トレイベイクって何? すぐに真似したい、イギリス流「お茶の時間」の楽しみ方

忙しい毎日だからこそ、美味しいおやつやお茶を手際よく準備して、「お茶の時間」をゆったりと楽しみたいものです。そこで、昔から「お茶の時間」を大切にするイギリスでの楽しみ方を、イギリスの料理やお菓子の研究を続けている砂古玉緒さんに教えていただきます。トレイベイクを作る際に覚えておきたい、型へのクッキングシートの敷き方も教えちゃいます。

イギリスといえば、今も昔も「お茶の時間」をとても大切にする国。
そしてお茶の時間に欠かせないのは、スコーン、ビスケット、ケーキ、プディングなどのおやつです。
今回は、それらのなかから「トレイベイク」をご紹介します。

トレイベイクのすすめ

大きな天板に生地を流し込んで焼き上げるお菓子をトレイベイク(Traybake)と呼び、家庭でもティールームでもよく作られます。多くはひとつのボウルに材料を入れて混ぜるだけで、特別な型もいらず、手間のかかるデコレーションもない焼きっぱなしのお菓子です。焼き上がったらカットするだけで簡単なのも魅力。夕食作りの合間に作ってしまうこともできます。

忙しいイギリスのお母さんたちは、メイン料理や野菜をオーブンでローストしている間に、お菓子の下ごしらえをします。夕食ができ上がったら庫内の熱が冷めないうちに、今度はトレイをオーブンに入れて焼き始めます。そして食事が終わるころには、デザートの完成。残ったケーキは、次の日のおやつになります。また、プレゼントにも適しています。

アレンジも簡単です。旬の果物や野菜を焼き込んだり、表面にクランブルやオーツをふることもよくあります。お菓子作りが初めてでも、気軽にトライできるトレイベイクです。


トレイベイク・4つのポイント

●その1 ひとつのボウルで作れます●
材料をひとつのボウルに入れて混ぜるだけ。日々のおやつ作りですから、シンプルな調理で、洗いものが少なくてすむことも大切です。


●その2 型は1種類だけで大丈夫●
天板で焼き上げるのが「トレイベイク」の基本のスタイルです。天板はもちろん、パウンド型やホウロウバットなどでもよいでしょう。焼き時間は様子を見ながら加減します。竹串をさして生地がついてこなければ焼けています。いろいろな形や大きさの型は必要ありません。お気に入りの型がひとつあれば十分です。


●その3 焼き上がったらそのまま●
焼き上がったら、そのままの状態でいただけます。クリームを塗ったりフルーツなどを飾ったりせず、食べるときに各人のお皿の上で合わせます。


●その4 保存ができます●
トレイベイクは焼きたてがおいしいですが、時間がたつと、なじんで味に深みが加わります。昔のイギリスの家庭では食べる分だけ切り分けて、残りはケーキドームに入れ、棚で保存していました。今なら、ラップでぴったり包んでから保存袋に入れ、冷蔵庫で1週間、冷凍庫で3週間はおいしく保存できます。ソースやクリームは、最初に全体にかけたり塗ったりせず、食べる分だけをカットして、それにかけたり、添えたりしていただきます。ケーキを無駄なく長く楽しむための、イギリスらしい工夫です。


型への紙の敷き方

角型や天板への敷き紙にはクッキングシートを使います。紙を敷いて焼けば、焼き上がりの取り出しがスムーズです。縦15cm×横15cm×高さ5cmの角型を使う場合でご紹介します。

●その1●
クッキングシートを25cm四方(型の底のサイズより縦横10cmずつ大きく)に切ります。型を紙の中心に置き、型に沿って折り目をつけ、写真の通りに4か所を切ります。


●その2●
四隅を重ねて、型に入れます。


●その3●
生地を流すとき、四隅の紙の重なりに、生地を少量取ってのりとしてつけ、紙を接着します。生地を流し入れるとき、紙が動かず、流しやすくなります。


トレイベイク、作ってみたくなりませんか? 明日は美味しいトレイベイクの作り方をご紹介します。

砂古玉緒(さこ たまお)/広島県生まれ。約10年のイギリス在住時に、イギリス料理とイギリス菓子の取材、研究、製作を行う。2004年に教室をスタートし、日本とイギリスで人気を博す。現在、テレビ、雑誌、書籍、イベント、全国のカルチャースクール講師などで活躍中。2014年NHK連続テレビ小説『マッサン』で、スコットランド料理・菓子製作指導を担当。著書に『お茶の時間のイギリス菓子 伝統の味、地方の味』(世界文化社刊)ほかがある。
http://www.britishpudding.com/

撮影:石川奈都子
イラスト:朝倉めぐみ

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