スイーツジャーナリストがすすめる、ボンボンショコラ3つの名店食べくらべ!

今年も1年よくがんばった自分に、ご褒美をあげたい! そんなあなたにおすすめするのは、上掛けのボンボンショコラです。今回は、とりわけこだわりの3つの名店を、カカオを追求する小方真弓さんとスイーツジャーナリストの平岩理緒さんによりまとめられた「くらべる」手帖、『厳選ショコラ手帖』からご紹介します。ぜひ食べくらべてみてください。

「ボンボンショコラ(上掛け)」とは
中身となるガナッシュやプラリネなどを一定の厚さに広げて結晶化させ、ギッターという器具やナイフで一口大に切るか、抜き型で抜く。これをテンパリングしたチョコレートでコーティングしたもの。仕上げにフォークでラインを付けたり、転写シートなどをのせて柄や模様を付けたり、パールパウダーなどを使って飾る場合もある。

くらべどころは
1. コーティングの薄さと均一さは?
2. 中身の味や食感は?
3. 味わいとサイズとの関係は?

生産量が多い場合、機械で上掛けをするのが一般的だが、手作業で行うつくり手もいる。いずれも繊細な温度調整が肝要。チョコレート本来の艶に注目すると共に、大きさや厚さの意味も感じたい。


洋菓子マウンテンの「杏と塩」

爽やかな酸味とカカオの香りに塩を利かせて
ミルクチョコレートの中に杏のガナッシュ。
味わいを引き締める死海の塩粒。


最後に塩粒を感じる意外な味のチョコ
チョコレート職人の世界大会「ワールドチョコレートマスターズ2007」で日本人として初優勝した受賞作品。ピューレとリキュール入り杏のガナッシュ(※)をカカオ分39%のミルクチョコレートで包み、死海の塩をトッピング。杏の爽やかな香りと酸味の後に、花のように芳醇な香りのカカオの力強さが。塩が味を引き締めるという流れを体感できる。
※ガナッシュ……チョコレートと、生クリームやフルーツピューレ、洋酒などの水分とを乳化させ、やわらかい食感にしたもの。ボンボンショコラの中身にするほか、クリームとして生菓子に挟んだり絞ったりもする。


●カカオ感…4
●フルーティー…4
●ナッティー…3


商品情報
主な使用チョコレート:カレボー社「アリバ」
他の原材料:生クリーム、杏、リキュール、塩など


【洋菓子マウンテン】(京都・福知山)
オーナーパティシエ/オーナーショコラティエ 水野直己さん
1978年京都府生まれ。高校卒業後、東京都内の洋菓子店、レストランに勤務。2002年に渡仏し、修業を積む。2004年に帰国、東京・吉祥寺の二葉製菓学校に講師として勤務。2009年に実家の「洋菓子マウンテン」に戻り二代目オーナーに。受賞歴多数。
「箱のまま30分ほど常温におき約15℃に。紅茶と共に食べてほしい」

ショコラティエ パレ ド オール 東京の「パレ ド オール」

シンプルなビターガナッシュに金箔が華やか
「ラクテ」はカカオ分高めのビターミルク味。
「ノワール」は自家製ビターチョコレート使用。


リヨンの老舗より継承するスペシャリテ
店名でもある「パレ ド オール」は、フランス語で「金の円盤」の意味で、金箔を散らした円盤形にシンプルなガナッシュのボンボンショコラ。フランス・リヨンの老舗ショコラトリー「ベルナシオン」で初代モーリス・ベルナシオン氏に学び、スペシャリテを継承。現在は自家製ビーントゥバーチョコレートも使用して作っている。


●カカオ感…4
●フルーティー…4
●ナッティー…4


商品情報
主な使用チョコレート:山梨・清里の工房で製造するカカオ産地別のチョコレートをオリジナルブレンドしたビーントゥバーチョコレート 
他の原材料:生クリーム、金箔など


【ショコラティエ パレ ド オール 東京】(東京・丸の内)
オーナーショコラティエ 三枝俊介さん
1956年大阪府生まれ。「ホテルプラザ」で、故・安井寿一氏に師事。独立後、パティスリー「メランジュ」をオープン。その後、「ショコラティエ パレ ドオール」を大阪と東京にオープン。2014年「アルチザン パレ ド オールKIYOSATO」をオープン。
「20年以上前の『ベルナシオン』での経験がショコラティエの原点です」

ミュゼ ドゥ ショコラ テオブロマ 渋谷本店の「アントニオ」

ハーブ使いのチョコレートの先駆け的存在
「アントニオ」は土屋シェフの愛称。
細かく砕いたドライバジルを飾りに。


心地よく広がるバジルの香りとビター感
1999年の創業当時、ショコラにハーブを使う例はまずなかったという。生クリームにバジルの香りを移してビターガナッシュを作り、外側もビターチョコレートでコーティング。生葉ではなくドライを使った方が、味が安定する。表面にもドライバジルを施し、より爽やかに。力強いバジルの香りがビターチョコレートとマッチする。


●カカオ感…4
●フルーティー…3
●ナッティー…3


商品情報
主な使用チョコレート:複数のクーベルチュールをカカオ分70%弱程度でオリジナルブレンドしたもの
他の原材料:生クリーム、ドライバジルなど


【ミュゼ ドゥ ショコラ テオブロマ 渋谷本店】(東京・代々木公園)
オーナーショコラティエ 土屋公二さん
1960年静岡県生まれ。高校卒業後、パティシエの道に。渡仏し、数々のパティスリー、ショコラトリー、レストランで修業。帰国後、「ミッシェル・ショーダン」等を経て、1999年、ショコラ専門店「ミュゼ ドゥ ショコラ テオブロマ」をオープン。入賞歴多数。
「チョコレートに合う色々な味を試して常に研究しています」



※商品ならびに店舗等の情報は『厳選ショコラ手帖』発行時である2017年9月14日現在のものです。諸事情により変更されることがあります。あらかじめご了承ください。

 

小方真弓(おがた まゆみ)/カカオ・チョコレートの世界で20年。2010年より南米コロンビアに活動拠点を移す。カカオの発掘、カカオ豆品質向上、生産指導、生産農家の地位向上などに努め、カカオ市場の発展に取り組む。

平岩理緒(ひらいわ りお)/マーケターとして食品メーカーなどのプロモーション、リサーチを担当し、商品開発・販促のプロセスに深く関わった経験を生かし、独立。1か月に200種類以上のスイーツを食べ歩き、雑誌やWEB、ラジオ、TV等で、スイーツを中心とする「食」の情報を発信するスイーツジャーナリストとして活動。執筆の他、セミナー講師、イベント司会、企業の商品開発コンサルティングまで幅広くこなす。「All About」スイーツガイド、「おとりよせネット」達人も務める。

撮影:久保田彩子

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