【コラム】京都の人気骨董店主に教わる、茶籠を使ったお茶の楽しみ方

本日は「リラクゼーションの日」。たまにはゆっくりおいしいお茶を飲んで、リラックスしましょう。そこで本日は、京都の骨董店「うるわし屋」店主の堀内明美さんに、茶籠を使ったお茶の楽しみ方を教わります。茶箱や茶籠に魅了され、組んだ茶箱の数は実に300組を超えるという堀内さん。お茶の時間が楽しみになる素敵な茶籠ライフを、少しだけご紹介いただきます。

テーブルの隅に置いた籠を開けると、浅い掛子(かけご)が載っています。茶合(ちゃごう)を取りだし、茶托(ちゃたく)を並べ、掛子を外すと、茶瓶(ちゃへい)、茶碗、茶壺などまるで手品のように次から次へと可愛い道具が出てくるのです。よく沸いた湯を湯瓶(ゆへい)に入れ、冷めないように小さな炉に掛けます。炉には小型のキャンドルを入れておきました。こんなお茶の道具を詰めた籠が身近にあれば、いつでも、何処でも、お茶の時間が持てます。
 
今日は親しい人たちが訪ねてきてくれたので、台湾の友達から頂いた、とっておきの高山烏龍茶(こうざんウーロンちゃ)を淹れましょう。まず、茶瓶と茶碗に湯を入れ、ゆっくりと温め、湯を捨て、温まった茶瓶に茶葉を入れます。そして湯を注ぎます。一煎目、茶碗を近づけただけで、ふんわりとお茶の香りが漂います。二煎目、三煎目と飲み進んでいくうちに、体の内から温まり、気持ちまでもが高揚してきます。
 
こんなふうに、日によって色々な種類の茶を淹れ、楽しむことが出来る籠です。一人で物思いにふけるときも、家族との食後の一時にも、友達との語らいのときにも豊かな時間を演出してくれます。


堀内さんのお茶のもてなし。道具を入れた籠や箱を持ち出し、テーブルでお茶を淹れる。煎茶の道具で中国茶を入れることもたびたび。


煎茶道具一式が入った籠。左側は涼炉と湯瓶。これだけがあればテーブルの上でお茶が楽しめる。


茶籠に収めたお茶の道具を籠から出してゆく。次々に道具が出てくるのも、茶籠の面白さ。


籠から出した茶道具を盆の上に並べ、湯を注ぎながら温めてゆく。


茶壺に入った高山烏龍茶を茶合に出して。煎茶道具で中国茶を楽しむことも出来る。



茶瓶に茶合の茶を入れる。


湯瓶の湯を茶瓶に注ぐ。


菓子はお客様が持ってきてくれた洋菓子を菓子盆に並べて。本日の菓子は奈良の人気パティスリー「クリアン」の焼き菓子。


茶瓶の茶、最後の一滴まで茶碗に注いで。茶瓶でお茶を淹れることが少なくなった時代だからこその最高のおもてなし。


淹れたての高山烏龍茶、金の水色、立ち昇る香り。

お茶の道具一式を詰め込んだお気に入りの茶籠があれば、いつでもどこでもお茶を楽しむことができます。これまでに組んだ茶箱の数は300を越えるという堀内さんの著書『愛蔵版 茶箱と茶籠の図鑑99』には、堀内さんのお気に入りの99種類の茶箱と茶籠のコレクションがずらり。あなたも自分だけの茶箱を組んでみてはいかがでしょうか。

堀内明美(ほりうち あけみ)/1988年、奈良でアンティーク漆器店「うるわし屋」を開業。91年に京都に移転し、94年から現在地に店を構える。漆器を中心とした質の良い生活骨董を扱う。2009年から茶箱の企画展を開始し、これまでに組んだ茶箱は300組を超える。

撮影:藤原 忠、大道雪代