スギアカツキ【たまごのはなし】第18回 ふりかけの枠を超越した、たらこふりかけ「あかり」

おいしいふりかけとの出合いにワクワク。卵の相性もバッチリなようです。この連載では、「たまごが一番大好きな食材」という食文化研究家のスギアカツキさんが、その経験と好奇心を生かしたさまざまなアプローチで「たまご」を掘り下げます。

今日は魚のたまごのお話です。皆さんは、「あかり」というふりかけをご存知でしょうか? これは、三島食品株式会社が製造・販売している「たらこ」のふりかけなのですが、昨年あたりから私の中で、独特の愛しさをじんわり感じる存在になっています。




そもそも三島食品と言えば、「ゆかり」。言わずと知れた、“赤しそふりかけ”ですが、この姉妹品として、「かおり(青じそ)」と「あかり(たらこ)」が登場しているのです。




主原材料は、「真鱈のタラコ」と「唐辛子」。比較的シンプルな配合は、他のふりかけとは一線を画しています。また、ゆかりからの一連のパッケージのデザインに、なんとも言えぬ魅力を感じ、静かに心をつかまれているのは、私だけではないでしょう。このあかりのオレンジ色は、日本の伝統色「蜜柑色」に近く、日本人のDNAを刺激するような魅力を持った、本当に素敵なカラーなんです。

さてさて、話題をふりかけの中身に移していきましょう。

私があかりを好きになった理由は、その“活用度の広さ”にあります。つまり、ご飯に振りかける以外の用途で使っても、合わせる食材との摩擦を起こすことなく、しっくりまとまりながらも、メリハリのあるコク・おいしさを生み出してくれるのです。それではまず、私が個人的に気に入っている楽しみ方をいくつかご紹介しましょう。


1.卵焼きのなかに混ぜ込む

ざざーっと豪快に卵液を流し込んで作るような卵焼きやオムレツ。卵のまろやかな味わいに、塩味・辛味をパキパキと加えてくれます。卵は半熟くらいが理想的。


2.キャベツ炒めのアクセントに

ちぎったキャベツをシンプルに油で炒め、仕上げの味付けにパラパラと振りかけるだけ。キャベツの優しい甘味に、意志を感じる力強さを与えてくれます。


3.納豆の味付けに

タレや辛子を使わず、あかりとごま油で味わう、少々ユニークな組み合わせのテイスト。いつもとはちょっと違う風味で、格別な口福感を感じることができるでしょう。もみ海苔を加えても美味。


こうやって並べてみると、ご飯やパンなどの糖質をとらずに活用できるという点で、ダイエット向きの食事としても楽しめることに気がつきます。

今年の干支は、「猪」。無病息災の象徴とされ、「勇気」の意味合いをも持つ、エネルギー溢れる動物です。夢や目標に向かう突進力を大切にしながら、いつもと違ったものを食べてみる“チャレンジ精神”を携えながら、2019年の食をしっかり楽しんでいきましょう!


【たまごのはなし】は、ほぼ隔週火曜日に掲載します。

 

文・写真:スギアカツキ/食文化研究家。長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。基礎医学、栄養学、発酵学、微生物学などを幅広く学ぶ。現在、世界中の食文化を研究しながら、各メディアで活躍している。『やせるパスタ31皿』(日本実業出版社)、女子SPA!連載から生まれた海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)が好評発売中。
「みなさん、一番大好きな食べ物ってなんですか? 考えるだけで楽しくなりますが、私は『たまご』という食材に行きつきます。世界中どこでも食べることができ、その国・エリア独特の料理法で調理され、広く愛されている。そしてなにより、たまごのことを考えるだけで、ワクワクうれしい気分になってしまうんです。そこで、連載名を『たまごのはなし』と題し、たまごにまつわる“おいしい・たのしい・うれしい”エピソードを綴っていきたいなと思います」
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