分とく山・野崎洋光さんに教わる“料理上手になる食材のきほん”―枝豆編

夏の美味しいお楽しみ、枝豆を見かけるようになりました。そこで、東京・南麻布「分とく山」総料理長の野崎洋光さんが、料理人として長年にわたり食材と向き合い、日本各地の農家を訪ねるなどして蓄積されてきた食材の知識を、集大成としてまとめた本『料理上手になる食材のきほん』から、「枝豆」についてご紹介します。後半でご紹介する、枝豆の色と香りが清々しい、白味噌仕立ての冷製ポタージュも、ぜひ作ってみてください。

枝豆のきほん

マメ科。枝豆は、大豆を熟す前に早採りしたものです。

中国北部原産の大豆は、日本には弥生時代に渡来していますが、枝豆として食べ始めたのは平安時代から。別名は「あぜ豆」「さや豆」、東北地方では「じんだ豆」と呼ばれます。鮮度落ちが早く、時間が経つと甘みも風味も半減するので、手間はかかっても枝付きを求め、買ったら早めにゆでましょう。

最近はブランド化が進み、人気を博しています。例えば、山形県の「だだ茶(ちゃ)豆」や新潟県の「茶豆」はいずれも薄皮が茶色、兵庫県の「黒枝豆」は粒が大きく黒っぽい色をしています。

【選び方】
枝にさやがびっしり付き、ふっくらして産毛がついているものを。

【旬の時季】
6~10月に出回り、旬は7~9月。黒豆の枝豆は、9月に出ます。

【産地】
生産量が多いのは千葉県や北海道、山形県。

【栄養】
たんぱく質やビタミンB1、カルシウムが多く、大豆にはないビタミンCも多く含む栄養価の高い野菜。イソフラボンも含みます。

【料理のコツ】
両端をはさみで切り、塩もみしてゆでるとアクが取れ、色鮮やかになります。ゆでるときは、4%の塩湯で。塩気はきつめですが、汗をかいた夏にほどよい塩味が感じられます。ゆで時間は3分半ほど。水にとると風味や味わいが抜けるので、ざるに上げて、あおいで冷まします。そのまま食べるだけでなく、豆を取り出して同じ旬の新生姜と「かき揚げ」にするのもおすすめ。たくさん手に入ったら「呉汁(ごじる)」もどうぞ。これは本来は、生の枝豆をすり鉢でつぶすかフードプロセッサーにかけたものです。それをアレンジし、枝豆をゆでてつぶし、豆乳または昆布だしでひと煮し、塩か白味噌で味付けした汁もおすすめ。冷たくすれば、夏の品のいい和風ポタージュになります。

「枝豆ポタージュ 白味噌仕立て」を作ろう


材料(2人分)
 枝豆(正味)……80g
 塩……適量
 白味噌……40g
 豆乳……1カップ
 水……1/2カップ

作り方
1. 鍋に湯を沸かして、湯の4%の塩を加え、枝豆を3分半~4分ゆでて水気をきる。
2. 枝豆をさやから出して薄皮をむき、フードプロセッサー(またはすり鉢)でペースト状にし、さらに裏ごしをする。
3. 鍋に2と白味噌を入れて豆乳、水でなめらかにのばし、ゆっくりかき混ぜながら火にかける。全体がなめらかになり、とろりと温まったら鍋ごと氷水で冷やし、器に盛る。とろみが弱い場合は、水溶き片栗粉適量を加えるとよい。

野崎洋光(のざき ひろみつ)/東京・南麻布の日本料理店「分とく山」総料理長。1953年、福島県古殿町生まれ。武蔵野栄養専門学校を卒業、栄養士でもある。従来の考え方にとらわれない今の時代に合った料理哲学を、やわらかな語り口で分かりやすく説く、稀有な料理人。常に家庭料理の大切さ、家庭でしか作れないおいしさを唱えている。『和食のきほん、完全レシピ』(小社刊)、『日本料理 前菜と組肴』(柴田書店)など、著書も多数。

撮影:日置武晴

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