スギアカツキ【たまごのはなし】第14回  鍋のシメ「たまご雑炊」がもっと美味しくなる意外な野菜を発見!

おいしくて、楽しくて、ワクワクすることを考えるのは幸せな時間ですよね。食文化研究家のスギアカツキさんとのそんな話から始まったこの連載。「たまごが一番大好きな食材」というスギさんが、その経験と好奇心を生かしたさまざまなアプローチで「たまご」を掘り下げます。どうぞ皆さんもワクワクしながらお楽しみください。

朝晩の冷え込みが厳しくなり、「お鍋」のおいしい季節になりました。定番の寄せ鍋やキムチ鍋のほか、最近では、トマトがたっぷり入ったトマト鍋、アーモンドミルクを加えたエスニック鍋といったように、わくわく楽しい広がりを見せています。しかしいずれにせよ、どんな鍋でも共通して楽しみなのが、「鍋のシメ」。具材から染み出たおだしをたっぷり吸い込んだご飯や麺のおいしさは、格別ですよね。

かく言う私も、大の鍋好き。春も夏も季節を問わず鍋料理を楽しみ、シメを楽しむために生きているといっても過言ではないほどの鍋ラバーなのです。そして今回は、そんな私が最近発見した、シメのたまご雑炊をグーンとおいしくする“ある野菜”について紹介したいと思います。

その野菜とは、ズバリ「にんにくの芽」。



中華料理の炒め物などでご存知の方もいるかもしれません。スーパーでは1袋100円前後で購入することができる、比較的手軽な野菜です。

ちなみに、私たちが日頃食べている「にんにく」は、葉っぱの根元にくっついている球状の“りん茎”と呼ばれる部分。玉ねぎやラッキョウも同じです。そして今回の主役「にんにくの芽」は、りん茎とは離れた“茎部分”を指し、「茎にんにく」とも呼ばれる部位になります。(※言葉通り“芽”の部分ではありません)

この部分は、にんにく(りん茎)よりも、控えめかつ品のある香りが特徴。さらに、シャキシャキとした食感と、噛むと爽やかに広がる“優しい甘み”が、料理の中で重層的なおいしさを奏でてくれます。しかもこの味わいと香りは、炒め物だけでなく、鍋のスープに入れると、ものすごくおいしくなるんです。それが私の最近の大発見。


しかも、栄養的にも素晴らしく、緑黄色野菜に分類されるだけあって、食物繊維やβ-カロテンが豊富。さらにニンニクが持つ「アリシン」には、強い殺菌作用やビタミンB1の吸収を高める作用などがあるため、風邪予防や疲労回復、新陳代謝を高めることからダイエットにもオススメできる野菜と言えます。

いつものお鍋に、だまされたと思って、お好みの野菜達の仲間として加えてみてくださいね。そして残りのスープで作る、“雑炊の魔法感”をぜひご堪能ください♪




【たまごのはなし】は、ほぼ隔週火曜日に掲載します。


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第1回 「たまごがおいしい」って、どういうこと? おいしいゆでたまごを作る3つの作戦
第2回 「平飼いたまご」って何?
第3回 「リボンたまご」を作ってみよう
第4回 手軽に買える実力派。“たまご”を感じるおいしいプリン3選
第5回 素材をおいしくするたまごの魔法。「ピカタ」を作ろう
第6回 “黄身だけ”に夢中
第7回 フワフワのおいしいトライアングル。「究極の卵炒め」を作ってみた!
第8回 心も開く「オープンオムレツ」を作る極意
第9回 たまごとハチミツたっぷり、幸せのゴールデンイエローパンケーキ
第10回 「たまご入りパスタ」がおいしい理由を考える
第11回 “卵の殻”が教えてくれた、人生で大切なこと
第12回 オヤツにもおつまみにも手軽でおいしい。「うずら卵」ってどんな卵?
第13回 プロの要望で開発された、洋菓子をとびきりおいしく作れる卵とは?

 

文・写真:スギアカツキ/食文化研究家。長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを幅広く学ぶ。現在、世界中の食文化を研究しながら、各メディアで活躍している。『やせるパスタ31皿』(日本実業出版社)、女子SPA!連載から生まれた海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)が好評発売中。
「みなさん、一番大好きな食べ物ってなんですか? 考えるだけで楽しくなりますが、私は『たまご』という食材に行きつきます。世界中どこでも食べることができ、その国・エリア独特の料理法で調理され、広く愛されている。そしてなにより、たまごのことを考えるだけで、ワクワクうれしい気分になってしまうんです。そこで、連載名を『たまごのはなし』と題し、たまごにまつわる“おいしい・たのしい・うれしい”エピソードを綴っていきたいなと思います」
Instagram:@sugiakatsuki
Twitter:@sugiakatsuki12

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