【コラム】コーヒーの向こう側~コロンビアってこんなところ~

いよいよ日本時間の今夜、ロシアW杯で日本が初戦を迎えます。グループリーグ初戦の相手はコロンビア。そこで本日は、世界No.1のコーヒーハンター・川島良彰さんの著書『Coffee Hunting Note 100カップログ』から、世界有数のコーヒー生産量を誇る国、コロンビアについてご紹介します。

コーヒーの生産地・コロンビアってどんなところ?

アンデスの宝物

コロンビアの面積は日本の3倍。3本に分かれたアンデス山脈の各地にコーヒー産地が点在するため、ひと言でコロンビアコーヒーの味を語ることはできません。しかし、急斜面で険しい山岳地帯で作られるコロンビアのコーヒーは、全般的に高いレベルにあります。山岳地ゆえに栽培農家はほとんどが小規模です。

自然と共存する代表的なコーヒー生産地域が2011年に「コーヒー生産地の文化的景観」として世界文化遺産に制定されています。また国の基幹産業として、コロンビアコーヒー生産者連合会(FNC)による消費国でのマーケティング活動も活発。その傘下にあるセニカフェ(CENICAFE)は、世界でも指折りの研究機関です。さび病に耐性のある品種の開発にも熱心ですが、在来種も大切に残しています。

長年続いたブラジルに次ぐ生産量世界2位の座から落ちましたが、国をあげて復活に邁進しています。


コーヒーに日陰を作るために、シェードツリーとして料理用バナナの木を植える農園が多くあります。


コロンビアは90%が小規模農家。坂道の多い生産地では今でもロバやラバが大活躍。

地元流、毎日飲んでるみんなのコーヒー

なんと背中のタンクにコーヒーが入っています。コロンビアの首都ボゴタで見られるコーヒーを売り歩く商売で、カップや砂糖も携帯していて、朝は通勤で人が集まるバス停あたり、午後は休憩で一服する公園あたりなど、ニーズのあるところに出没。


●エッセンシャルコーヒー
グアテマラやコロンビアの地方でコーヒーを頼むとこのスタイルで出てきます。濃厚な「エッセンシャルコーヒー」が醬油差しのような容器に入っていて、ポットのお湯で、自分の好きな濃さに割って飲みます。


【エッセンシャルコーヒーを作ってみよう】
あらかじめ作っておいて、飲むときにお湯で好みの濃さに薄めていただきます。日本でも結構重宝するかもしれません。

【材料(でき上がり300ml)】 
コーヒー(深煎り・細挽き)…45g
【作り方】
・ペーパードリップと同じ湯温、手順で、お湯はゆっくりと細く注ぎ入れて、4分30秒くらい(蒸らし時間含む)かけて抽出する。
・すぐに容器ごと氷水で急冷する。こうすると酸化が抑えられて風味が長持ちする。



●パネラコーヒー
巨大なネルドリップで抽出しているのは「パネラコーヒー」。コロンビアの農家の人たちが、昼食や仕事のあとに飲んでいる甘いコーヒーです。サトウキビから作る自家製のおいしい粗糖「パネラ」をお湯に溶き、その甘いお湯でコーヒーを抽出します。

あとから砂糖を加えて飲むのとは味のまとまり方がひと味違って、疲れているときにはおいしいものです。首都ボゴタでは滅多にお目にかかれないコーヒーです。


サトウキビから作る粗糖「パネラ」


【パネラコーヒーを作ってみよう】
パネラの代用には、サトウキビから作る精製度の低い粗糖を。コロンビアでも甘さは各家で違うものなので、粗糖の量は好みで調節してください。ネルで淹れるとほかに使えなくなるので、ペーパーで代用する方法をご紹介します。

【材料(でき上がり200ml)】 
・コーヒー(深煎り・中挽き)…25g
・熱湯…300ml
・粗糖(あればパネラ)…20g
【作り方】
熱湯に粗糖を溶き、85~90℃にし、ペーパードリップと同様の手順で淹れる。


コーヒーの採れるところに、ご当地の味あり。現地で、肉体労働をしている人たちが飲んでいるのは、大抵甘いコーヒーです。味わいを愛でるというより、うるおいとリフレッシュのための、日本人にとっての普段のお茶のような存在と言えるでしょう。

生産地で飲まれているコーヒーは輸出規格外の品質ですが、どこも抽出方法や飲み方に工夫をほどこしていて、日々の生活に息づいています。

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川島良彰(かわしま よしあき)/1956年静岡市に生まれる。生家は珈琲焙煎卸業。コーヒーの香りのなかで幼少期を過ごし、中学生のときには自室でサイフォンコーヒーを淹れていた。高校卒業後、エルサルバドルへ留学したのちエルサルバドル国立コーヒー研究所に入所し、コーヒー栽培・精選技術を習得する。1981年UCC上島珈琲株式会社入社。世界各地の農園開発を手掛け、帰国後、執行役員農事調査室長を務め、2007年同社退社。2008年株式会社Mi Cafeto(現:株式会社ミカフェート)を設立。40年にわたり世界のコーヒーに関わり、世界各地からおいしいコーヒーを探し出す世界でもNo.1のコーヒーハンターとして、日本のコーヒーマーケットに革命をもたらしている。株式会社ミカフェート代表取締役社長。ジャパンインターナショナルコーヒーインスティテュート校長。日本サステイナブルコーヒー協会理事長。東京大学コーヒーサロン共同座長。JAL日本航空コーヒーディレクター。カリフォルニア大学デイビス校 コーヒーセンター・アドバイザリー・ボードメンバー。タイ王室メーファールアン財団コーヒーアドバイザー。著書に『私はコーヒーで世界を変えることにした。』(ポプラ社)、『コーヒーハンター』(平凡社)。監修『僕はコーヒーがのめない(ビッグコミックス)』(小学館)。

写真提供:川島良彰

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