【コラム】大きく作っていろいろおかずに! 分とく山・野崎洋光さんに教わるお弁当づくりのコツ

今日は「のりの日」。そこで本日は焼きのり使った常備菜を、東京・南麻布の日本料理店「分とく山」総料理長の野崎洋光さんに教わります。渦巻き状の切り口が映える塩いかロールは、そのまま食べてもよし、和えたり揚げたりしてもよし。野崎さん流のお弁当作りのコツとともにご紹介します。

常備菜の力でお弁当の悩みを解決しましょう

 空っぽになったお弁当箱と、「おいしかった」の一言に、お弁当作りの苦労も吹き飛びますね。とはいえ、毎日のこととなるとつい億劫になってしまい、マンネリおかずや出来合いのものですませてしまう、というお悩みをよく聞きます。それは、お弁当作りを特別なことだと考えているからではないでしょうか。

 お弁当のおかずも日々のおかず作りと同じです。とくにごはんを中心とする和のお弁当は、難しく考えなくても大丈夫。夕ごはんのおかずを少し日持ちがするように調理をし、たっぷり作って常備しておきましょう。作りたては、夕ごはんやお父さんの酒肴で楽しみます。あとはその常備菜をベースに、朝ちょっとアレンジをするだけで、おいしいお弁当おかずが出来上がります。

 いつものおかずを「大きく作る」「たくさん作る」ことを心がけるだけでいいのです。そうすれば毎日のお弁当作りがぐんと楽になり、いざというときも心強いもの。完璧でなくてもかまいません。出来合いのおかずの中に、1~2品でもわが家の手作りがあれば、ほっとするお弁当になることでしょう。
 気負わずに、日々のおかずから展開していくのが野崎流のお弁当のコツです。

塩いかロール


【材料(作りやすい分量)】
するめいか(胴の部分)…2杯分
塩…適量
焼きのり…1枚半
[A]水…200ml
[A]酒…100ml
[A]薄口しょうゆ…50ml
ねぎ(斜め切り)…1本分

【作り方】
1.するめいかは皮をむき、開いたら両面に薄く塩をふり、30分置く。
2.1の皮目のほうに、縦に3~4mm間隔で包丁目を入れていき、巻きやすくする。
3.2の内側に、大きさを合わせて切ったのりをつけ、渦状にぴっちりと巻いて、たこ糸をぐるぐるまわして結ぶ。これを2本作る。
4.3を熱湯で霜ふりにして冷水に取り、さっと水洗いして水気を拭く。
5.鍋にAとねぎを入れて火にかけ、沸騰したら4を入れ、煮汁を全体に1~2分からめたら火をとめ、落としぶたをして鍋のまま常温で冷ます。


いかは巻きやすいよう皮目に包丁で細い筋目を入れる。

※柔らかく仕上げるためには火を通しすぎないことが調理のコツです。
※保存期間は冷蔵で3日間。

そのまま切って食卓へ

ごまや青のりなど、好みのものを側面にまぶして、一口大に切る。切り口を生かして盛りつければ酒肴の一品にも最適。

<お弁当アレンジ・その1> 塩いかロールのブロッコリー和え


野菜の和え衣は、調味料と一緒に火にかけて練ると、味がなじんで、からみもよくなります。

【材料(1人分)】
塩いかロール(1cm厚さのスライス)…50g
[A]ブロッコリー(ゆでたもの)…50g
[A]砂糖…小さじ1
[A]塩…適量

【作り方】
1.Aを合わせてミキサーかフードプロセッサーに10秒ほどかける。
2.小鍋に入れ、中火にかけよく練りながら2分ほど火を通す。
3.1が冷めたら、塩いかロールを和える。

<お弁当アレンジ・その2> 塩いかロールの鳴門揚げ

【材料(1人分)】
塩いかロール(2cm厚さのスライス)…3個
パン粉…大さじ3
炒り白ごま…大さじ3
小麦粉…適量
卵白(こしたもの)…1個分
揚げ油…適量
塩…適量

【作り方】
1.塩いかロールはそれぞれ揚げやすいように爪楊枝を側面から刺す。
2.1の周りに小麦粉を薄くまぶし、卵白をつけ、1個にはパン粉を、2個には炒り白ごまをつける。
3.揚げ油を170℃に熱し、2を1分間揚げたら油をきり、半分に輪切りにして爪楊枝を抜く。切り口を見
せて盛りつけ、塩をふる。

<お弁当アレンジ・その3> 塩いかロールのしそかぼちゃ和え

【材料(1人分)】
塩いかロール(1cm厚さのスライス)…50g
西洋かぼちゃ(皮を除いて)…50g
[A]砂糖…大さじ1強
[A]しょうゆ…小さじ1
青じそ…3枚

【作り方】
1.かぼちゃはゆでてペースト状につぶし、鍋にAと合わせて中火にかける。
2.3分ほど練り混ぜ、とろりとしたら火からおろし、冷ます。
4.青じそは千切りにして水に放し、水気をしっかりきる。
5.1と2を混ぜて衣を作り、塩いかロールを和える。

野崎さんの記事はこちらでもご紹介。
●【レシピ・和風ローストビーフ】簡単で失敗なし!作りおきでおもてなしにも使える!
●【レシピ・太刀魚の南部揚げ】ごまの香ばしさでお酒もすすむ
●【コラム】分とく山・野崎洋光さんに教わる“料理上手になる食材のきほん”―かぼちゃ編

 

野崎洋光(のざき ひろみつ)/1953年福島県古殿町生まれ。東京グランドホテル、八芳園を経て、80年ふぐ料理店「とく山」の料理長に就任。89年「分とく山」を開店。食材を生かした心温まる料理には定評がある。現在総料理長として4店舗を統括。調理科学、栄養学に基づくわかりやすい和食を提唱している。著書に『「分とく山」の永久保存レシピ 野洋光 和のおかず決定版』、共著に『決定版 ずっと使える「一汁二菜」献立帳』(ともに世界文化社)など多数。

撮影:小林庸浩