舌の上でスッと溶ける爽快感! 涼を呼ぶイタリアの氷菓「グラニータ」人気2種の作り方をプロに教わる

今夏もかき氷が人気ですが、ザクザクした氷を口に含むとスッと溶ける、いわばイタリア版のかき氷のような「グラニータ」を、自宅で楽しみましょう。イタリア料理界のレジェンド、東京・経堂「エル・カンピドイオ」オーナーシェフの吉川敏明さんに教えていただきます。残り少ない夏休み、お子さんと一緒に自由研究がてらトライしてみるのも楽しいかもしれません。

グラニータとは、粗い粒の氷菓子のこと。

グラニータはイタリア南部、シチリア島生まれの氷菓子。フルーツやコーヒーなどで風味をつけたシロップを“粗い氷の粒”状に凍らせるので、見た目はザクザクッとしています。しかし、舌にのせると、最初はザラッとして、次の瞬間にはもうスッと溶けている。この爽快感がグラニータの身上です。

同じ氷菓でも、シャーベット(イタリア語ではソルベット)が糖度の高いシロップを充分に攪拌して、ねっとりなめらかに仕上げるのに対し、グラニータは糖度の低いシロップでザクザクの食感にするのが大きな違い。語源の「グラーノ」とは「粒」のことなので、氷の粒ができていないといけません。そのためには、シロップを“煮詰めすぎない、混ぜすぎないこと”が重要です。


シャーベットのようになめらかにしないように!

シロップの煮詰め時間は、今回ご紹介した分量なら、5分を守りましょう。火加減はごく弱火。発泡性ワインをグラスに注ぐと小さな気泡がプクプクプクと上がり続けますが、それくらいの泡が浮く状態です。火が強かったり、時間が長すぎたりすると、凍る水の量が減ってなめらかなシャーベット状になり、グラニータではなくなります。また、砕く際にグルグル練ったり、時間や回数が多すぎたりしてもシャーベット化するので要注意! 砕くときは、液体が残っている1回目はフォーク、しっかり固まる2回目以降はスプーンと使い分けると均一に混ぜやすいです。イタリアで人気ベスト2の、レモンとコーヒーの味をご紹介しましょう。

材料(2人分)

レモンのグラニータ
 レモン※
2個(200g)
 水
200ml
 グラニュー糖
80g
 ミントの葉
適量
※1/2個分の皮、2個分の果汁(約70ml)を使います。
コーヒーのグラニータ
 コーヒー(通常の2倍の濃さ)
100ml
 水
200ml
 グラニュー糖
60g
 ホイップクリーム
  生クリーム(乳脂肪分35%)
適量
  グラニュー糖
生クリームの重量の10%

レモンのグラニータの作り方

  1. 準備●底面積の広い、容量700~800mlの蓋付き容器を準備。凍らせたものを砕いていくうちに容量が増えるので、最初のシロップの2.5倍ほどの容量の容器が必要です。また短時間で凍るように、平たい容器を使いましょう。
  2. 1レモンの皮をむく。
    レモンは1/2個分の皮をごく薄くむく。
    ※皮の内側の白いワタがついていると苦みが出るので、ごく薄くむいてください。もしついても、ナイフで削ぎ取れば大丈夫です。
  3. 2果汁を搾る。
    果汁は2個分をすべて搾る。茶こしでこして種や果肉の薄膜を取り除く。
  4. 3シロップを作り始める。
    鍋に1 、水、グラニュー糖を入れ、弱火にかける。混ぜながらグラニュー糖を溶かす。
  5. 45分煮詰める。
    微発泡が浮いてくる火加減を保ち、5分煮詰める。
    ※ここで煮詰めすぎないように。糖度が高くなり、仕上がりがねっとりしたシャーベット状になってしまいます。
  6. 5こして冷ます。
    茶こしでこしてレモンの皮を除き、常温において粗熱をとる。
    ※シロップが熱いところにレモン汁を混ぜると、せっかくの香りがとんでしまいます。必ず粗熱をとって6の工程へ。
  7. 6レモン汁を加える。
    5を泡立て器で混ぜながら、2のレモン汁を加える。
    ※“シロップを泡立てる”イメージで、しっかりかき混ぜながらレモン汁を合わせます。気分的なものですが、グラニータのザラザラ感がより増す気がします。
  8. 7容器に流す。
    容器に流し入れ、蓋をして冷凍庫へ入れる。
    ※容器が斜めになると均一に固まりません。冷凍室の引き出しなどに平らに置くのがベストですが、何かの上にのせるなら傾かないように注意。
  9. 8冷凍庫で2時間凍らせる。
    2時間ほど凍らせる。表面に薄く氷が張り、中心はまだ液体だが側面が固まり始める。
    ※1時間半だと中心にかなり液体が残っていますが、そのくらいから砕き始めてもかまいません。
  10. 9粗く砕く。まず、1回目。
    フォークで周囲の氷のかたまりを砕き、まだ固まっていない中心部と混ぜて、全体を均一にする。平らにならして蓋をして冷凍庫へ。
    ※最初はフォークで砕き、氷のかたまりを上から押さえてつぶします。
  11. 1040分凍らせる。
    2回目以降は40分間隔で凍らせては砕いていく。次第に中心部も固まってくる。
    ※これ以降は、凍らせる時間が長いと凍りすぎて細かく砕けなくなるので、40分間隔をくり返しましょう。
  12. 11粗く砕く。これが2回目。
    スプーンでかたまりを崩して氷の粒を小さくし、すくいながら混ぜて均一にする。平らにならして蓋をして、冷凍庫へ。
    ※長く砕いていると溶けてきます。1分以内で手早く!
  13. 1240分凍らせる。
    細かい氷の粒のままで凍り、表面がキラキラしてくる。
    ※時間をおきすぎて固くなってしまったら、スプーンでこするように削り取ります。かき氷のようなサラサラしたグラニータになります。
  14. 13粗く砕く。3回目。
    スプーンでかたまりを崩して氷の粒をさらに小さくし、すくいながら混ぜて均一にする。平らにならして蓋をして、冷凍庫へ。
  15. 1440分凍らせる。
    氷の粒がより小さくなって、グラニータらしさが出てくる。
  16. 154回目、粗く砕いてでき上がり。
    スプーンでかたまりを崩して氷の粒を小さくし、均一になるようにすくいながら混ぜる。グラスに盛ってミントを飾る。
    ※かさは倍以上に増えています。ここまでくればもう食べられます。保存するときは、表面を平らにして冷凍庫へ。
  17. コーヒーのグラニータの作り方

    1. 準備●底面積の広い、容量700~800mlの蓋付き容器を準備。凍らせたものを砕いていくうちに容量が増えるので、最初のシロップの2.5倍ほどの容量の容器が必要です。また短時間で凍るように、平たい容器を使いましょう。
    2. 1鍋にコーヒー、水、グラニュー糖を入れ、弱火にかける。泡立て器で混ぜながらグラニュー糖を溶かす。微発泡が浮いてくる火加減を保ち、約5分煮詰める。
      ※コーヒーを濃いめに、グラニュー糖を抑え気味にした配合で、コーヒーの苦みを生かしています。
    3. 2「レモンのグラニータ」の7~15と同様に作る。
      ※レモン味もコーヒー味も冷凍品なので日持ちしますが、冷凍庫から出し入れする間に溶けたものが再冷凍され、粒が大きくなったり風味がとんだりします。早めに食べきりましょう。
    4. 3生クリームにグラニュー糖を加え、八分立てのホイップクリームを作る。器に盛ったグラニータの上に絞る。
    5.  

      吉川敏明(よしかわ としあき)/1946年、東京生まれ。1965年、19歳でイタリアへ渡り、ローマのホテル学校「エナルク」で学ぶ。卒業後、ローマのレストランなどで勤務。帰国後、都内のレストランなどで料理長を務めたあと、77年、西麻布に「カピトリーノ」をオープン。本場そのもののイタリア料理が食べられると、人気を博す。2008年に店を閉め、2009年、経堂に移転、“ローマ風ワイン居酒屋”として「エル・カンピドイオ」をオープンした。今でもイタリアの料理文献や現地の新聞、雑誌を読むなど、豊富な知識を持ち、著書も多数。師と仰ぐイタリア料理人も多い。

      撮影:日置武晴

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