【レシピ・パン・プディング】食べ切れなかった食パンも高級ホテルレベルのデザートに変身!

食べ切れなかった食パン、どうしていますか? 今週ご紹介するのは、「日がたってパリパリに乾燥しているものがベスト」というお墨付き(?)の食パンを使う、絶品パン・プディングです。横浜の人気店「ベルグの4月」をオープンし、オーナーシェフを長年務められた山本次夫さんが、帝国ホテル時代に作っていたというレシピ、必見ですよ。
私が帝国ホテルにいた頃、宴会のデザートとしてよく作っていたお菓子の一つがこのパン・プディング。その頃の思い出のレシピです。カラメルソースを流した上にパンをトーストして入れ、レーズンを入れているのも当時と同じスタイル。卵や牛乳、食パンなどの身近な材料で作れるのに、カットして盛りつければどこかしゃれた雰囲気になります。あんずのソースを添えれば、より華やかな味わいに。
材料(パウンド型2台分)
- 全卵
- 200g(約4個)
- グラニュー糖
- 100g
- 牛乳
- 500g
- 食パン(8枚切り程度の厚さ)
- 6~7枚
- レーズン
- 100g
- カラメル
- グラニュー糖
- 100g
- 水
- 50g
- ソース
- あんずジャム
- 100g
- 水、コワントロー(リキュール)
- 適量
作り方
- 道具18×8×6.5cmのパウンド型 アルミ箔 鍋 木べら 万能こし器 レードル 竹串 網 パレットナイフ 湯せん焼き用の湯 ※オーブンは予熱160℃、焼成140℃で35分
- 準備● 卵を室温にもどす。
● 型の外側をアルミ箔で覆う。
● パンの耳を切り落とし、軽くトーストする。 - 1-1
カラメルを作る鍋を強火にかけ、グラニュー糖を5~6回に分けて少しずつ入れ、木べらで混ぜながらカラメル状にする。グラニュー糖は溶けて液状になったところで次を加えるようにする。
- 1-2
細かい泡が沸き上がったら火を止め、泡がすっと引いたところに水を3回に分けて混ぜる。
- 1-3
容器に水(分量外)を用意し、カラメルを数滴落とす。固まった粒を指でぐっと押し、粘土より少し硬ければでき上がり。
- 2
2つのパウンド型にカラメルを均等に入れ、傾けながら底全体に広げる。
- 3
プリン液を作る卵を泡立器でよく溶きほぐし、グラニュー糖を加える。なじむまで混ぜたら、牛乳を少しずつ入れ、さらに混ぜる。これを万能こし器でこす。
- 4-1
焼く用意したパンを型のサイズに合わせてカットし、2の型に敷き込む。レーズンを散らしてプリン液をレードルでひたひたに注ぐ。パンに液がしみ込むまで2~3分置く。
- 4-2
これをあと2回くり返し、最後にパンでふたをしてプリン液をかける。
- 5-1
4を天板にのせて約40℃の湯を注ぐ。予熱したオーブンに入れ、140℃に下げて35分焼く。
- 5-2
竹串を刺した穴から、液が上がってこなければ焼き上がり。型のまま網の上で冷まして粗熱を取り、冷蔵庫で一晩冷やす。※写真は焼き上がりにはまだ早い状態
- 6
仕上げあんずジャムを万能こし器でこす。鍋にこしたジャムと水を入れ、温めて柔らかくし、再度こす。冷めたらコワントローを加える。
- 7
一晩冷やしたプディングの周囲にパレットナイフをさし込んで型からはずし、皿の上に逆さにして取り出す。適当な大きさに切り分けて盛りつけ、6のソースをかける。
Point
冷蔵庫で冷やした翌日がいちばんおいしい。保存はラップで包み、冷蔵庫で3日。冷凍は不向き。
Chef’s Advice
使うパンはどんなものでもかまいません。日がたってパリパリに乾燥しているものがベスト。このパンにプリン液をよくしみ込ませることが大切です。焼きすぎは厳禁。竹串でよく確認してください。
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山本次夫(やまもと つぎお)/高校卒業後帝国ホテルに勤務、75年渡欧。スイス・インターラーケンのホテル・ボーリバージュ、ジュネーブのオテル・デ・ベルグで修業。カナダのバンフ・スプリングスホテルではシェフパティシエを務める。帰国後銀座「ペリニィヨン」「カトリーヌシェフ」、青山「キハチ」オープンに協力。88年横浜「ベルグの4月」をオープン。2014年までオーナーシェフを務める。
撮影:松本祥孝
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