【コラム】韓国料理のおいしさの決め手「ヤンニョン」とは?

韓国料理で使う食材は、魚や野菜など日本の家庭料理でも使うものがたくさんあります。同じ食材を使っても“韓国テイスト”になるのはなぜでしょうか? 東京・四谷の韓国家庭料理「妻家房」総料理長の柳 香姫さんが、その理由を教えてくださいます。

韓国料理では多種の調味料や薬味を組み合わせたものを「ヤンニョン」と呼び、煮る、炒める、和えるなど、どの料理でも味つけはヤンニョンだけ! 簡単ながら、これで味が決まります。

あらかじめ混ぜておく合わせ調味料、つけだれやかけだれ、また鍋の中で調味料が混ざった状態もすべてヤンニョン。使う調味料は、どの料理にも共通するものがほとんどで、組み合わせや分量を微妙に調整することで、味を変化させるのです。


ヤンニョンに欠かせない韓国調味料

さんま、いか、ほうれん草…韓国料理で使う食材は、和食でも一般的なものがたくさんあります。それでもなぜか「韓国の味」になります。一体どうしてでしょう? 

答えはここで紹介する調味料を使うから。日本でもおなじみのものもありますが、韓国のものとは風味がちょっと違います。これらがあれば、より韓国らしい味が再現できますよ。

コチュジャン

甘辛く濃厚な唐辛子みそ。唯一日本のおかずで使わない調味料です。煮もの、炒めもの、和えもの、つけだれなど何にでも使えます。

粗びき粉唐辛子

爽やかな香りと辛みが持ち味の乾燥粉唐辛子。日本のものより辛みが穏やかです。「妻家房」では、辛みや風味の違う品種がミックスされて売られています。ほとんどの料理に、風味豊かな粗びきを使います。

ごま油

風味づけに欠かせない油。油というより調味料的な役割をします。日本のものより深いりで、濃くて風味豊かです。

にんにく

ほとんどのヤンニョンに加えます。韓国では専用の道具でつぶすのが主流。水分が出にくく、風味がしっかり残ります。

韓国水あめ

日本のものよりさらりとしています。照りを出し、とろみをつける役割にも。甘みの強いオリゴ糖を使うと照りは出ませんが、半量ですみます。



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柳 香姫(リュウ ヒャンヒ)/1952年、韓国・大邱生まれ。韓国料理研究家、韓国家庭料理「妻家房」総料理長。1985年に来日。ていねいで味わい深い手料理が、友人の間で評判となり、1993年、夫・呉 永錫さんとともに「妻家房」をオープン。月2回のキムチ教室や、カルチャーセンターでは、さまざまなキムチの作り方をわかりやすくレクチャーし、本場のキムチが習えると熱心に通う生徒も多い。たびたび韓国を訪れては、よりおいしい食材や調味料探しに余念がない。幼いころから家庭でおいしい料理を食べてきた長女の呉 知宣さんも料理研究家。

撮影:高橋栄一