新井由木子【まだたべ】vol.009 知られている草加せんべいの巻

何十年と生きていたって、世の中にはまだ食べたことのないものが溢れています。隣の家では毎日のように食卓に並んでいるのに、我が家では見たことも聞いたこともない、なんていう食べものもあるかもしれません。この連載では、そんな“まだ食べたことのないもの”が気になって仕方がない、というイラストレーター・新井由木子さんが、食べるモノや関わるヒトと奮闘する日々を綴ります。

 わたし、貯めたり借りたりごまかしたりしてマネーを作り、どうにかこうにか娘を大学にやっております。
 わたしは行ったことはないのですが、大学って地方から日本中から、人が集まっているトコロですね。そこで草加出身の娘が驚いたことは『みんな草加せんべいを知っている!』でした。

新しき娘の友人:家どこ?
娘:草加
新しき娘の友人:草加せんべいの?
娘:そう!
と、いう会話が何度もなされたのでしょう、きっと。

 草加なんて観光名所としての城があるわけでなしタワーがあるわけでなし、なんのブームもあるわけでもないのに、草加に来たことも来ようとしたこともない地方の人たちが『草加せんべい』という名だけは知っているそうなのです。

 ちなみにですが、この「そう!」の後には「そうかー」という言葉が続けられることがありますが、……

※【まだたべ】は、【思いつき書店】として世界文化社公式noteに移転しました。
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文・イラスト:新井由木子(あらい ゆきこ)/東京都生まれ。イラストレーター・挿絵描き。埼玉県草加市にある書店「ペレカスブック」店主。挿絵や絵本の制作のかたわら書店を営む。著書に『誰かの見たもの 口伝怪奇譚』『おめでとうおばけ』(大日本図書)、『まんじゅうじいさん』(絵本塾出版)ほか。「この世はまだ たべたことのないものだらけ。東京に近い埼玉県の、とあるカフェの中にあるペレカスブックで、挿絵や絵本を作りながら本屋を営んでいます。料理は上手ではないけれど、生まれ故郷の式根島と、草加せんべいの町あたりを行き来しながら、食べること周りのことを書いてゆきます」
http://www.pelekasbook.com
ブログ「Pelekas Books&Gallery&Bar」https://pelekas.exblog.jp
Twitter:@pelekasbook

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