三ツ星シェフに聞く、焼き物・揚げ物をおいしくつくるために知っておきたい4つのポイント

慣れていないと、どうしたらいいのかあたふたしてしまうのが揚げ物。一方、焼き物はよく作るというかたでも、上手に焼くコツがわかっているかいないかで、おいしさに大きな差が出るものです。そこで、東京・銀座の名店「銀座 小十」奥田透料理長に、焼き物や揚げ物を美味しくつくるための4つのポイントを教えていただきました。「和食のメインディッシュといえば、白いご飯がすすむ塩焼きや味噌漬け焼きなどの焼きもの、天ぷらや竜田揚げなどの揚げもの。家族が好きないつもの料理がプロのコツで驚くほどおいしく作れます」。

1. 家庭のグリルはあらかじめ熱くして

一般のガス台に付属している魚焼きグリルには、上火だけ、あるいは下火だけの「片面焼きグリル」タイプと、上下から加熱される「両面焼きグリル」タイプがあります。
魚がくっつかないように網の部分にはサラダ油を塗って、あらかじめ充分に熱しておきます。

2. 揚げものは深鍋で。一度にたくさん揚げない

揚げものには、何もつけないで揚げる「素揚げ」、小麦粉や片栗粉をまぶす「から揚げ」、天ぷらのような衣をつける「衣揚げ」などがあります。
どれも、油の温度管理がポイント。
一般的には180℃前後が適温ですが、揚げる素材によって、上下に10℃くらい適温の幅があります。
適温をキープするためには、温度が安定しやすい深い鍋を使い、油にいっぺんに多くのたねを入れないこと。
一度に入れるのは、揚げ油の表面積の2/3程度に留めます。
なお、持つと軽く、表面が堅くなっていたら揚げ終わりのサインです。

揚げ終わりは持ち上げて確かめる。軽くなり、表面が堅ければOK。

3. 天ぷら油の温度を見極める

天ぷら用の油は、サラダ油7割に、香りのよいごま油3割を混ぜて使います。
そして、野菜は170℃前後、魚介は175~180℃の温度で揚げます。
衣少量を落としてみて鍋底まで沈んでから浮いてくるときは170℃くらい。野菜を揚げる適温です。
衣が油の深さの半ば程度で浮いてくるのは175℃くらい。魚介を揚げる適温です。
なお、衣が沈むことなく油の表面でチリッと散る場合は、高温になりすぎです。
一方、鍋の底まで沈んで浮いてこないときは低すぎます。

4. 焼きもの、揚げものを盛るときは

いずれもお皿の中央に、周囲のあきを均等に盛ります。
魚や肉の焼きものには、焼き野菜や柑橘類、酢のものなどの季節の前盛り野菜を添えると、主役がぐんと引き立ちます。
揚げ魚、揚げ肉では、野菜も一緒に揚げて添えるとよいでしょう。

竜田揚げには、揚げたししとうを立体的に立てかけて、さっぱりするレモンを添える。

奥田 透(おくだ とおる)/1969年静岡市生まれ。高校時代から料理に興味を持ち、静岡や徳島などで修業。99年に独立、静岡市に「花見小路」を開き、連日満席ながらも店を譲り、2003年に東京・銀座に「小十」を開店。ミシュランガイドでは、初年の2008年度版から三ツ星を守り続けている。日本料理の原点「だし」の味を決めるのは水であると、故郷・静岡の湧き水を毎日取り寄せるほど。おいしさへの追求心はとどまることがない。

撮影:高橋栄一

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