【コラム】もっと知りたい身近なスパイス「七味唐辛子」

「七」と「三」で「七味の日」。あなたは七味唐辛子を何にかけるのが好きですか? 本日は日本で生まれ、さまざまな料理との相性もバッチリの絶妙なミックススパイス「七味唐辛子」についてご紹介します。スパイスの達人たちがまとめた本『いちばんくわしい スパイス便利帳』から紐解きます。
辛み、酸味に香ばしさが加わった和の風味
うどんやそばの薬味でおなじみの、日本のミックススパイス。唐辛子、陳皮、山椒、ごま、青のり、ヘンプシード、ポピーシード(けしの実)などがバランスよく入っており、辛みとともにそれぞれの香りが混ざって風味豊か。
江戸時代、両国(現在の東日本橋)薬研堀(やげんぼり)のからしや徳右衛門が漢方を参考に作り始めたのが発祥といわれています。
国内でも地方によってバランスが変わり、関東地方は唐辛子が多く辛め、関西地方は唐辛子より山椒が多い傾向です。
【使用する主なスパイス】
・唐辛子
・陳皮
・山椒
・ごま
・ヘンプシード
・ポピーシード
おいしい利用法
そば、うどんといった麺類や鍋ものの温かい汁にひとふりし、いい香りを立ち上らせるのが定番の使い方。みそ汁などの汁ものにもひとふりすると、風味がアップ。きんぴらやつくねなど甘辛い味つけに軽くふると、彩りとともに味が引き締まります。焼き鳥にも必須アイテムです。
黒七味について
祗園・原了郭が厳選した材料で作る、濃い茶色の七味(「黒七味」は登録商標)。材料の白ごま、唐辛子、山椒、けしの実、青のり、黒ごま、おの実をから煎りし、じっくり丁寧にもみ込むことによって、すべてが独特の色に変化し、しっとりとした風合いに仕上がる。
鼻に抜けるような馥郁とした香りは、すべての材料の香りを存分に生かしているから。辛みのなかに豊かな旨みが宿る。
通常の七味と同じ使い方をするほか、麻婆豆腐や焼きそば、トマトソースなどの隠し味にもおすすめ。
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撮影:西山 航
いちばんくわしい スパイス便利帳

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