新井由木子【まだたべ】vol.063 太ってますよの巻

「自分のことは、自分が一番よくわかっている」とは言うものの、人から教えられることはたくさんあります。“まだ食べたことのないもの”が気になって仕方がないイラストレーター・新井由木子さんが、食べるモノや関わるヒトと奮闘する日々を綴ります。

 先日、カオリさんという定期的にペレカスブックに絵本を選びにいらっしゃる素敵な方が来店された丁度その時、わたしの娘がカフェコンバーションにランチを食べにきていました。
「あれがわたしの娘なんですよ」
「まあ! なんてスタイルの良い、お綺麗な娘さんなんでしょう!」
「でしょう。わたしの子とは思えないくらい細いでしょ。だいたいね、同じ食卓にいても、ものを食べる順序が違いますよ。唐揚げとサラダを出したら、わたしだったら唐揚げから食べますけど、あの子は自然とサラダから食べてますもの。小さい時からそうなんです」
 すると、カオリさんは目を丸くして、自分自身に呟くように言いました。
「食べる順序が違う。それだけのことで……そんなっにも……違ってしまうんですね……!」

※【まだたべ】は、【思いつき書店】として世界文化社公式noteに移転しました。
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文・イラスト・写真:新井由木子(あらい ゆきこ)/東京都生まれ。イラストレーター・挿絵描き。埼玉県草加市にある書店「ペレカスブック」店主。挿絵や絵本の制作のかたわら書店を営む。著書に『誰かの見たもの 口伝怪奇譚』『おめでとうおばけ』(大日本図書)、『まんじゅうじいさん』(絵本塾出版)ほか。「この世はまだ たべたことのないものだらけ。東京に近い埼玉県の、とあるカフェの中にあるペレカスブックで、挿絵や絵本を作りながら本屋を営んでいます。料理は上手ではないけれど、生まれ故郷の式根島と、草加せんべいの町あたりを行き来しながら、食べること周りのことを書いてゆきます」
http://www.pelekasbook.com
Twitter:@pelekasbook

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