【コラム】300年以上続く老舗の茶舗に教わる抹茶の基本~その1・お薄の点て方

抹茶をアレンジしたスイーツが人気ですが、抹茶そのものを味わう機会は意外と少ないもの。そこで今回は、茶道の作法はまた別の話として、家庭でおいしく抹茶をいただくための点て方を、元禄年間より300年以上続く老舗の茶舗、京都・丸久小山園に教えていただきます。本日教わるのは、細かな泡から運ばれる抹茶の香りもごちそうの、「お薄」です。

抹茶がふんわり香る「お薄」

「お薄(うす)」とは、薄茶のこと。一般的に「お抹茶をいただく」というときの多くの場合に、お薄を指すようです。お薄は「濃茶」に比べて、湯に溶く抹茶の量が少なく、とても軽やか。茶筅(ちゃせん)で細かな泡たっぷりに点てると、やわらかな味わいになり、口いっぱいに広がる抹茶の香りがなんとも爽やかです。

茶道の作法は別と考えて、抹茶と湯量の割合と、温度に気をつければ、初めてでもおいしく点てられます。上品な甘さの干菓子の後にいただくと、より一層おいしく感じられますので、初めての方はぜひ。

お薄の点て方

  1. 1茶碗やカフェオレボウルに湯を入れて温め、そこに茶筅の穂先もつける。湯を捨て水気をふき取ったら、ふるった抹茶1.5~2gを入れる。
  2. 2よく沸いた湯を計量カップなどに取り、多くて70mlを目安に、茶碗に静かに注ぎ入れる。
  3. 3茶筅で初めは抹茶と湯をなじませる。徐々に大きく、底から攪拌するように振り、茶碗の中心を通る縦の直線上で前後によく動かし、全体に泡を立てる。
  4. 4お茶の表面で茶筅の穂先をゆっくり動かして泡を細かくする。茶筅を静かに引き上げて、細かい泡をこんもりさせて出来上がり。好みで泡を立てないように点てても。

Point

《番外編》濃いめのお薄を氷で冷やして
上記より少なめの湯で、濃いめに点てたお薄に氷をたっぷり入れて、くるくるかき混ぜる。これだけでおいしい、贅沢な冷やしお薄が作れます。また、甘党の方には、氷を入れたグラスに濃いめのお薄を注いで混ぜたあと、シロップを加えて作るのもおすすめです。

監修:丸久小山園/元禄年間、初代・小山久次郎が京都の宇治で茶の栽培・製造を始めてから300年以上続く老舗の茶舗。香り高くまろやかな茶に定評があり、自園茶は何度も全国茶品評会の1位に輝く。直営店併設の茶房では、抹茶が濃厚なスイーツが大人気。また、宇治市内の工場見学も開催している。

撮影:内藤貞保