東雲輝之【新鮮すぎる魚が食べたい。】-vol.23- ガツンッ!と決めよう『ヒラマサの刺身』

おいしい魚の条件のひとつは鮮度です。何より新鮮なのは、獲れたてピチピチの魚。自分で釣り上げた魚以上に新鮮なものはありません。そこで初心者でも楽しく釣って、おいしく食べる方法について連載でお届けします。指南役は、狩猟や釣り、養蜂など、自然から食を得て楽しむ“キャッチ&イート”をテーマに、幅広くご活躍中のアウトドアライター・東雲輝之さんです。

水温が安定してきて岸に小魚が多くなると、それらを狙ってブリやヒラマサといった“青物”が近づいてきます。「ちまちま小魚を釣るのは面白くない! ここは一発大物をゲットしたい!」という方には、獲物がかかった瞬間の「ガツンッ!」が癖になる、“ジギング”がおすすめです。

『ヒラマサ』ってどんな魚?

ヒラマサは体長が約1m以上にも成長する大型の魚で、ときには時速40kmという驚くほどのスピードで泳ぎ回ることのできる“海のスプリンター”です。

同じアジ科の仲間で見た目がそっくりな「ブリ」がいますが、体つき(ヒラマサのほうが平たい)や、目とエラの長さ(ブリのほうが長い)、尾ビレの角ばり方(ヒラマサのほうが鋭角)、口角の形(ヒラマサは丸まっている)などで見分けることができます。

最も簡単な見分け方は「胸ビレの位置」で、ヒラマサは体の中央の黄色い線に胸ビレがかかっているのに対して、ブリは黄色い線よりも下に胸ビレが付いています。


どこで釣れるの?

ブリやヒラマサは回遊魚なので、湾内のような流れが緩やかな場所よりも、潮の流れが速い外海のほうがよく釣れます。

ブリ・ヒラマサ釣りは、堤防や磯といったショア(岸)から釣るだけでなく、船上から釣るオフショアも人気があり、「とにかく青物を釣ってみたい!」という人は、釣り船に乗って船頭さんに色々なポイントへ連れて行ってもらうのが一番の近道です。

どうやって釣るの?

青物はどこに回遊してくるのかわからない魚なので、餌釣りのようにいつまでも同じ場所で粘るような釣り方は向いていません。よって、竿とリール、そしてメタルジグと呼ばれるルアーだけを持って、あちこち移動しながら釣る“ジギング”と呼ばれる釣りが最適です。

ジギングに使う竿とリールは、大型の青物がかかっても力負けしないような頑丈な物を用意しましょう。メタルジグは1つでも釣ることはできますが、青物たちはその日、その場所で追っている小魚の種類が違うので、“当たりジグ”が異なります。よって、どんな魚にも対応できるように、60gほどのサイズを3~4種類以上用意しておきましょう。

メタルジグの操作方法は色々ありますが、一番初めのテクニックとして“ワンピッチジャーク”を覚えておきましょう。これは竿を「ブン! ブン! ブン!」とテンポよく上下(ジャーク)させ、その動きに合わせてリールを巻くテクニックです。このように竿を動かすと、メタルジグが水中で「ジタバタ」する動きになり、獲物を狙っている魚からは「パニックを起こして逃げまどっている」ように見えるため、食いつきやすくなります。

メタルジグを3、4回投げて何の反応もなければ、別の場所に移動しましょう。ジギングは根気と腱鞘炎との勝負ですが、青物がかかったときの「ガツンッ!」とした手ごたえと、魚がジェットスキーのように泳ぎ回る臨場感はたまらないものがあります!

ヒラマサは少し寝かせて刺身が◎

ヒラマサは煮付けや焼き物など火を通した料理にすると、身から脂が抜けて、すぐにパサパサになってしまいます。よって、刺身でいただくのがベターであるといえます。

ブリとヒラマサは、姿形はそっくりですが、身はヒラマサのほうがピンク色が強く、血合いも明るい色です。またその味わいは、同時期のブリに比べて臭みがなく、ギュッと締まった噛み応えのある食感が特徴的です。

もし40㎝ぐらいのヒラマサが釣れたら、半身はその日のうちに食べて、もう半身はキッチンペーパーに包んだあとラップで包み、翌日の夜に食べましょう。ヒラマサの身は一晩寝かせると、熟成効果でうま味成分が増加し、釣りたてとはまた違う美味しさがあります。

 

【新鮮すぎる魚が食べたい。】は、毎週金曜日に掲載します。

 

文・写真・イラスト:東雲輝之(しののめ てるゆき)/1985年生まれ、福岡県北九州市出身。猟師&ライター。狩猟や釣り、養蜂など、自然から食を得て楽しむ“キャッチ&イート”をメインテーマとしたアウトドアライター。ジビエの流通やニホンミツバチ養蜂などの活動も行う。著書「これから始める人のための狩猟の教科書」、「イラストマニュアルはじめての養蜂」など(共に秀和システム)。
ブログ「孤独のジビエ」http://kodokunogibier.blog.fc2.com/
Twitter:@rakurou21

この連載のバックナンバー

▼ もっと見る