【コラム】韓国料理で元気になる理由は「五味五色」にあり

いよいよ平昌オリンピックが開幕しましたね。日本でもおなじみの韓国料理が増え、おいしく食べて元気になれると、その魅力にはまる人が続出しています。ところで韓国の「食」の考え方は、日本とはどのように違うのでしょうか。東京・四谷にある韓国家庭料理「妻家房」総料理長の柳 香姫さんの著書『本当においしく作れる韓国家庭料理』からご紹介します。

東洋には、食事によって体を整える「医食同源」、食事がクスリになる「薬食同源」という考え方があります。韓国では今でもこの考え方が毎日の生活に根づいていて、私も母や祖母が家族の健康を考えて料理をしてくれていたから、自然と心がけるようになりました。

韓国の食をいちばんわかりやすく表す「五味五色(ごみごしょく)」という言葉があります。これは東洋の思想、陰陽五行説に基づくもの。この説はすべてのものを陰と陽に分けるという考え方に加え、すべてのものを木、火、土、金、水の五行に当てはめます。そしてそれぞれがバランスよく存在したときに滞ることなく、無限の流転を繰り返すという理論です。





色と味もこの分類に当てはめられ、木は青・酸味、火は赤・苦み、土は白・甘み、金は黒・辛み、水は黄・塩味。料理を作るときに、これらの色と味をバランスよく組み合わせることで、健康が保たれるといわれています。

ちょっと難しく聞こえますが、実際はあまり細かく覚えて実行するというより、彩りよく、味つけが重ならないようにすることで、自然と五味五色の考え方に近づくことができます。



1歳のお誕生日に着るチマ・チョゴリ(男性用はパジ・チョゴリ)。韓国では1歳を盛大に祝う風習がある。邪気を払って長寿を祝う意味で、五行説に基づく鮮やかな色を組み合わせたものが伝統的なチマ・チョゴリで、セットン(=彩り。カラフルな伝統的な配列)チョゴリと呼ぶ。五色が身を守ると考えられ、暮らしのあちこちに取り入れられている。

<関連記事>
●【コラム】韓国では学校も、会社も休みになる!? キムチ作りは一大イベント
●【レシピ・サムゲタン】ひな鶏をじっくり煮込んだ滋味深いスープが体にしみる!

柳 香姫(リュウ ヒャンヒ)/1952年、韓国・大邱生まれ。韓国料理研究家、韓国家庭料理「妻家房」総料理長。1985年に来日。ていねいで味わい深い手料理が、友人の間で評判となり、1993年、夫・呉 永錫さんとともに「妻家房」をオープン。月2回のキムチ教室や、カルチャーセンターでは、さまざまなキムチの作り方をわかりやすくレクチャーし、本場のキムチが習えると熱心に通う生徒も多い。たびたび韓国を訪れては、よりおいしい食材や調味料探しに余念がない。幼いころから家庭でおいしい料理を食べてきた長女の呉 知宣さんも料理研究家。

撮影:高橋栄一