【コラム】「紅茶力」を上げるHOT TEAのいれ方

ほっとひと息つきたいときに紅茶を飲む方も多いはず。ちゃんとおいしくいれられていますか? せっかく飲むなら、よりおいしい紅茶を飲みたいもの。そこで今回は、ポットを使ってあたたかい紅茶をおいしくいれる方法を、東京・銀座の紅茶専門店「リーフルダージリンハウス」代表の山田 栄さんに教えていただきましょう。忙しいときほど、こうしておいしい紅茶をいれることが、気持ちを落ち着かせるいい時間になります。味を引き出す3本柱は、「量」「温度」「蒸らし時間」です。

1 ティーポットとカップを温める

ポットとカップに熱湯を注ぎ、温める。においと埃もとれて一石三鳥。お湯は違う器に移すたびに温度が10℃近く下がるため、ポットとカップを熱湯で温めておく。

2 茶葉を正確に量り、ポットにいれる

ダージリン春摘みの1st Flushなら3~4g、夏摘みの2nd Flushは3g、アッサムは3g、これがお湯300mlの目安。茶葉1gに対して湯、約100mlと覚える。
*茶葉は湿気を吸いやすいので必ず密閉容器で保存する。

●正確に計量する
0.1gが計量できるはかりがあれば正確だが、ない場合は小さじ(5ml)かティースプーンで量る。

●同じ2gでも茶葉の形状で変わる

左から、CTC茶葉なら小盛りで2g/ブロークン茶葉なら中盛りで2g/リーフ茶葉なら大盛りで2g
*CTC茶葉とは、近代的製法「CTC製法」で作られた茶葉。crush(押しつぶす)・tear(ひきさく)・curl(丸める)加工法で、その製法から、ブロークンリーフ以下のクラスしかない。

●同じ茶葉の盛り方の違い

左から、ブロークン茶葉の小盛りで1g、中盛りで2g、大盛りで3gとなる

3 沸騰した湯をポットへ注ぐ

水道の蛇口から勢いよく水を流し、空気を含んだ新鮮な水をヤカンに注ぐ。強火にかけ、大きな泡がボコボコという状態にまで沸騰させる。温め用のポットの湯を捨て、茶葉を入れてヤカンから熱湯を注ぐ。香りを立たせるには高温が必要!

*なぜ水道水か?
ペットボトルの水は空気が少なく、加熱殺菌処理されたものも多い。硬度が高い水はミネラル分が多く、味や香りが引き出しづらくなる。水道水が心配なら浄水器をつける。

*沸騰した湯、ただし例外も
発酵がそれほど強くないダージリンのシルバーチップなどのデリケートな茶葉は、湯温を少し下げた方がおいしくいれられるという説も。また水出しの紅茶も極上の美味しさ。茶葉により、温度は様々であり、温度と時間は比例すると覚えておこう。高温でスピーディに抽出か、低めでじっくり抽出か。それにより抽出される成分も微妙に異なる。紅茶は原産国、クオリティーシーズン、発酵の強弱、茶葉の形状も様々。紅茶のいれ方はひとつではない! だから楽しい。

4 茶葉をしっかり蒸らす

ポットに蓋をし、それぞれの茶葉の形状やグレードに合わせた時間で蒸らす。蒸らし時間はホールリーフで5~6分、ブロークンリーフで3分、CTCなら2~3分、ダストは1~2分が目安。

5 ひと混ぜする

茶葉が開き、底に沈んでいるか確認。蒸らし終えたら、ポットの蓋を開け、スプ−ンで底から軽くひと混ぜする。味の成分はポットの底に沈むため、混ぜて濃度を均一にする。味見して、もう少し濃くしたい時は、さらにおいて様子をみる。

6 均等にカップに注ぐ

温めたカップに、茶こしを使って注ぐ。カップが複数ある時は、濃度と水色が均等になるよう、分けて注ぐ。「ベストドロップ」と呼ばれる最後のおいしい一滴まで注ぐこと。熱すぎると紅茶の味がわかりづらいので、少しおいて65~70℃で飲むと、香りや甘味、旨味など紅茶の奥行きある味がよくわかる。

おいしいいれ方がわかると、ダージリンだけでなく、アッサム、セイロンなど、いろいろな紅茶をおいしく飲んでみたくなりませんか。もっと紅茶を知りたくなった方には、山田さんにも取材協力していただいた本『知ればもっとおいしい! 食通の常識 厳選紅茶手帖』がおすすめです。

 

リーフルダージリンハウス銀座/1988年に創業。代表の山田 栄さんは「季節の摘みたてダージリンの魅力や、茶園の豊かな個性を伝えたい」と20年間にわたり、現地との交流を深め、年3回(春・夏・秋)のクオリティーシーズンに茶園を訪問。茶園のマネージャーや製造スタッフと栽培や製造方法をディスカッションし、テイスティングを重ね、買い付けを行っている。店内にはダージリンを中心に、アッサム、ハイレンジ、ニルギリ、シッキムなどのインド紅茶、セイロン(スリランカ)、中国紅茶に加え、貴重なネパールの紅茶などが約70アイテム揃って圧巻。高級レストランやホテルのワインソムリエからも熱い信頼が寄せられる。また、独自にブレンドしたオリジナルティー、50種以上のハーブティー、ティーグッズ、ギフト用の商品などアイテム豊富。気になる商品は一部を除き、テイスティングも可能。ギフトの相談にも快く応じてくれる。紅茶教室も随時開催。
http://www.leafull.co.jp

撮影:久保田彩子