東雲輝之【新鮮すぎる魚が食べたい。】-vol.65- 最高のお刺身にするための、包丁さばき“超”入門

上手に切れなかったらどうしよう、と最初は少し腰が引けてしまいますが、よく切れる包丁を使って挑戦してみると、意外と簡単にできるものです。初心者でも楽しく釣って、おいしく食べる方法を、アウトドアライター・東雲輝之さんに教わる連載です。

季節は春本番となり、いよいよ待望の釣りシーズンが近づいてきました! 今年から釣りデビューをして「新鮮すぎるお刺身を食べたい!」と思っている方も多いことでしょう。しかし、美味しいお刺身は魚の新鮮さ以上に“包丁さばき”がとても大切です。そこで今回は、刺身を切るときの基本的な包丁の使い方についてお話しましょう。

使う包丁は家庭用でOK

プロに尋ねると「刺身を切るときは切れ味の良い包丁じゃないとダメ!」とよく言われますが、よほど刃が欠けてガタガタになっているものでもない限り、ご家庭にある普通の万能包丁で十分です。もしどうしても切れ味が気になるのであれば、100円ショップで売られている包丁シャープナーを用意して、2~3回、刃を当てましょう。包丁シャープナーは砥石のように研げるわけではありませんが、刃が整って切れ味が一時的に良くなります。

包丁は軽く握って人差し指をそえる

包丁は、根菜のような固いものを切る場合や、キャベツなどの大きな葉物を切る場合、肉の筋を切る場合など、切る物によって最適な持ち方があります。刺身を切る場合は、刃の一番下の角の部分(アゴ)から刃先を長く使うために、刃から指2本分下の位置を軽く握り、繊細な動きを持たせるために人差し指を刃の背にそえて支えるようにします。包丁を深く握ると無駄な力が入ってしまい、刺身が潰れてしまうので注意しましょう。

サクを用意する

お刺身を作るサク(三枚におろした身)を用意したら、まずキッチンペーパーで余分な水分を取りましょう。まるごと一匹の魚からサクにする方法については、vol.25『お魚さばき“超”入門』をご覧ください。

アゴを食い込ませてから素早く引く

初めてお刺身を切るときは、包丁を4段階で動かすことを意識しましょう。基本的には、この1サイクルの動きで1枚の刺身を切ることができます。もし、刃の長さが足りずに1回で切り取れなかった場合は、切り口から再び同じ動作を行います。くれぐれも包丁をノコギリのように、「ギコギコ」と前後に動かすことだけはやめましょう。



包丁を引くときは、ひじを動かすようにします。手の動きで包丁を操作すると、包丁に余計な力が入ってしまい、魚の身の細胞が潰れて味わいが落ちてしまいます。


ひじを引いて包丁を動かす

「まだ、実際のお刺身を切る自信がない」という方は、トマトを使って練習してみましょう。魚の身はトマトのように、内側の身が柔らかくなっています。よって、トマトを切った時に「ぐちゃっ」となってしまうようであれば、まだまだ包丁さばきが十分ではありません! “引いて切る”、“包丁に力を入れない”という2点を意識して、練習しましょう!



【新鮮すぎる魚が食べたい。】は、毎週金曜日に掲載します。
 

文・写真・イラスト:東雲輝之(しののめ てるゆき)/1985年生まれ、福岡県北九州市出身。猟師&ライター。狩猟や釣り、養蜂など、自然から食を得て楽しむ“キャッチ&イート”をメインテーマとしたアウトドアライター。ジビエの流通やニホンミツバチ養蜂などの活動も行う。著書「これから始める人のための狩猟の教科書」、「イラストマニュアルはじめての養蜂」など(共に秀和システム)。
ブログ「孤独のジビエ」http://kodokunogibier.blog.fc2.com/
Twitter:@rakurou21

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