東雲輝之【新鮮すぎる魚が食べたい。】-vol.80- マダイよりも高級魚『アマダイのウロコ煎餅』

グジのお刺身に、パリッパリッのウロコ煎餅、美味しそうですね! 初心者でも楽しく釣って、おいしく食べる方法を、アウトドアライター・東雲輝之さんに教わる連載です。

前回(vol.79)お話した“タイラバ”というルアーは、マダイ以外にも色々な魚を釣ることができます。例えば、メバルやカサゴ、アコウ、ヒラメ、ブリ、ヒラマサ、アジ、サバ、また、表層水域を泳ぐタチウオやシイラなど、実に様々です。そのような多彩なターゲットの中でも、釣れると「マダイよりもうれしい!」と喜ばれる魚が、超高級魚として名高い「アマダイ」です。

『アマダイ』ってどんな魚?



アマダイは、体長20~60cmほどの海水魚で、主にインド太平洋の暖かい海に広く生息しています。日本では南日本近海に分布し、シロアマダイ、アカアマダイ、キアマダイなどがあります。

アマダイは「鯛」という名前が付いていますが、マダイのようなタイ科の魚とは違い、キツネアマダイ科に分類される魚です。よって、習性やヒレの形、また、その食味もマダイとは大きく異なります。

どこで釣れるの?



アマダイは、水深10mから600mという、深い海の海底に生息している魚です。よって、オモリを付けて海底に沈める、タイラバのような釣法で釣るのがベストです。

アマダイ釣りも、マダイ釣りと同じように、遊漁船を利用するのが一番です。ただし、マダイは海底がゴツゴツした岩が隆起している場所を好むのに対し、アマダイは砂泥が広がる海底を好みます。よって遊漁船を利用するときは事前に船頭さんに「行く先の海底はどういった状態の場所なのか?」ということを確認しておきましょう。

どうやって釣るの?


 
タイラバによるアマダイの釣り方は、マダイ狙いと同じです。アマダイはあまり力が強くないので、針に掛かったら、ゆっくり丁寧にリールを巻いて釣り上げましょう。

身が柔らかいので、ウロコは削ぎ取る



アマダイの身はとても柔らかいため、普通の魚のようにウロコを「バリバリ」と剥いでしまうと、身が傷んでしまいます。よってアマダイのウロコは、皮ごと包丁で削ぎ取るようにして取り除きます。ウロコを処理したら、あとは普通の魚と同様に内臓を出し、三枚におろしましょう。

京都では「グジ」という名前で知られるアマダイは、相場価格でキロおよそ3000円から4500円と、マダイの2~3倍の値が付く超高級魚です。その味わいもマダイとは異なり、身はふっくらとして柔らかく、名前の通り、独特の甘みがあるのが特徴です。

料理方法としては、やはりお刺身で食べたいところですが、身が崩れやすいため、包丁の扱い方が悪いとグチャグチャになってしまいます。よって、いったん塩をまぶして身を引き締め、酒蒸しやポワレのような方法で調理をするとよいでしょう。

アマダイは“ウロコ”も美味しく食べられる

アマダイ料理で面白いのは、普通の魚では硬くて嫌がられるウロコを美味しく食べられることです。
取り除いたアマダイのウロコは、軽く塩を振って片栗粉をまぶし、高温の油でサッと揚げましょう。



俗に『ウロコ煎餅』と呼ばれるこの料理は、アマダイのウロコ一枚一枚が細かく薄いため、油で揚げると薄焼き煎餅のような「パリッ」とした食感になります。アマダイの身は揚げ物にしてもとても美味しいので、ウロコを付けたまま身をブツ切りにして、素揚げにするのもオススメです。




【新鮮すぎる魚が食べたい。】は、毎週金曜日に掲載します。
 

文・写真・イラスト:東雲輝之(しののめ てるゆき)/1985年生まれ、福岡県北九州市出身。猟師&ライター。狩猟や釣り、養蜂など、自然から食を得て楽しむ“キャッチ&イート”をメインテーマとしたアウトドアライター。ジビエの流通やニホンミツバチ養蜂などの活動も行う。著書「これから始める人のための狩猟の教科書」、「イラストマニュアルはじめての養蜂」など(共に秀和システム)。
ブログ「チカト商会」https://chikatoshoukai.com/
Twitter:@rakurou21

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