スギアカツキ【たまごのはなし】第3回「リボンたまご」を作ってみよう

おいしくて、楽しくて、ワクワクすることを考えるのは幸せな時間ですよね。食文化研究家のスギアカツキさんとのそんな話から始まったこの連載。「たまごが一番大好きな食材」というスギさんが、食文化研究家ならではのさまざまなアプローチで「たまご」を掘り下げます。どうぞワクワクしながらお楽しみください。

食文化研究家のスギアカツキです。

みなさん、一番大好きな食べ物ってなんですか? 考えるだけで楽しくなりますが、私は、「たまご」という食材に行きつきます。世界中どこでも食べることができ、その国・エリア独特の料理法で調理され、広く愛されている。そしてなにより、たまごのことを考えるだけで、ワクワクうれしい気分になってしまうんです。

そこで、連載名を「たまごのはなし」と題し、たまごにまつわる“おいしい・たのしい・うれしい”エピソードを綴っていきたいなと思います。

ちょっと手を抜いて、新しい味を発見。

固定概念から開放されると、新たなおいしさを発見することがあります。その1つが、「錦糸卵」。これは、薄く焼いたたまごを、できるだけ細く切ったもので、錦の糸のように鮮やかなことから命名されたそうです。冷やし中華やちらし寿司などでは定番具材になっていますよね。





糸のように細い錦糸卵を作るには、それなりのテクニックと根気が必要ですが、ここではあえて常識をリセット! 逆の発想をしてみることにいたしましょう。そうです、今回はいつもの”薄く・細く”ではなく、ある程度の厚みを持たせ、しっかり太さのある「リボンたまご」を作ってみたいと思います。

これ、麺の世界で考えてみるとイメージしやすいかもしれません。ツルツルとのど越しを楽しむそうめん。小麦の旨味を味わいながら、麺のコシを噛み締めるうどん。

そうです、細い錦糸卵ではふわふわとした繊細な軽やかさを楽しめるのに対し、リボンたまごは、卵らしい味わいをしっかり感じながら、プリプリと主張ある食感を堪能することができるのです。

「リボンたまご」を作ってみよう。

作り方は、リボンたまごのほうが初心者にも断然作りやすいはず。熱したフライパンに卵液をしっかり流し込み、裏返して両面を焼くだけです。厚みがあるので、焼いた卵生地が破れる心配もありません。もちろん調味料は一切不要です。





両面を焼いた卵生地を冷ましてから、くるくるとロール状に丸め、1cm幅に切ってパラパラほぐせば完成です。





さあ、錦糸卵と比べてみましょう。同じ材料、同じ工程なのに、全く違う魅力をまとったリボンたまごは、新しいおいしさとして楽しめるはず。



また、冷やし麺にたっぷりのせれば、主役級の存在感を発揮。食べごたえもしっかりあり、満腹感への期待を裏切りません。





さあ、気になる方はぜひどうぞ。糸の細さに正解はありませんから、自分好みの幅、厚さを見つけて楽しんでみてください。

 

【たまごのはなし】は、ほぼ隔週火曜日に掲載します。


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第1回 「たまごがおいしい」って、どういうこと? おいしいゆでたまごを作る3つの作戦
第2回 「平飼いたまご」って何?

 

文・写真:スギアカツキ/食文化研究家。長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを幅広く学ぶ。在院中に方針転換、研究の世界から飛び出し、独自で長寿食・健康食の研究を始める。食に関する企業へのコンサルティングの他、TV、ラジオ、雑誌、ウェブなどで活躍中。
Twitter:@akatsukinohana

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