東雲輝之【新鮮すぎる魚が食べたい。】-vol.48- 自分で釣ってプロがさばく『ショウサイフグのクリスピー』

おいしい魚の条件のひとつは鮮度です。何より新鮮なのは、獲れたてピチピチの魚。自分で釣り上げた魚以上に新鮮なものはありません。そこで初心者でも楽しく釣って、おいしく食べる方法について連載でお届けします。指南役は、狩猟や釣り、養蜂など、自然から食を得て楽しむ“キャッチ&イート”をテーマに、幅広くご活躍中のアウトドアライター・東雲輝之さんです。

初冬の海で釣りをしていると、よくフグが針に掛かります。冬の美味しい魚の定番ともいえるフグですが、ご存知の通り“毒”を持つ種が多いため、素人が調理するのはご法度とされています。しかし、この時期よく釣れる「ショウサイフグ」などを専門に扱う釣り船に乗れば、ふぐ調理師が毒のある部位を綺麗に取り除いてくれるので、新鮮なフグを安心して食べることができます。

『ショウサイフグ』ってどんな魚?

「ザザーン!」と砂浜に波が押し寄せて真っ白な泡が弾ける様を思わせる模様があることから名付けられたショウサイ(潮際・潮前)フグは、中型のフグです。フグの種類は見た目で判別するのが非常に難しく、ショウサイフグもクサフグやマフグ、ヒガンフグ、アカメフグなどの他のフグと見分けにくいので注意しましょう。

どこで釣れるの?

ショウサイフグは沿岸域や沖合に面した砂底を好み、たとえば東京湾や大阪湾などの流れの緩い海域に生息しています。砂地と岩場が交じるような港や防波堤付近など身近な場所で釣ることができます。

フグを釣るときはフグ専門の釣り船を利用しましょう。フグ釣り船では、ふぐ調理師の免許を持っている人が同船しているので、釣ったフグをその場で判別・下処理してもらいましょう。絶対に自己流に処理をしてはいけません。

どうやって釣るの?

フグの歯はカミソリのように鋭くなっており、普通の釣り糸を使った釣法では糸がぷっつりと噛み切られてしまいます。そこでショウサイフグを専門に狙いたいのであれば「カットウ仕掛け」を使ってみましょう。

カットウはオモリに1本のJ型針と、2つの傘型針が付いており、J型針にアサリのむき身や魚の切り身などの餌を付けてショウサイフグを引き寄せて、傘型針で引っ掛けるようにして釣ります。フグは餌をツンツンとつつくようにして食べるため、竿先から伝わる微妙な反応を見逃さないように集中して釣りましょう。

冷ご飯を使ってサクサククリスピーを作ろう

釣り船のふぐ調理師に内臓を取ってもらい、皮を剥ぎ、腹に付いた膜を取り、よく洗った“身欠(みが)き”の状態にしてもらったら、あとは料理するだけです。




まずは三枚におろして、身を薄くそぎ切りにして刺身(てっさ)にしてみましょう。ショウサイフグの刺身はさすがにトラフグには及びませんが、しっかりとした噛みごたえと旨味があります。




もし、刺身では物足りないなと思われる小さなショウサイフグが釣れたのであれば、パリパリに揚げたクリスピーにするのもオススメです。

【材料】
ショウサイフグの身欠き……5匹分
卵白……2個分
小麦粉……大さじ2
片栗粉……大さじ2
冷ご飯……20g
サラダ油……適量
塩……適量

【作り方】
1.ショウサイフグの身欠きに軽く塩を振り、キッチンペーパーに包んで30分程度置き、水抜きする。
2.1をボウルに移し、少量のサラダ油と冷ご飯、卵白を入れてよく混ぜる。




3.小麦粉と片栗粉を混ぜて2に付ける
4.低温のサラダ油(菜箸の先に衣を付けて気泡がぷつぷつ出るぐらいの温度)で揚げ、表面が固まってきたら、いったん取り出す。
5.次に油を180℃ぐらいの高温にして、表面がキツネ色になるまで揚げる。

サクサクっとした食感のクリスピーを作るコツは、最後に高温でさっと揚げる“二度揚げ”です。さらに衣に冷ご飯を混ぜることで、サクサクと歯触りの良い食感を楽しむことができます。




なお、ショウサイフグは身にも微量に毒が含まれていることがあります。よって、どんなに美味しくても“5匹”以上食べ過ぎないように注意しましょう。


【新鮮すぎる魚が食べたい。】は、毎週金曜日に掲載します。
 

文・写真・イラスト:東雲輝之(しののめ てるゆき)/1985年生まれ、福岡県北九州市出身。猟師&ライター。狩猟や釣り、養蜂など、自然から食を得て楽しむ“キャッチ&イート”をメインテーマとしたアウトドアライター。ジビエの流通やニホンミツバチ養蜂などの活動も行う。著書「これから始める人のための狩猟の教科書」、「イラストマニュアルはじめての養蜂」など(共に秀和システム)。
ブログ「孤独のジビエ」http://kodokunogibier.blog.fc2.com/
Twitter:@rakurou21

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