東雲輝之【新鮮すぎる魚が食べたい。】-vol.79- 初心者でも簡単に釣れる!?『マダイのお刺身』

日ごろエビでタイを釣るのは得意というかたも、そうでないかたも。初心者でも楽しく釣って、おいしく食べる方法を、アウトドアライター・東雲輝之さんに教わる連載です。

船釣りにおける一番人気のターゲットは、やはりお魚の王様「マダイ」で間違いありません! ひと昔前まで「マダイ釣り」といえば、高価な釣り具と餌を使う、“ベテランの釣り”と言われるほど難易度が高いものでした。しかし近年、「タイラバ」と呼ばれるルアーが登場したことで、初心者でも割と簡単にマダイを釣ることができるようになりました。

『マダイ』ってどんな魚?



世界中におよそ125種類いると言われるタイの中で、マダイはスズキ目タイ科の、全長1mにも達する海水魚です。日本では奄美群島や沖縄諸島を除く北海道以南に生息。朝鮮半島全域、中国、東南アジアにも多く分布する魚です。

マダイは古くから、その味の良さや、めでたい儀式に用いられるために漁獲されていた魚で、現在では日本各地で、養殖や稚魚の放流が行われています。

マダイは味の良さだけでなく、見た目も美しい魚です。生きているマダイは淡紅色で、全身にエメラルドを散りばめたような美しい小斑点があり、目の上はサファイアのように青く光っています。

日本では「魚の王」と言われるので、どことなく男っぽいイメージがありますが、ブルーのアイシャドーと宝石をあしらったような魚体からは、“王女様”のような気品が感じられます。


どうやって釣るの?



20~40cm程度のマダイは、堤防などからでも釣ることができますが、50~100cmの “食べごろ”サイズを釣るのであれば、船釣りが一番です。

従来のマダイ釣りは、船の上から撒き餌を撒く、コマセ釣りが一般的でした。しかしマダイのコマセ釣りは、ウキから餌までの水深を調整するのがものすごく難しく、また撒き餌にお金がかかるので、“上級者向けの釣り”だと言われていました。
 
しかし近年、タイラバと呼ばれるルアーが、マダイ釣りで人気を集めています。このタイラバは、オモリ付きの針に細いゴム(ラバー)が何本も付いており、水に沈めるとゴムが「ひらひら」と動き、魚の“食欲スイッチ”を刺激する効果があります。

実をいうとこのタイラバは、もともとはマダイを一本釣りする漁師が使っていた伝統的な漁具で、その性能がとてもよいことから、近年では一般的な釣り具にまで波及するようになりました。


タイラバの「ひらひら」でマダイの興味を引く

タイラバの使い方はとても簡単です。まず船の上からタイラバを、ゆっくりと沈めていきます。このときゴムの「ひらひら」が、海中の上層や中層を泳いでいるマダイの興味を引く効果を持っています。

タイラバが着底して5秒ほど経ったら、リールを素早く巻いてタイラバを急浮上させましょう。もしマダイがタイラバに興味を持っていたら、急に動き出したことに驚いて、反射的にゴムの部分に食い付きます。すると、竿先のゴムが「うにょーん」と伸びるような感覚が伝わってきます。

マダイが針の部分に食い付くと、ゴムが伸びるような感触とは異なる「コツン!」という手応えがあるので、竿を一気に立てて針を掛けます。



もし「コツン!」の反応がなければ、(2)(3)を繰り返してみましょう。ゴムを引っ張る感触もない場合は、タイラバを回収して、(1)からやり直します。

マダイのお刺身は1日寝かせる



マダイの身は、透き通るような白身でモチモチとした歯触り、そして噛みしめるほどにあふれる旨味で、いまさら多くを語ることはないほど、隙の無い味です。

ただひとつだけ注意点をあげるとすれば、マダイのお刺身を作るときは、三枚におろした状態で、1~2日ほど冷蔵庫の中で寝かせると良いでしょう。もちろん、釣りたてのマダイの刺身も捨てがたい味わいなのですが、寝かせるとうま味成分が増してより美味しくなります。



【新鮮すぎる魚が食べたい。】は、毎週金曜日に掲載します。
 

文・写真・イラスト:東雲輝之(しののめ てるゆき)/1985年生まれ、福岡県北九州市出身。猟師&ライター。狩猟や釣り、養蜂など、自然から食を得て楽しむ“キャッチ&イート”をメインテーマとしたアウトドアライター。ジビエの流通やニホンミツバチ養蜂などの活動も行う。著書「これから始める人のための狩猟の教科書」、「イラストマニュアルはじめての養蜂」など(共に秀和システム)。
ブログ「チカト商会」https://chikatoshoukai.com/
Twitter:@rakurou21

この連載のバックナンバー

▼ もっと見る