook

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