新井由木子【まだたべ】vol.065 鍵が無いの巻

何かいつもと違うことが起こると、つい犯人探しをしたくなるものではありますが……。“まだ食べたことのないもの”が気になって仕方がないイラストレーター・新井由木子さんが、食べるモノや関わるヒトと奮闘する日々を綴ります。

 カフェコンバーションの鍵が無くなりました。
 鍵は通常わたしたちしか知らない秘密の場所に隠されていて、毎朝それを取り出して店のドアを開けるのですが、その日カフェコンバーション店主(以下コンバーション)が出勤したところ、その鍵が無くなっていたそうなのです。
 残り1つの鍵は、2階に店を持っているエダハの店主(以下エダハ)しか持っていません。仕方なくそれを借りて開け閉めしつつ捜し回ること数日。鍵は見つからず、とうとうコンバーションはスペアの鍵を作ることにしました。少し特殊な鍵のため、わざわざ取り寄せて作ってもらうので、そこそこお金もかかるようです。

 スペアが届くまでの間も、なんだか気になってあちこち捜してみたのですが、全く見つからない鍵。しかしその夜、先にコンバーションが帰宅した店内にひとりでいると、わたしは突然に閃(ひらめ)いたのです。

※【まだたべ】は、【思いつき書店】として世界文化社公式noteに移転しました。
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文・イラスト・写真:新井由木子(あらい ゆきこ)/東京都生まれ。イラストレーター・挿絵描き。埼玉県草加市にある書店「ペレカスブック」店主。挿絵や絵本の制作のかたわら書店を営む。著書に『誰かの見たもの 口伝怪奇譚』『おめでとうおばけ』(大日本図書)、『まんじゅうじいさん』(絵本塾出版)ほか。「この世はまだ たべたことのないものだらけ。東京に近い埼玉県の、とあるカフェの中にあるペレカスブックで、挿絵や絵本を作りながら本屋を営んでいます。料理は上手ではないけれど、生まれ故郷の式根島と、草加せんべいの町あたりを行き来しながら、食べること周りのことを書いてゆきます」
http://www.pelekasbook.com
Twitter:@pelekasbook

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