スギアカツキ【たまごのはなし】第34回 安らぎの諏訪銘菓「鳥ぱん」に癒されよう

その場所を訪れたら必ず買うお土産や、ちょっと疲れたなあというときに食べたくなるものはありますか? この連載では、「たまごが一番大好きな食材」という食文化研究家のスギアカツキさんが、その経験と好奇心を生かしたさまざまなアプローチで「たまご」を掘り下げます。

私には、定期的に訪れる大好きな場所があります。長野県・蓼科に山小屋を所有していることもあり、諏訪~茅野~蓼科エリアにおける季節の移ろいを確認するため、時間が少しでも取れると、東京から車を走らせています。そして、帰京時にお土産として諏訪の郷土菓子「鳥ぱん」を購入することが、私の安らぎでもあります。はい、楽しみというよりは、“安らぎ”というほうが、しっくりくる感じ。





パッケージを開けると、なんとも素朴な鳥達が湖面に静かにたゆたっているような様子で鎮座しています。この姿は、諏訪湖に飛来するカモやオシドリの“浮き寝”の姿を見て考案されたそうで、繊細というよりは素朴、洗練というよりはやや無骨な佇まいが、かえってヒトの心をほぐしてくれるような気がするのです。





この鳥ぱんは、丸平精良軒総本店という創業150年を越える(安政2年(1855年)創業)老舗菓子店が製造する銘菓で、諏訪市の推薦土産品としても名を連ねています。卵を主体とし、小麦粉、砂糖、落花生等を加えて作られる焼き菓子で、中の餡は、北海道産の小豆を使って作られており、ほんのり塩味が効いています。餡にしっとり感はなく、どちらかというとサラサラと空気を含んだような軽やかさが特徴的。甘いものが苦手な人にも、1つ2つと手が伸びそうな甘さに仕上げられています。





私はこの素朴で懐かしさにあふれた鳥ぱんを買うことで、日頃のストレスや疲れを浄化することができます。穏やかに、静かに、優しく。豊かな人生を形作るために大事な姿勢を、いま一度思い起こすことができるからなのかもしれません。そうだ、あまりに疲れたら、“浮き寝”をイメージしながら、心身を休ませよう。そんな気づきをもらいながら、次の訪問のタイミングをフワフワと考えています。





【製品情報】
製品名:諏訪の鳥ぱん

製造者:有限会社丸平精良軒総本店
電話:0266-52-1522

内容量・価格(税込):5個入・702円/6個入・1,000円/8個入・1,280円/12個入・1,900円
原材料:小麦粉、砂糖、鶏卵、小豆、落花生、膨張剤、酒精、食塩、香料
賞味期限:60日間

FAXによる通信販売:0266-52-1522
販売場所:
丸平精良軒総本店(諏訪市) 
なとりさんちのたまごや工房(諏訪市) 
たてしな自由農園(茅野市、原村)
岡谷生鮮市場(岡谷市) 



【たまごのはなし】は、ほぼ隔週火曜日に掲載します。

 

文・写真:スギアカツキ/食文化研究家。長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを幅広く学ぶ。現在、世界中の食文化を研究しながら、各メディアで活躍している。『やせるパスタ31皿』(日本実業出版社)、女子SPA!連載から生まれた海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)が好評発売中。
「みなさん、一番大好きな食べ物ってなんですか? 考えるだけで楽しくなりますが、私は『たまご』という食材に行きつきます。世界中どこでも食べることができ、その国・エリア独特の料理法で調理され、広く愛されている。そしてなにより、たまごのことを考えるだけで、ワクワクうれしい気分になってしまうんです。そこで、連載名を『たまごのはなし』と題し、たまごにまつわる“おいしい・たのしい・うれしい”エピソードを綴っていきたいなと思います」
Instagram:@sugiakatsuki
Twitter:@sugiakatsuki12

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