今さら聞けないタイカレーの基本。タイのカレーペーストの特徴とは?

今日は「カレーの日」。ところで「タイカレー」って、どんなカレー? インドカレーとは違うと思いつつ、あまりよく知らないまま、美味い美味いと食べていませんか? そこで、スパイスの達人たちがまとめた本『いちばんくわしい スパイス便利帳』から、タイカレーの特徴について紹介します。
新鮮な辛味と旨みを堪能「タイのカレー」
スパイスやフレッシュハーブ、香味野菜をクロックという石でできた乳鉢でつぶして作る、タイ料理でよく使われるカレーペースト。主に「ゲーン」と呼ばれるタイの汁ものに使われ、日本ではそれをタイカレーといいます。
見た目の色からグリーン、レッド、イエローの3種があり、それぞれ少しずつ材料が異なり、辛みや風味はさまざま。フレッシュな野菜やハーブで作るため、作りたてのペーストを使うと新鮮な香りが生きます。
タイカレーは、一部を除いて煮込まずに作るので、市販のペーストがあれば15分ほどで完成します。メインの具材は豚、鶏、またはえびが中心で、野菜はなすやたけのこ、冬瓜、ピーマンもよく使います。
クロックとサーク
タイの家庭に必ずあるという石の乳鉢のようなクロック。同じく石でできた麺棒のようなサークでスパイスやハーブ、にんにくをつぶします。サイズも大小あり、乾燥した堅いスパイスや葉も簡単につぶせるので、1回分のカレーペーストならばあまり大きくなくても作れます。
グリーンカレーペースト
タイで最も辛いといわれているミニ青唐辛子を使った、強烈な辛みが特徴です。青唐辛子のほかに、レモングラス、タイの小さな玉ねぎホムデン、カー、バイマックルーなどが入ります。タイ語でグリーンカレーは「ゲーンキャオワーン」といい、甘みのある緑のカレーという意味ですが、ペーストに甘みはありません。
レッドカレーペースト
乾燥赤唐辛子のほかは、ほぼグリーンカレーペーストと同じ材料を使って作ります。乾燥赤唐辛子の香ばしさにハーブや香り野菜が入った複雑な味わいで、辛さはグリーンカレーよりマイルド。カレー以外に、豚肉やえびのレッドカレー炒めなど、炒めもののソースとしても重宝します。
イエローカレーペースト
3つのカレーペーストのなかでは、一番甘みのあるタイプです。材料にクローブやターメリック、ナツメグなどが使われており、日本のカレーに一番近い味。グリーンやレッドと違って、カレー以外の料理に使用することはほとんどありません。
マッサマンカレーペースト
タイ語でイスラム教を表すマッサマンは、宗教上の理由から、鶏肉か牛肉で作られます。基本はレッドカレーペーストと同じで、そこにクローブ、スターアニス、シナモン、カルダモン、ナツメグなどのスパイスのなかから数種を加えて作るため、香りがよいのが特徴。野菜はじゃがいもや玉ねぎなどを使います。
「タイカレー」は日本ならではの呼び方のようですが、呼び方はどうあれ、あのスパイシーな風味にはたまらない魅力がありますよね。ご紹介した本『いちばんくわしい スパイス便利帳』では、それぞれのペーストを使った料理のレシピも掲載しているので、ぜひチェックしてみてください。
http://www.asaokaspice.co.jp
撮影:大山裕平、西山 航
料理:味澤ペンシー
いちばんくわしい スパイス便利帳

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