オレンジペコって、オレンジ味なの? 今さら聞けない、紅茶の常識

お茶の時間や食後に「コーヒーか紅茶」のどちらかを選ぶ、という場面がよくあります。そんな私たちの生活に溶け込んでいる紅茶ですが、どんな種類があって、何が違うのか、正確に答えられる人はどれぐらいいるでしょうか? たとえば「オレンジペコ」ってよく耳にするけれど、どんな紅茶なの? そこで、紅茶の常識がわかる本『厳選紅茶手帖』からご紹介します。
オレンジペコって、オレンジの味?
オレンジペコとは、茶葉てっぺんの芯芽の次、2番目の茶葉の呼び名だ。高品質の紅茶=オレンジペコであるため、ダージリンのように地域名か、品種名と勘違いする人も続出。お店で「オレンジペコください」と注文する人も。
また、その名もズバリ「オレンジペコ」と名付けられた商品もあるため、ややこしい。その名から、オレンジ味のフレーバーティーと思っている人もいる。「茶葉の呼称」ゆえ、様々な地域の「オレンジ・ペコ」があり、特定の銘柄ではないのだが。
では、いったいなぜオレンジの香りや味もしないのに、この呼び名がついたのかが謎。
これには諸説あり。
1 茶葉の芽に生える白い産毛、白亳(はくごう)を「パイハウ」と呼んだのがなまって、「ペコ」と呼ばれ、その白亳がオレンジ色に見えた!?ことから、合体して「オレンジペコ」になったという説。
2 お茶の色がオレンジ色だったという説。
3 茶葉の香りづけにオレンジの花を使ったという説。
4 オランダ王国のオレンジ・ナッソーに由来するという説。
どれが本当か定かではないが、シルバーチップを含む高級な春摘みダージリンは、確かにオレンジがかった色をしている。
山本洋子(やまもと ようこ)/酒食ジャーナリスト 地域食ブランドアドバイザー。鳥取県境港市・ゲゲゲの妖怪の町生まれ。素食やマクロビオティック・玄米雑穀・野菜・伝統発酵調味料・米の酒をテーマにした雑誌編集長を経て、地方に埋もれた「日本のお宝! 応援」をライフワークにする。「日本の米の価値を最大化するのは上質な純米酒」+穀物、野菜・魚・発酵食、身土不二、一物全体を心がける食と飲生活を提案。地域食ブランドアドバイザー、純米酒&酒肴セミナー講師、酒食ジャーナリストとして全国で活動中。境港FISH大使。著書『純米酒BOOK』。
撮影:久保田彩子
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