【コラム】お菓子作りから調味料まで! 京都の人気菓子店に教わるドライフィグのおいしい活用法

おいしくて栄養価の高いドライフルーツが人気です。そこで本日は干したいちじく、ドライフィグに注目。初めての著書『京都 菓子店千茜 香るフランス焼菓子』が好評の村瀬佳子さんに、ドライフィグのおいしいレシピを教えていただきましょう。
頼れるドライフィグ
いちばん好きな果物は? と聞かれると、とても迷ってしまいますが、いちばん出番が多いのは? と聞かれれば、「いちじく!」と即答できます。
とくに干したいちじくの、ねっとりとした奥行きのある甘みとぷちぷちの食感は、何物にも代えがたい魅力。
このドライフィグさえあれば、お菓子だって、お料理だって、ワンランク上の味わいに押し上げることができるのです。
「白いちぢくのコンポテ」を作る
「白いちじくのコンポテ」は、いくつものお菓子で活躍する重要なパーツのひとつ。
生のいちじくを砂糖水(シロップ)で炊くのではなく、ドライフィグにりんご果汁を煮含めて作ります。
乾物だったとは思えないフルーティでフレッシュな仕上がりは、思わず目を丸くするほど。
お鍋ひとつでかんたんにできるのに、なんだか得意な気分になれるレシピです。
【材料(容量200mlの保存瓶3本分)】
・ドライフィグ(白いちじく)…300g
・りんご果汁…220g
【作り方】
1.ドライフィグのヘタを取り除き、1/4にカットする。
2.鍋に1を入れてりんご果汁を注ぎ、液面に直接ラップをして冷蔵庫で一晩おく。
3.2を強火にかけて沸騰させ、アクをとる。水分が足りない場合は、ひたひたになるまでりんご果汁または水で補ってから火にかける。
4.落とし蓋をして弱火で約20分加熱し、鍋のまま冷ます。
5.小分けにして冷蔵庫で保存する。
お菓子にも、ドレッシングにも
お菓子作りで困るのは、「材料を揃えるのがたいへん!」「失敗しちゃうかも!」というときです。
でも「白いちじくのコンポテ」なら、ドライフィグさえ買い置きしておけば気が向いたときにいつでも作れ、シンプルな工程で失敗知らず。
焼菓子の材料としてはもちろん、ジャムの代わりにトーストにのせたり、チーズのお供や、ドレッシングの調味料としても役立つ万能レシピです。
気軽においしいものが作れると、とてもうれしい気持ちになりますね。
かんたんドレッシング「いちじくのヴィネグレット」を作る
「白いちじくのコンポテ」から生まれた、ただ混ぜるだけのかんたんドレッシング。グリルした肉や魚、野菜に添えるだけで、いつものメニューがあっという間におもてなしのひと皿になります。
【材料(作りやすい分量)】
白いちじくのコンポテ…30g
りんご酢…30g
オリーブオイル…30g
【作り方】
1.白いちじくのコンポテをハンドブレンダーなどでピュレ状にする。
2.1にほかのすべての材料を加えて混ぜ合わせる。好みで、りんご酢やオリーブオイルの量を調整したり、はちみつや黒こしょうを加えてもよい。
村瀬さんの著書『京都 菓子店千茜 香るフランス焼菓子』には、「白いちじくのコンポテ」を使ったケーキをはじめ、砂糖の甘さでごまかさず、素材の風味と香気を生地の中にぎゅっと閉じ込めた「香る焼菓子」のレシピが多数紹介されています。
村瀬佳子(むらせ よしこ)/1978年京都生まれ。日本とフランスの製菓材料企業でのプランナーを経て、2015年、京都岡崎に「菓子店千茜」をオープン。ひとりで店舗を切り盛りする傍ら、菓子教室や味覚教室、子どものためのアトリエ活動を行う。生産者とのつながりを大切に、素材ひとつひとつにこだわり、しあわせの香りが口いっぱいに広がるような菓子と料理、食べることのたのしみを提案する。
http://chisen.main.jp
撮影:大見謝星斗
京都 菓子店千茜 香るフランス焼菓子

オーガニック素材と洗練された味で人気急上昇中、京都・岡崎のChisen「菓子店千茜」初めてのレシピ本。驚くほどしっとり、食後も続く香りの余韻。オイルベースのビスキュイから、乳製品・卵・砂糖不使用のケイク、バターたっぷりのリッチなケイクまで―…