おいしいチョコレートが食べたい! こだわりトリュフの食べ比べ厳選4

手土産に、自分へのごほうびに。人を幸せな気持ちにさせるのがチョコレートです。でも、自分の好みのチョコレートをどうやって見つければよいのか、迷ってしまいますね。そんなかたにおすすめしたいのは、人気のショコラ名店の「トリュフ」の食べ比べです。チョコレートの原料であるカカオを追求する小方真弓さん、スイーツジャーナリストの平岩理緒さんによりまとめられた「くらべる」手帖、『厳選ショコラ手帖』からのご紹介は、いずれ劣らぬ美味揃いですよ。
「トリュフ」とは
ボンボンショコラの代表的なひとつで、高級食材のキノコ「トリュフ」に形が似ているのでこの名前が付いた。生クリームとチョコレートでできたガナッシュを丸め、チョコレートでコーティングするのが一般的。コーティングなしでココアをまぶしたり、コーンフレークのような違う食感の食材をまとわせたりしたものもある。
くらべどころは
1. コーティングのポイントは?
2. 中身のガナッシュはどんな味?
3. 形のこだわりは?
日本を代表する職人たちが作るトリュフは実に独創的。伝統的なスタイルもあれば、洋酒を利かせたもの、さらに進化したフレーバーもある。外側の仕上げ方も様々なので、食べ比べてみよう。
洋菓子マウンテン の「ショコラ・ピエール」
小石という名の素朴かつ繊細なチョコレート
外側はパリッと中はやわらか。
河原の小石のような角の取れた自然な形。
思い出をチョコにした魅力のストーリー
「ピエール」とはフランス語で「小石」の意味。水野シェフが子どもの頃、福知山に流れる由良川の河原で、石投げ遊びをした思い出を表現したものだとか。ゴツゴツした外見とは裏腹に手間のかかった仕上げで、粉糖の下にはパリッとした食感のチョコレートの殻。中は、杏のリキュールが香るやわらかくなめらかなガナッシュ。
●カカオ感…4
●フルーティー…4
●ナッティー…3
商品情報
主な使用チョコレート:オリジナルチョコレートの「ナオミ ミズノ66%」
他の原材料:生クリーム、粉糖、リキュールなど
*小石シリーズの「ショコラ・ピエール ユズ」もファンの多い商品。中のガナッシュに入っている柚子は、地元・福知山産のもの。ココアパウダーをまぶしビターに仕上げた中から爽やかな香りが広がる和風テイスト。
【洋菓子マウンテン】(京都・福知山)
オーナーパティシエ/オーナーショコラティエ 水野直己さん
1978年京都府生まれ。高校卒業後、東京都内の洋菓子店、レストランに勤務。2002年に渡仏し、修業を積む。2004年に帰国、東京・吉祥寺の二葉製菓学校に講師として勤務。2009年に実家の「洋菓子マウンテン」に戻り二代目オーナーに。受賞歴多数。
パティスリー タダシ ヤナギ 八雲店の「トリュフ」
やわらかいガナッシュに洋酒を利かせて
いちごパウダーがけはシャンパン、ココアがけはキルシュ、粉糖がけはコニャック、ココアシナモンがけはカフェ。
しっかり乳化させたなめらかなガナッシュ
洋酒を利かせた4種のガナッシュをトリュフ用クーゲルカップに絞り込み、翌日、チョコレートの蓋をしてから外側にも手でチョコレートを薄くからめ、それぞれの味に合わせて粉糖やココアパウダーで仕上げる。ガナッシュはキレのよい味や、力強いカカオ感のビターチョコレートを主に、カフェ味のみミルクチョコレートをブレンド。
●カカオ感…4
●フルーティー…4
●ナッティー…3
商品情報
主な使用チョコレート:ヴェイス社、ヴァローナ社、カレボー社のクーベルチュール
他の原材料:生クリーム、ココアパウダー、粉糖、洋酒など
*4種各2個入りで8個入りの他、型抜きや上掛けのボンボンショコラと取り混ぜた詰め合わせ「ボンボントリュフ」ボックスもあり。その他、スイート、ミルク、アールグレイ、フランボワーズ、カフェ味の生チョコレートも。
【パティスリー タダシ ヤナギ 八雲店】(東京・都立大学)
オーナーパティシエ 柳 正司さん
1954年群馬県生まれ。「三笠会館」、「ピュイダムール」等を経て、レストラン「クレッセント」で総料理長に就任。その後、1998年「パティスリー タダシ ヤナギ」をオープン。東京都洋菓子協会・副会長や日本洋菓子協会連合会公認指導委員長も務める。
ミュゼ ドゥ ショコラ テオブロマ 渋谷本店の「生チョコトリュフ」
なめらかなキャラメル風味の甘いトリュフ
ココアパウダーの下は薄いビターチョコレートの層。
生チョコレートのようなトリュフチョコレート。
幅広い年代の方々に好まれる味
生チョコレートはとけやすく要冷蔵商品となるが、外側をコーティングしたこの「生チョコトリュフ」ならば、持ち帰りやすい。中はとてもやわらかく、口どけの良いガナッシュ。ミルクチョコレートを主体にビターもブレンドしてあり、表面もビターチョコレートでコーティング。ココアパウダーをまとわせたシンプルなスタイル。
●カカオ感…4
●フルーティー…3
●ナッティー…3
商品情報
主な使用チョコレート:オリジナルブレンドのクーベルチュールチョコレート
他の原材料:生クリーム、ココアパウダーなど
*3個入り、6個入り、9個入りが揃う。その他、1粒ずつでも販売されているボンボンショコラの中にも、ブルボンバニラを使用した丸いトリュフや、最高級のコニャックを使用した四角いトリュフなどがある。
【ミュゼ ドゥ ショコラ テオブロマ 渋谷本店】(東京・代々木公園)
オーナーショコラティエ 土屋公二さん
1960年静岡県生まれ。高校卒業後、パティシエの道に。渡仏し、数々のパティスリー、ショコラトリー、レストランで修業。帰国後、「ミッシェル・ショーダン」等を経て、1999年、ショコラ専門店「ミュゼ ドゥ ショコラ テオブロマ」をオープン。入賞歴多数。
オーボンヴュータン 尾山台店 の「ムスカディーヌ」
ほろ苦いチョコの中には香ばしいガナッシュ
ナツメグという名のボンボンショコラ。
粉糖の下に薄いビターチョコレート層。
朝仕込んで夕方絞るやわらかいガナッシュ
アーモンドの自家製プラリネを練り込んだガナッシュを、口金で絞って作る。癖がなく食べやすいカカオ分61%と56%の2種類のビタークーベルチュールに、グランマルニエ酒もブレンド。朝仕込んで夕方に結晶化したら絞り、表面をチョコレートで覆う。ナツメグの殻のようにしわが寄ったものに、粉糖をまぶして仕上げ。
●カカオ感…4
●フルーティー…3
●ナッティー…4
商品情報
主な使用チョコレート:ヴァローナ社「エクストラビター」「カラク」
他の原材料:生クリーム、アーモンド、グランマルニエなど
*店内にはチョコレート専用ケースがあり、型抜き、上掛けボンボンショコラも通年で豊富な種類が揃う。スパイス入りのガナッシュにココアパウダーをまぶした「トリュフ オー エピス」も。
【オーボンヴュータン 尾山台店】(東京・尾山台)
オーナーパティシエ 河田勝彦さん
1944年東京都生まれ。「米津風月堂」を経て渡仏。「ポテル・エ・シャボー」他、パリを中心に数店で修業した後「ヒルトン・ホテル・ド・パリ」のシェフ・ド・パティシエになる。帰国後、「かわた菓子研究所」を設立。1981年「オーボンヴュータン」をオープン。
※商品ならびに店舗等の情報は『厳選ショコラ手帖』発行時である2017年9月14日現在のものです。諸事情により変更されることがあります。あらかじめご了承ください。
平岩理緒(ひらいわ りお)/マーケターとして食品メーカーなどのプロモーション、リサーチを担当し、商品開発・販促のプロセスに深く関わった経験を生かし、独立。1か月に200種類以上のスイーツを食べ歩き、雑誌やWEB、ラジオ、TV等で、スイーツを中心とする「食」の情報を発信するスイーツジャーナリストとして活動。執筆の他、セミナー講師、イベント司会、企業の商品開発コンサルティングまで幅広くこなす。「All About」スイーツガイド、「おとりよせネット」達人も務める。
撮影:久保田彩子
厳選ショコラ手帖

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