東雲輝之【新鮮すぎる魚が食べたい。】-vol.67- 潮干狩りで採りすぎちゃったときは 『貝のオイル漬け』

大漁の喜びを、喜びのまま思い出に残すには、とにかく美味しく食べるに限ります。初心者でも楽しく釣って、おいしく食べる方法を、アウトドアライター・東雲輝之さんに教わる連載です。

皆様は、どんなゴールデンウイークを過ごされましたか? 世の中には色々なレジャーがありますが、5/3~6は大潮だったので、潮干狩りに出かけられた方も多かったのではないでしょうか。

さて、家族総出で潮干狩りをしていると、思わず熱中してしまい、大量の貝を持って帰る羽目になってしまうことがあります。初めは大収穫にみんなで楽しく食べていても、朝昼晩と続く貝料理に次第にうんざり……。貝はかさばるので、長期間冷蔵庫や冷凍庫に入れておくわけにもいきませんし、捨ててしまうのも忍びない。果たしてどう処理すればいいものか……。そこで、もし有り余る貝の処理に困っているのであれば、『貝のオイル漬け』を作ってみませんか?

まずは貝をしっかりと洗う

採ってきた貝は、まず付着している泥を真水でよく洗い流しましょう。vol.64の『アサリのパスタ(ボンゴレ・ビアンコ)』の回でもお話しましたが、貝を洗うときは一つかみ手に取り、両手で強く貝同士をこすり合わせるようにして汚れを落とします。

しっかり水気を切って、オリーブオイルで煮る

貝を洗ったら、キッチンペーパーでしっかりと水分を拭き取りましょう。準備ができたら、フライパンにたっぷりのオリーブオイルを注ぎ、ちぎった鷹の爪を2本分入れ、水気を拭き取った貝を敷き詰めていきます。

貝は砂抜きをしておいたほうがよいのですが、後からでも砂は取れるので、採ってきてすぐ、そのまま使ってもよいでしょう。

短時間で素早く熱を通す

フライパンに貝を入れたら、強火にかけて、一気に熱を加えましょう。このとき勢いよく油が跳ねるため、フタをしっかりと閉めておいてください。

中の様子を確認してアサリの口が開いていたら、火を止めます。あまり熱を通しすぎると、身が縮んでしまうので注意してください。

殻と身を分離して、よく汁を切る

貝に熱を通したら、殻から身をはずしていきましょう。貝は一気に過熱すると、貝柱やヒモが殻から取れやすくなります。殻が熱いと作業しづらいので、まず粗熱を取ってからにしましょう。

身を全て取り外したらザルに集め、フライパンの上でしっかりと汁気を切ります。砂抜きをしていない場合は、身の間に砂が入っているので、汁の中でゆすいで、砂を落としてから汁気を切りましょう。

瓶に漬け込んで、3日~1週間ほど熟成させる

熱湯で煮沸をした瓶に、汁気を切った身を入れて、オリーブオイルをひたひたになるまで注ぎ込み、一つまみ塩を加えてフタをします。このとき、貝の身に汁気が残っていると、汁が底に溜まって腐りやすくなるので注意してください。

貝はこのまま冷蔵庫で3日~1週間ほど寝かせましょう。出来たてのオイル漬けは、ぼやけた食味で大して美味しくありません。しかししばらく油に漬けておくと、熟成が進むため、生の貝以上の旨味が出ます。オイル漬けは、そのままおつまみのように食べてもよいですし、オイルごとパスタと和えたりサラダにかけても最高です!

残った汁は、なんちゃってアクアパッツァに

貝を茹でたオリーブオイル+貝のエキスがしみ出た汁は、捨ててはいけません。汁はいったんキッチンペーパーで砂を濾(こ)し、魚とトマト、タマネギ、オリーブ、ナス、ブロッコリーなどの野菜類、さらに少量の白ワインと塩を加えて煮付けましょう。

この料理に正式な名前はありませんが、『魚+野菜+貝の出汁+オリーブオイル+白ワイン』は、“アクアパッツァ”と呼ばれるナポリ料理と同じ組み合わせです。魚の種類は、タイやタラ、スズキなどの白身魚はもちろん、アジやサバ、サワラのような青魚、さらに、メジナなどの磯魚など、どんな魚でも美味しくいただくことができます。



【新鮮すぎる魚が食べたい。】は、毎週金曜日に掲載します。
 

文・写真・イラスト:東雲輝之(しののめ てるゆき)/1985年生まれ、福岡県北九州市出身。猟師&ライター。狩猟や釣り、養蜂など、自然から食を得て楽しむ“キャッチ&イート”をメインテーマとしたアウトドアライター。ジビエの流通やニホンミツバチ養蜂などの活動も行う。著書「これから始める人のための狩猟の教科書」、「イラストマニュアルはじめての養蜂」など(共に秀和システム)。
ブログ「チカト商会」https://chikatoshoukai.com/
Twitter:@rakurou21

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