【コラム】銀座の名店に教わる、にぎりずしのたねをおいしく美しく切る3つのコツ

去る10月6日、83年に渡る歴史に幕を下ろした築地市場。いよいよ本日より豊洲市場が開場します。目移りするほどのさまざまな種類の新鮮な魚がリーズナブルに買えるのも市場の魅力。いい魚が手に入ったら、にぎりずしに挑戦してみませんか。東京の名店「銀座 鮨青木」主人の青木利勝さんの著書『やさしく教えるすしのきほん』から、にぎりずしのたねをおいしく美しく切るための3つのコツをご紹介します。

江戸時代後期に起源をもつ、にぎりずし。当初は大型の「おむすび」に近いものだったといわれます。今はひと口で食べられる大きさで、近年は、より小型化が進んでいます。「鮨青木」では、すし飯ひとつ10~12gが基本。専門店では、小ぶりのほうが種類をたくさん食べられる楽しみがあるわけです。

にぎり方は複数ありますが、ここでは初めての方でも作りやすいように、もっともシンプルな方法を紹介しましょう。衛生的観点からも、にぎりずしに大事な“口の中でハラリと崩れる”軽やかな食感にするためにも、いじりすぎないことが大事です。

とはいえ、にぎりずしはすし飯にたねを“のせる”だけのものではありません。すし飯とたねをしっかり“合わせる”ことで、口の中でふたつの素材が一体化し、新しい味が生まれます。そのためにも、すし飯は人肌でにぎること。冷めていると固まって、たねと一体にならず、味も口当たりも半減します。

1 すし飯の大きさに比例させる

にぎりずしのたねの大きさは、すし飯の量とのバランスが大事です。すし飯が大きければたねも大きめに、小さければ小さめに。「鮨青木」の例でいえば、すし飯10~12gに対し、たねは厚さ5mm前後、幅は約2.5cm、長さは指の幅4本分です。




2 サクの厚みで切り方を変える

厚みのある身は、サクの右側から包丁を立てて、上から垂直に切ります(写真左)。厚みがある分、切り口が大きくとれるからです。一方、尾に近い身の薄い部分や、もともと身の薄い魚は、サクの左側からそぎ切りに(右)。包丁を寝かせるので、切り口が大きくとれます。




3 筋に垂直に切る

特にまぐろの中トロ、大トロは、部位によっては筋がたくさん入っています。その場合は、口当たりがよくなるよう、筋に対して直角に近い方向で刃を入れ、筋を断つように切ります。筋が厚い部位は、ばらけて身が割れやすくなるので、切ったあとは注意して扱いましょう。





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青木利勝(あおき としかつ)/東京・銀座「銀座 鮨青木」2代目店主。大学卒業後、アメリカへ遊学。帰国後、京橋の名店「与志乃」に入り、2年間修業ののち「鮨 青木」へ。父・青木 義氏のもとで学び、29歳で店を継ぐ。ていねいな江戸前ずしの仕事を基本に、「おいしい」を追求する。
http://www.sushiaoki.jp

撮影:合田昌弘