スギアカツキ【たまごのはなし】第21回 卵不使用のマヨネーズ調味料から学んだ「たまご愛」

この連載では、「たまごが一番大好きな食材」という食文化研究家のスギアカツキさんが、その経験と好奇心を生かしたさまざまなアプローチで「たまご」を掘り下げます。

「好きな食べ物は何ですか?」

これは、私が初対面の相手に必ず聞く質問です。答えを聞くことで、相手の好みのツボを知ることができ、心の距離感がちょっぴり近づいたような気分に。そしてもう一つ、少し仲良くなって食事をしようとなった際に聞くのが、「嫌いなものは何ですか?」という問いです。これは、相手と安心して食事をするうえでとても大切な問題で、「一緒のものを食べたい」という願いが、私の心の根底にあるからです。皆さんは、いかがでしょうか。

今回は、この「一緒のものをおいしく食べたい」という願いを叶えてくれる、素晴らしいアイテムとして、キユーピーが作る“卵不使用”のマヨネーズタイプ調味料「卵を使っていないキユーピー エッグケア」(※以降、エッグケアと略)をご紹介したいと思います。



そもそもこのエッグケアは、2015年から発売されていましたが、食物アレルゲン(特定原材料等27品目)の一つである“リンゴ”を不使用にするなどして、2019年2月15日にリニューアルした、卵不使用のマヨネーズ調味料です。

そもそも日本において、食物アレルギー、中でも鶏卵アレルギーがどのくらいいるのか?というと、実は意外にも多いことがわかります。

<日本における食物アレルギー有症率>
乳児:約10%、3歳児:約5%、保育所児:5.1%、学童以降:1.3~4.5%

そして全年齢における原因食物の1位が「鶏卵」であり、未成年(0~19歳)における誤食の原因食物の1位にも君臨しています。

(参考データ)
「食物アレルギーの診療の手引き2017」より(食物アレルギー研究会サイト)
https://www.foodallergy.jp/care-guide/epidemiology/

この状況を踏まえると、能天気に「たまごっておいしいよね」なんて、絶対に言えません。食べられない人への配慮の気持ちを忘れてはならないぞと痛感します。話をエッグケアの紹介に戻しましょう。実際に商品の中身を絞り出してみると、こんな感じです。



一口食べてみると、マヨネーズ感たっぷりの堂々たるおいしさに驚かされます。使われている原材料は、油、酢、塩、砂糖の他、香辛料などとなっていますが、この味で卵不使用とは到底思えません!


キユーピーいわく、卵不使用でもたまごの風味を感じられる調合で、マヨネーズらしいコクや口どけを再現しているそうで、同社は2017年7月に「卵の風味を長くおいしく感じられる」特許(特許第6181504号)を取得しています。

そしてこのマヨネーズ調味料、卵アレルギー本人以外に、その家族の食事も明るくしてくれるという点でも素晴らしいなと感じます。まさに、同じメニュー・同じ味を叶えてくれるのです。ポテトサラダ等はもちろん、隠し味としてマヨネーズを使いたい時にも重宝するでしょう。



私も家族も、卵アレルギーではありません。また、卵アレルギーの関係者からすれば、本商品はすでにご存じかもしれません。でもなぜ私がこの話をしたかったのかというと、それは、たまごへの愛情表現に、“新しい気づき”をもらったからなのでした。たまごに対する想いは、おいしいたまご料理を追求するだけではないこと。「使わないこと」が幸せを作る場合もある。そんな価値観をしっかり持ちながら、これからもたまご探検に精進していきたいと思います。

本商品に敬意を表し、私が考える「おいしいポテサラ」のレシピを紹介して締めくくりたいと思います。皆さん、ぜひ作ってみてくださいね!

【材料(大ボウル1杯(5~6人)分)】
・ジャガイモ(※1) 500~600g
・ニンジン 1/3本
・キュウリ 1本
・玉ネギ 1/4個
・リンゴ(※2) 1/4個
・ハム 50g
・ナッツ(※2) ひとつかみ
・エッグケア 大さじ4
・フレンチドレッシング 大さじ2
・マスタード 大さじ1
・白コショウ 少々
※1 ジャガイモは、大なら4個、中なら6個、小なら10個が目安量。
※2 ナッツ、リンゴなどにアレルギーがある方は、材料から外してください。

【作り方】



(1)ジャガイモは洗って泥を落とし、蒸し器に入れて強火で蒸す。時間は、大40分、中30分、小20分が目安。
(2)ジャガイモ以外の具材を準備する。ニンジンはいちょう切りにして2分程茹でる。キュウリはうす切りにして塩もみをし、玉ネギはスライスして水にさらして水気をしっかり絞る。リンゴは小口切り、ハムは短冊切り、ナッツは粗めに刻む。
(3)ジャガイモの中心を竹串などで刺してみて、スッと入るようならOK。熱いうちに取り出して、皮を手早くむき、ボウルに入れる。フレンチドレッシングを回し入れ、木べらでくずしながら和えて下味を付ける。
(4)他の具材も加え、あらかじめ合わせておいたエッグケアとマスタード、白コショウで味付けをする。ジャガイモの大きさは好みで調整を。ゴロゴロ大きめも良し、しっかりつぶすのも良し。
(5)器に盛り付ければ完成。作りたてはホクホクおいしいし、冷蔵庫で一晩寝かせたものは味がなじんでコクが出る。


【たまごのはなし】は、ほぼ隔週火曜日に掲載します。

 

文・写真:スギアカツキ/食文化研究家。長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを幅広く学ぶ。現在、世界中の食文化を研究しながら、各メディアで活躍している。『やせるパスタ31皿』(日本実業出版社)、女子SPA!連載から生まれた海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)が好評発売中。
「みなさん、一番大好きな食べ物ってなんですか? 考えるだけで楽しくなりますが、私は『たまご』という食材に行きつきます。世界中どこでも食べることができ、その国・エリア独特の料理法で調理され、広く愛されている。そしてなにより、たまごのことを考えるだけで、ワクワクうれしい気分になってしまうんです。そこで、連載名を『たまごのはなし』と題し、たまごにまつわる“おいしい・たのしい・うれしい”エピソードを綴っていきたいなと思います」
Instagram:@sugiakatsuki
Twitter:@sugiakatsuki12

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