【コラム】初心者でも簡単にわかる料理とワインのマリアージュのコツ

おいしいワインが手に入ったら、よりおいしく味わうためには合わせる料理が気になるところです。相性のよいワインと料理を組み合わせるコツを、人気のバル・ビストロ・ブラッスリー10店のおつまみレシピ130品をまとめた本『人気バル&ビストロのおつまみレシピ』からチェックしましょう。

マリアージュとはフランス語で「結婚」の意。人間の相性と同じように、料理とワインも相性の良し悪しがあり、よい組み合わせは互いの長所を引き立て、幸せな気分にさせてくれます。ここでは、ワイン初心者でも簡単にわかる組み合わせのコツをご紹介しましょう。慣れていけば、そのうち自分のお気に入りのマリアージュを見つけられるかもしれません。

組み合わせのコツは「共通点を見つけること」

料理とワインの組み合わせで最もわかりやすいのが、「味と色に共通する要素」を見つけること。
 たとえば味なら、レモンを搾って食べる魚のグリルや酸味のあるドレッシングを使った料理には柑橘系の香りのすっきり系白ワインを。こしょうのきいたステーキや赤ワイン煮込みのような力強い料理には、同じくスパイシーでコクのある重めの赤ワインを合わせると失敗がありません。
 色なら、バターソースやチーズを使ったまろやかな料理には、やや黄金色がかった熟成したリッチな白ワインを。デミグラスソースやこってりとしたタレを使った色の濃い料理には、濃縮感のある重めの赤ワインが合うでしょう。えびやサーモンなどの淡い赤みがかった料理にはロゼワインもおすすめです。

軽めの白ワイン

グレープフルーツやレモンなど柑橘系の香りがする、酸味のすっきりした爽やかな辛口の白ワイン。ミュスカデ種、シャルドネ種の一部(ブルゴーニュ北部のシャブリなど)、ガルガーネガ種のワイン(イタリアのソアーヴェなど)、日本の甲州種など。
料理とのマリアージュ
魚介の刺身、カルパッチョやマリネ、葉野菜のサラダ。生がき、白身魚のソテー、フライなどレモンを搾って食べたくなる料理。ハーブと塩だけでシンプルに焼いたあじやすずき、鶏肉など。チーズならモッツァレッラ、シェーヴル、クロミエなど。
豆あじのエスカベッシュ グレープフルーツ風味(角打ワイン 利三郎)

やや重めの白ワイン

しっかりとした酸味の中にも、青りんごやあんずのようなふくよかな香りを持つミディアムボディの白ワイン。ソーヴィニヨン・ブラン種、シャルドネの一部(ブルゴーニュ中南部のプイィ・フュイッセなど)、リースリング種、シュナン・ブラン種、ヴィオニエ種、イタリアのピノ・グリージョ種など。
料理とのマリアージュ
グラタン、チキンクリームシチュー、魚介のムニエルなどバターやクリーム系の料理。ごまだれやマスタードのソテー、しょうが、クミンなど爽やか系のスパイスを使ったもの。天ぷら、野菜料理全般。肉は鶏肉、豚肉などの白身肉。チーズならブリーやミモレットなど。
スモークサーモンのクレープ包みのグラタン(角打ワイン 利三郎)

軽め~やや重めの赤ワイン

いちごやラズベリーといった赤い果実のニュアンスがあり、渋味は穏やか。軽快でフルーティな辛口赤ワイン。ピノ・ノワール種、ガメイ種、カベルネ・フラン種、イタリアのサンジョヴェーゼ種、グルナッシュ種、日本のマスカット・ベリーA種など。
料理とのマリアージュ
肉ならハンバーグなどのひき肉料理、トマト煮込み、魚介ならまぐろやぶり、かつおといった赤身の魚、鶏の照り焼き、肉じゃがなど味噌や醤油、だしを使った料理とも相性よし。きのこ、根菜全般。チーズならタレッジョ、モン=ドール、フルム・ダンベールなど。
ビーフチリビーンズ(麹町カフェ)

重めの赤ワイン

豊かな果実味、酸味、渋味を持つリッチな赤ワイン。カシスやブラックベリーなど黒い果実の風味があり、黒こしょう、シナモンといったスパイシーな香りを感じるものも。
料理とのマリアージュ
黒こしょうなどスパイスを多めに使った赤身肉(牛肉、羊肉、鴨肉)のグリルやステーキ。赤ワインソースを添えたジビエ、赤ワイン煮込み。すき焼き、鰻の蒲焼、もつ煮込みなど。チーズならロックフォールなどの青かびチーズ、エポワス、マンチェゴなど。
牛ばら肉の赤ワイン煮込み山椒風味(バル マラケシュ)

ロゼワイン

白と赤の中間に位置するロゼワインを料理に合わせるなら、応用範囲の広い辛口タイプがおすすめ。特に餃子やカレーなど中国料理やエスニックとの相性がよく、魚や肉料理に幅広く寄り添います。またサラミや生ハム、ソーセージなどの加工肉とは相性抜群。寿司や天ぷらなど和食に合わせられるのも便利です。チーズならカマンベールやコクのあるシェーヴルなど。
ニソワーズサラダ(麹町カフェ)

スパークリングワイン

どんな料理にも引けをとらない複雑味とコクがあるシャンパーニュは、野菜や魚介のオードブルから肉料理(赤ワインやスパイスを使わない料理)まで幅広くカバーできるため、フランス料理ではコースをシャンパーニュ1本で通す人もいるほど。
 スパークリングワインはさらに幅広い料理と相性のよさをみせます。特にワインに合いづらいとされる、たらこ、いくら、うにといった魚卵、寿司もOK。鶏の水炊きなどポン酢で食べるシンプルな鍋料理、カリッと香ばしい揚げ物にははじける泡が脂を断ち切ってくれます。チーズはシャンパーニュならブリア=サヴァランやシャウルス、ラングルなど。スパークリングワインならコンテやカチョッタがおすすめです。
かれいのフライ 自家製タルタルソース添え(角打ワイン 利三郎)

料理例として添えた写真は、『人気バル&ビストロのおつまみレシピ』に掲載されている各店のレシピです。こちらの本には、ここにご紹介した東京・押上「角打ワイン 利三郎」、東京・半蔵門「麹町カフェ」、東京・神保町「バル マラケシュ」をはじめ、夜毎ワインラバーたちで賑わい、料理にも定評のある10店の人気のおつまみレシピが掲載されています。ワインをおいしくする料理のレシピがいっぱいです。

 

撮影:高橋栄一