プロが教える、おいしいパスタ作りに必要な5つの基本のイタリア食材

本日ご紹介するのは、おいしいパスタを作るために揃えておきたい5種類の基本的な食材です。「何でもいい、なんて思わずにこれだけは良質なものを使ってください」というのは、東京・恵比寿で人気のイタリアン「カーザ マナカ」「オステリア アガペ」のオーナーシェフである真中陽宙さん。「いつもキッチンにそろっていると、作りたいときに、チャチャッと気軽に作れて本格味を作る手助けをしてくれます。いずれもイタリア料理の『おいしさの素』となるすごい伝統食材で、和食における『かつお節』や『しょうゆ』のような存在です」。

オリーブ油


●E.V.オリーブ油(写真左)
オリーブ油は用途に応じて2種類を使い分けます。エクストラヴァージンオリーブ油(略してE.V.オリーブ油)と分類されるものは、オリーブの実を絞った100%ジュース。こくがあって香り高く、料理の仕上げに風味づけ調味料のように使います。価格は高めですが、E.V.オリーブ油がおいしいと料理が生き生きとするので、こだわって買うだけの価値はあります。

<お買い物アドバイス> 
売り場には多種の製品がありますが、パスタには緑色が濃くて風味の強いタイプより、イタリア南部の風味の軽いやや黄緑色っぽいタイプがおすすめです。


●ピュアオリーブ油(写真右)
ヴァージンオリーブ油を精製オリーブ油で割ったオイル。E.V.オリーブ油のような風味の強さはありませんが、それがかえって料理を軽く仕上げるには好都合なオイルです。にんにくを炒めたり、野菜を蒸し煮にしたりと、調理用の油としてこのピュアオリーブ油を使っています。なければサラダ油で代用を。

<これは便利!>
お店では油をこんなケチャップ容器に移して使用。使うたびにキャップの開閉なし、液だれやどっと出る心配もなし。とっさにストレスなく使えて、調理をらくにしてくれます。


パルミジャーノチーズ


イタリア産の硬質チーズで、正式名称はパルミジャーノ・レッジャーノ。これをすりおろして粉チーズとして使います。一般的な粉チーズより高価ですが、これを使うと、こく、うまみ、香りがぐんと高まって、パスタが格段においしくまろやかになるので使わない手はありません。けれども、もしなければ市販の粉チーズでかまいません。パスタ作りにこれでなくてはダメ、はありませんから。

<お買い物アドバイス>
家庭の冷蔵庫で長期保存すると風味がぼけたり、においがついたりするので、小さめのブロックで購入を。保存はクッキングシートでぴったり包んで冷蔵庫で。

パンチェッタ


イタリア産の豚バラ肉の塩漬けです。熟成した肉のよい香りと、強いうまみと塩気があり、ゆっくり炒めて、オイルにうまみと香りを引き出して使います。パスタソースでは優れた「こくうまの素」の担い手です。見た目はベーコンに似ていますが、ベーコンは加熱、燻煙をしているので、風味はまったく別ものです。しかしパンチェッタがなければベーコンでOK。また「真中さん流パンチェッタ風塩漬け肉」を使うのもよいでしょう。

◎「真中さん流パンチェッタ風塩漬け肉」の作り方
豚バラかたまり肉500gを7mm厚さに切って塩10gと砂糖少量をまぶしつけ、ラップをせずに冷蔵庫で10日、乾いた状態になるまでおきます。肉が肉汁につからないように、網の上にのせてください。

<お買い物アドバイス>
取り扱いは、輸入食材店やイタリア食材専門店など。量り売りの店では、用途に合わせた厚さにスライスしてもらうと使い勝手がよい。

アンチョヴィ


かたくちいわしの塩蔵品で、その特有の熟成香とうまみのある強い塩気は、日本の塩辛に通じるものがあります。ほんの少量を使うだけでもしっかりと風味がきいて、味わいを深めたり、よいアクセントになったりしてくれます。写真のようなフィレ状のものとペースト状のものがあり、用途によって使い分けていますが、どちらのタイプでも作れます。

パスタのゆで汁


これはイタリア食材ではありませんが、パスタ作りでとても重要な材料なので、あえてここで紹介します。プロにとってはあたりまえすぎて、レシピに書かれることもほとんどありませんが、これなしにはパスタが仕上がらないほど大切なものです。パスタをゆでている鍋から適量をすくってはソース作りや仕上げに使います。

さあ、あなたのキッチンにも早速揃えて、おいしいパスタ生活を満喫しましょう。


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真中陽宙(まなか あきお)/1967年埼玉県北本市生まれ。「クイーン・アリス」にて料理の基礎を、「コートドール」(東京・三田)でスタイルの異なるフランス料理を学んだ末、パスタ好きがこうじてイタリアンに転身。「リストランテ・ヒロ」(東京・表参道)にて山田宏巳氏からイタリアンの基礎や発想などを学ぶ。「リストランテ・ヒロ」でシェフを務めたのち、「リストランテ アガペ」のシェフになる。2008年クイーン・アリスグループより独立。2011年「アガペ アル・マナチーノ・ナトゥラ」を東京・白金にオープン。2014年東京・恵比寿に移り「カーザ マナカ」「オステリア アガペ」オーナーシェフ。趣味はドライブ。松下幸之助氏の言葉「鳴かぬなら それもまたよし ホトトギス」が座右の銘。休日は、野菜を買いに湘南へ行くことが多い。ついでに海に寄って、ぼーっとするのが好き。ブログも大人気!
http://www.r-agape.com

撮影:白根正治

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