スギアカツキ【たまごのはなし】第27回 初夏にパワーを与えてくれる「茹でニラ卵黄」が美味しい

今回は、変わりやすい天候が続く今の時期を元気に過ごすための、おすすめメニューのお話。もちろん「たまご」も使います。この連載では、「たまごが一番大好きな食材」という食文化研究家のスギアカツキさんが、その経験と好奇心を生かしたさまざまなアプローチで「たまご」を掘り下げます。

先日、ある取材で聞かれたことがあります。それは、「今の季節、ちょっと体調が崩れそうな時に食べると良いものはなんですか?」という質問。皆さんは、春から夏にかけてのこの時期、どんなものを思い浮かべますか? 私は、なるべく簡単に作ることができて、美味しく味わえるものが良いなあと考えます。そして、すぐに思い浮かぶのが、「茹でニラ卵黄」です。




文字どおり、ニラを2分ほど塩茹でして切りそろえ、その上に卵黄を乗せ、醤油を垂らして食べるだけの、大変シンプルな料理なのですが、この時期のニラが、柔らかく、甘くて、しみじみ美味しいのです。





ニラは、『古事記』や『万葉集』に出てくるほど、歴史がある野菜。ユリ科ネギ属であり、「レバニラ」などのイメージが強いせいか、冬や夏が旬だと思われがちですが、実は春。収穫量が多くなるちょっと前の春に出始めるニラの葉は、柔らかく、香りも強いそうです。

栄養的な話をすると、イメージ通りの優秀さ。疲労回復や免疫力を高めてくれる「アリシン」や、美肌づくりやアンチエイジングのサポートとなる「βカロテン」や「ビタミンE」などが豊富な緑黄色野菜です。

とにかく私は、この時期に出回る旬のニラが大好きで、花ニラや黄ニラなどのニラファミリーを見つけるたびに、ワクワクしてしまうのです。





さてさて話を「茹でニラ卵黄」に戻しましょう。卵とニラを合わせると、美味しいのはもちろんのこと、栄養的にも相乗効果が期待できます。「ニラ」にはビタミンB1(新陳代謝を活発にして疲労回復を助ける)の働きを良くするアリシンが含まれているため、B1が豊富な「卵」は、理想的なパートナー。しかも、ニラを茹でて卵黄を乗せるだけなので、「ニラ玉」を作るよりも簡単です。食べ方は、ご自由に。醤油を垂らし、卵黄を崩して混ぜるだけでも良いですし、お好みでごま油を加えるのもオススメです。





さあ、おいしいニラを探して、おいしい卵と合わせてご堪能あれ。そして、活力に満ちた夏をお迎えくださいね!


【たまごのはなし】は、ほぼ隔週火曜日に掲載します。

 

文・写真:スギアカツキ/食文化研究家。長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを幅広く学ぶ。現在、世界中の食文化を研究しながら、各メディアで活躍している。『やせるパスタ31皿』(日本実業出版社)、女子SPA!連載から生まれた海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)が好評発売中。
「みなさん、一番大好きな食べ物ってなんですか? 考えるだけで楽しくなりますが、私は『たまご』という食材に行きつきます。世界中どこでも食べることができ、その国・エリア独特の料理法で調理され、広く愛されている。そしてなにより、たまごのことを考えるだけで、ワクワクうれしい気分になってしまうんです。そこで、連載名を『たまごのはなし』と題し、たまごにまつわる“おいしい・たのしい・うれしい”エピソードを綴っていきたいなと思います」
Instagram:@sugiakatsuki
Twitter:@sugiakatsuki12

この連載のバックナンバー

▼ もっと見る