東雲輝之【新鮮すぎる魚が食べたい。】-vol.78- 夏はキリッと冷酒と共に『ウマヅラハギの肝和え』

子どもたちの夏休みもいよいよ本番。釣りは家族の夏の思い出づくりにも一役買います。朝から家族サービスに頑張った大人へのご褒美は、美味しい冷酒と本日の釣果、ですね。初心者でも楽しく釣って、おいしく食べる方法を、アウトドアライター・東雲輝之さんに教わる連載です。

夏休みのレジャーに「子どもたちと釣りに出かけようかな?」と思われている方にオススメなのが、遊漁船からの沖釣りです。沖釣りであれば、船頭さんが釣れるポイントにそのまま連れて行ってくれるため、小さなお子さんでも「ウマヅラハギ」のような、美味しいお魚を簡単に釣ることができます。

『ウマヅラハギ』ってどんな魚?



ウマヅラハギは、フグ目カワハギ科の海水魚です。「カワハギ」に比べて体が細長く、目と口の間が長く、“馬”のように見えるため、「ウマヅラハギ」という名前が付けられました。

どこで釣れるの?

ウマヅラハギは、日本では北海道以南の各地に分布し、水深200mぐらいまでの深い海に生息しています。そのため、堤防などの身近な場所から釣れるカワハギと違い、ウマヅラハギは沖合いの船の上からでないと滅多に釣れません。

どうやって釣るの?



沖釣りには、個人でプレジャーボートやゴムボートを出したり、また最近はカヤックを出して釣る方法もありますが、初心者の方は「乗り合いの遊漁船」を利用しましょう。

遊漁船の予約は、地元の釣具店や釣り新聞などから情報を得ると良いでしょう。近年ではインターネットや、スマートフォンのアプリで遊漁船を予約するサービスもあります。

「カワハギ」がメインターゲットになっている遊漁船を選ぶ



遊漁船には、船ごとにメインターゲットと釣法が決められています。ウマヅラハギが遊漁船のメインターゲットになっている場合は、「カワハギの胴付き釣り」といった情報が出ているので、船頭さんの指定する釣り具を持って出かけましょう。

なお、ウマヅラハギは何でも食べる雑食性の魚なので、「マダイ狙いの餌釣り」や「キス狙いの胴付き釣り」などでも、外道としてよくお目にかかります。また、「五目釣り」(胴付き仕掛けを使ってその日の状況に応じてターゲットを変える釣法)の遊漁船でも、ウマヅラハギがよくターゲットになります。

できる限り早めに腸を取り除く



よく「ウマヅラハギはアンモニア臭くてマズイ!」という話が聞かれますが、それはウマヅラハギが食べたクラゲや海藻などが腸の中で発酵して、臭(にお)いが身に染み付いてしまうためです。

よってウマヅラハギが釣れたら、できる限り早めに内臓を取り出すか、肛門の部分を切って腸だけでも、先に取り除くようにしましょう。

下処理は意外と簡単

カワハギ科の魚は、身から皮が簡単に引き剥がせるので、「皮剥ぎ」という名前が付けられています。よって下処理は、他の魚に比べて意外と簡単です。


やっぱり肝は一級品!

ウマヅラハギはカワハギに比べると「美味しくない」と言われます。確かに、カワハギに比べてウマヅラハギの身は旨味に欠けるところがあります。しかしウマヅラハギの本領は肝にあります!

ウマヅラハギの肝は、いちど熱湯に通して臭みを取り、醤油とだし汁を少々加えてすり鉢でよく混ぜ合わせましょう。そして出来上がったこの「肝醤油」に、刺身におろした身を和えたら、キリッと冷やした酒によく合う「ウマヅラハギの肝和え」の完成です!




身のほうは、コンブで挟んで「コブ締め」にするとよいでしょう。あまり長く締めすぎると味が濃くなり、身が黄色くなってしまうので、締める時間は3~4時間が目安です。




【新鮮すぎる魚が食べたい。】は、毎週金曜日に掲載します。
 

文・写真・イラスト:東雲輝之(しののめ てるゆき)/1985年生まれ、福岡県北九州市出身。猟師&ライター。狩猟や釣り、養蜂など、自然から食を得て楽しむ“キャッチ&イート”をメインテーマとしたアウトドアライター。ジビエの流通やニホンミツバチ養蜂などの活動も行う。著書「これから始める人のための狩猟の教科書」、「イラストマニュアルはじめての養蜂」など(共に秀和システム)。
ブログ「チカト商会」https://chikatoshoukai.com/
Twitter:@rakurou21

この連載のバックナンバー

▼ もっと見る