静岡おでんが食べたくなったら…日本を代表する和食料理人に教わる“故郷の味”

幼い頃から当たり前のように食べていた郷土料理は、実家を出て長くなるにつれ「遠くにありて思うもの」に……。「あの味をまた食べたい」と思っても、近くに食べられるお店があるとは限りません。そんな時は、自宅で作ってみるのはいかがでしょう。東京・銀座の名店「銀座 小十」奥田透料理長に、ご出身の静岡の郷土料理「静岡おでん」の作り方を教えていただきました。あなたもぜひ、“ソウルフード”を手作りで。

静岡出身の私にとって、「おでん」といえば「静岡おでん」のこと。
牛すじでとっただしで煮て、仕上げに青のりが入った削り粉(煮干し粉)をふって食べる、串刺しおでんです。
最近ではB級グルメとして、全国的に知られるようになりましたね。
静岡市内の大衆的な店では当たり前にあり、子供が立ち寄る駄菓子屋にもある、なじみ深い味です。
たねに欠かせないのが、いわしやあじなど青魚のすり身で作る「黒はんぺん」。
旨みの強いこの静岡おでんの作り方をご紹介しましょう。

【材料(4~5人分)】
大根……1/2本
米のとぎ汁……適量
ゆで玉子……4個
ちくわ……4本
ごぼう天……4個
黒はんぺん……4枚
削り粉・青のり・溶き芥子……各適量
煮汁
 牛すじ肉……500g
 水……4.5l
 酒……2と1/4カップ
 だし昆布……5g
 みりん……1/2カップ
 薄口醤油……1/4カップ
 醤油……1と1/2カップ

【作り方】
1.牛すじ肉をぶつ切りにし、熱湯にくぐらせる。
大鍋に牛すじ肉と水、酒、昆布を入れ、あくを取りながらぽこぽこ沸く火加減で煮て、牛すじ肉を取り出し、2割ほど煮つめる。
煮汁がだしになる。

2.大根は3~4cm厚さに切り、皮をむいて面取りし、隠し包丁を入れて米のとぎ汁でゆでる。
ちくわ、ごぼう天は熱湯をかけて油抜きする。
牛すじ肉とすべての具に串を刺す。

3.1の煮汁に2の具を入れ、みりん、薄口醤油、醤油を加えて煮込む。
器に盛って削り粉と青のりを混ぜてかけ、溶き芥子を添える。

奥田 透(おくだ とおる)/1969年静岡市生まれ。高校時代から料理に興味を持ち、静岡や徳島などで修業。99年に独立、静岡市に「花見小路」を開き、連日満席ながらも店を譲り、2003年に東京・銀座に「小十」を開店。ミシュランガイドでは、初年の2008年度版から三ツ星を守り続けている。日本料理の原点「だし」の味を決めるのは水であると、故郷・静岡の湧き水を毎日取り寄せるほど。おいしさへの追求心はとどまることがない。

撮影:高橋栄一

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