お家でおいしい紅葉狩り! 初心者でも作れる雲平の干菓子「吹き寄せ」

暦のうえでは立冬ですが、各地で紅葉が見ごろを迎えています。週末は、風情ある美しい干菓子を手作りしてみてはいかがでしょうか。教えてくださるのは、茶道裏千家教授でもあり、和菓子教室主宰の清 真知子さんです。「砂糖と寒梅粉を練って作る干菓子で、飾り菓子などにも用いられます。食紅の色を変えることで自在に染めることができます。紅葉した葉が落ちて風に吹かれ、ひとところに寄せ集められた様を表した吹き寄せは、晩秋を代表する菓子の意匠です」。
材料
- 上白糖
- 100g
- 寒梅粉
- 10g
- ぬるま湯(40度くらい)
- 10g
- 食紅(紅、黄、緑)
- 適宜
作り方
- 1
ボウルに上白糖とぬるま湯を入れ、指先で揉むようによく練る。※ぬるま湯を使うと上白糖が溶けやすくなる。
- 2
寒梅粉を少しずつ加えてよく混ぜ、濡れ布巾をかぶせて20~30分休ませる。※寒梅粉の粘りが出て、生地がなじむまで休ませる。
- 3
休ませた生地を揉み直し、滑らかになるまで練る。生地の1/2量を黄色に、残りを半分にしてそれぞれ赤と緑に染め、さらに揉み込む。
- 4
黄色の半量と赤い生地を縦長に平たくのばし、境目を指でくっつける。広げたラップの上に置き、上からラップを斜めにずらしてかける。
- 5
麵棒で生地を縦方向にのばす。
- 6
上のラップを外し、のばした生地の上半分を、中心をずらすようにして手前に折る。
- 7
再び上にラップをかけ、麵棒で縦方向にのばす。これをもう一度繰り返し、境目に色のグラデーションをつける。
- 8
グラデーションがついた状態。
- 9
好みの色の部分を紅葉の型で抜く。同様に緑と黄に染めた生地で銀杏を作る。
- 10
バットに割り箸などをわたしてその上にクッキングシートをのせ、菓子が乾いたとき反るように並べて1~2日乾かす。
Point
保存法と日持ち紙箱に入れ、常温で10日~2週間(密閉容器に入れると湿気がこもることがある)。冷蔵・冷凍保存はできない。
清 真知子(きよし まちこ)/1960年神戸市に生まれる。83年裏千家学園茶道専門学校卒業。96年神戸市内に、2002年に東京・学芸大学にも和菓子教室を開く。現在、茶道裏千家教授、茶道と和菓子の教室「さろん閑遊」を主宰。デモンストレーションと実技で構成される和菓子教室は、季節感溢れる美しい和菓子が初心者でも上手に作れると好評を博している。2014年兵庫県明石市に教室を移転。
さろん閑遊 http://www.kanyuu.com/
撮影:浮田輝雄
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