【コラム】覚えて便利! 簡単なひと手間で市販のあんをおいしくする方法

今日は鏡開き。鏡開きといえばお汁粉ですが、あんから手作りするのはちょっと大変、というかたに、市販のあんをおいしくする秘策をご紹介します。教えていただくのは、東京・富ヶ谷で人気の「岬屋」店主の渡邊好樹さんです。
あんを手作りしたいけれど、もっと手軽に和菓子を作りたい……そんなときは市販のあんを使うと便利です。
市販のあんはそのまま使うのではなく、必ず“練り直し”を行いましょう。このひと手間で、あんの味わいがぐんと深まり、水分が飛んで扱いやすくなります。
ポイントは、半量をあらかじめ電子レンジで温めておくこと。全体が温まるまで時間がかからず、早く練り上がるうえ、焦げる心配もありません。あんは冷凍がききます。少量を練り直すと焦げやすくなりますので、少なくとも500gで行いましょう。
ここではこしあんでご紹介しましたが、粒あんも白あんも同様に仕立て直せます。
【材料(作りやすい量)】
市販のこしあん 1kg
※買うときは表示を見て、添加物の入っていないものを選びましょう。
小豆、砂糖、水あめだけで作った冷蔵品がおすすめです。
【作り方】
1.
耐熱皿に市販のこしあんの半量を入れて広げ、ラップをかけて500Wの電子レンジで約2分温める。
2.
鍋に1を入れ、残りのあんを加えてひと混ぜする。中火にかけ、しっかり練り合わせながら全体を温める。
3.
湯気が出てしばらくし、全体に色が白っぽくなったら練り終わり。やや熱い程度が目安。
4.
火を止めて鍋肌にあんを貼りつけ、数秒おいてきれいにはがす。
こしあんを使ってお汁粉を作る
おいしいあんがあれば、ぜんざいやお汁粉が簡単に作れます。
今回はこしあんを練り直しましたので、お汁粉の作り方をご紹介します。
材料(1人分)
こしあん…70g
水…70ml
白玉粉…20~30g
ぬるま湯(約30℃)…適量
作り方
1.ボウルに白玉粉を入れ、ぬるま湯を少しずつ加えながら手で練る。
2.耳たぶよりやや固くなったら棒状にし、ちぎって直径約2cmの団子状に丸め、親指で中央を押してへこませる。
3.鍋に湯(分量外)を沸かし、2をゆでる。浮いてきたらすくって氷水にとり、水気をきる。
4.小鍋にこしあんと水を入れて火にかけ、混ぜながら溶かす。
5.椀に3を3~4個入れ、4をかける。
今回ご紹介したのは白玉だんごで作るお汁粉ですが、鏡開きのお餅を使うと、さらに手軽にできますね。やっぱりあんから手作りしたい!というかたは、あんの作り方をはじめ、おいしい和菓子の作り方が基礎からわかる渡邊好樹さんの著書も、ぜひチェックしてみてください。
撮影:日置武晴
上菓子「岬屋」主人の やさしく教える和菓子のきほん

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