【コラム】“おもてなしには大皿料理”のすすめ

人の集まる機会が増える年末年始。「完璧なおもてなし」や「失敗のないおもてなし」をしなくては!とプレッシャーを感じている方も多いのでは。そんな方の緊張を和らげるヒントは「作り慣れた」「大皿料理」にあり。『大皿料理でおもてなし上手』著者の家庭料理研究家・多賀正子さんに聞く、おもてなしの極意です。

喜ばれるのは「完璧なおもてなし」よりも「和やかで温かいおもてなし」

私は、大勢でワイワイにぎやかに食事をするのが大好きです。家族の歳時に両親を呼んだり、学生時代の友だちと集いを開いたり、旅行中にお世話になった方を招いたり。「おいしいお魚が釣れたよ」と届けてくれる方に、お礼の料理を作ったり……。

どんなときも、「おめでとう」「久しぶりだね」「ありがとう」「ごちそうさま」って、いろんな気持ちを込めてにぎやかにふるまっています。

心がけているのは、来てくれるみなさんが心からリラックスして、そのときを楽しんでくれるような雰囲気作り。そのためには、自分らしいおもてなしで、がんばりすぎて背伸びしたり、ムリをしすぎないことが大切なんです。

私が作るおもてなしのメニューは、ふだんの料理の延長線上にあるもの。作り慣れたものが多いから、心にゆとりを持ってみなさんをお迎えできるのではないかと思います。

喜ばれるのは「完璧なおもてなし」よりも「和やかで温かいおもてなし」。肩の力を抜いて、まずは考えすぎず、やってみることがスタートです。

私の大切にしている言葉は「想い出は後から創れない」。今日、この日に集まってくれるみなさんに「来てよかった」「楽しかった」「おいしかった」と、今以上に元気な笑顔になって帰ってほしいから。

感謝の気持ちを込めて「おもてなし」を一緒に楽しんでみませんか!

なぜ、おもてなしに「大皿料理」なの?

1.大皿を分け合うと、会話が弾む
銘々に盛る料理は自分の手元に視線が集まりがち。大皿料理なら、「どうぞ」「ありがとう」なんて言いながら取り分け合うことで、自然とみなさんのコミュニケーションが生まれます。
「同じ釡の飯を食う」じゃないけれど、同じ大皿の料理をいただくと、パーティーの場は一気に和やかに!

取り分けてもらうのを待つ時間も、大皿料理の楽しみ。


2.盛りつけが楽で見栄えもいい!
人数分の器ひとつひとつに、料理をきれいに盛り分けるのは大変。テーブルの上で場所もとります。
大皿料理は、ドンとひと皿に盛ればOK。さらに、同じ料理でも、器が大きくなるだけで豪華に見せることができますよ。


3.一番おいしい瞬間に食べていただける
作った料理は、冷たいまま、熱々のうちに召し上がっていただきたいもの。人数分の器にきれいに盛りつけようとしていると、料理の温度はどんどん変わってしまいます。
大皿1枚なら、盛りつけがスピーディー。持ち運びも楽なので、できたてのおいしさをすぐにみなさんのもとへと運べます。

できたてをガッと大皿に盛って、おいしいうちにお出しします。


4.器が少なくていい
銘々の皿に盛り分ける料理の場合、同じ食器を人数分そろえるのは大変。ときには、セットで買い足さなく
てはならないこともあります。大皿料理なら、料理に合った1枚があればいいので、ふだん使っているもの
も組み合わせながらコーディネートできますね。お盆やプレート、カゴだって大皿になりますよ!


5.後片づけが楽ちん
器が少なくてもいいということは、洗い物が少なくすむということ。みなさんが帰られた後、料理の分の大
皿と、取り皿を洗うだけなので、後片づけも早いですね。

具体的な準備方法やメニューの組み立て方、おすすめのレシピを知りたい方は、多賀さんの著書『大皿料理でおもてなし上手』をぜひご覧ください。
 

多賀正子(たが まさこ)/家庭料理研究家。料理教室「Creative kitchen」主宰。NHK「第15回きょうの料理大賞」で大賞を受賞。3男1女の母。食欲旺盛でお肉が大好きな家族を満足させてきた料理は、つくりやすくておいしいと評判。自身の主宰する料理教室では、おもてなしにもふだんの料理にも使える、6人分のレシピを教えている。おおらかで明るい人柄が人気で、テレビや雑誌などで活躍中。共著に『禁断のレシピ』(NHK出版・枝元なほみ)がある。

撮影:鈴木正美