新井由木子【まだたべ】vol.057 昔、オシャレだった の巻

うら若き乙女だった頃の新井さんを知らないなんて、ざんねーん! と、知っている担当は思います。“まだ食べたことのないもの”が気になって仕方がないイラストレーター・新井由木子さんが、食べるモノや関わるヒトと奮闘する日々を綴ります。

 昔、今の半分ほどの年齢だった頃のこと。
 渋谷を歩いていると、雑誌のカメラマンだという人に声をかけられ、1枚の写真を撮影されました。そのことを忘れてしばらく経つと、親戚のおばさんから「あんたはこんな格好をして街を歩いてるのか」とお叱りの電話がありました。そこではじめて、某ファッション誌の街角オシャレさんスナップに、自分の姿が掲載されたことを知ったのです。
 今その話をすると、皆さんとても驚いた顔をしますが、その気持ちはよくわかります。今のわたしに一番縁遠い言葉、それが『オシャレ』なのですから。
 すっかりコシのなくなった白髪交じりの髪を手ぬぐい巻きで隠し、顔はノーメイク。オシャレカフェのオーナーとして名を馳(は)せているコンバーション店主(以下コンバーション)が、なぜこんなわたしと仕事をするようになったのか、ほんとうに謎です。

※【まだたべ】は、【思いつき書店】として世界文化社公式noteに移転しました。
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文・イラスト・写真:新井由木子(あらい ゆきこ)/東京都生まれ。イラストレーター・挿絵描き。埼玉県草加市にある書店「ペレカスブック」店主。挿絵や絵本の制作のかたわら書店を営む。著書に『誰かの見たもの 口伝怪奇譚』『おめでとうおばけ』(大日本図書)、『まんじゅうじいさん』(絵本塾出版)ほか。「この世はまだ たべたことのないものだらけ。東京に近い埼玉県の、とあるカフェの中にあるペレカスブックで、挿絵や絵本を作りながら本屋を営んでいます。料理は上手ではないけれど、生まれ故郷の式根島と、草加せんべいの町あたりを行き来しながら、食べること周りのことを書いてゆきます」
http://www.pelekasbook.com
Twitter:@pelekasbook

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