【レシピ・羊羹粽】手作りに挑戦! 端午の節句の粽作りを評判の菓子店に教わる

まもなくゴールデンウィーク。今年の端午の節句には粽(ちまき)を手作りで用意してみませんか。東京・富ヶ谷にある人気の菓子店「岬屋」の三代当主・渡邊好樹さんの著書『上菓子「岬屋」主人の やさしく教える和菓子のきほん』から、羊羹粽の作り方をご紹介します。解説が丁寧でわかりやすいと、和菓子の初心者にも評判の本。市販のこしあんをおいしく使う方法も教えていただきましたよ。
材料(20本分)
- 本葛粉
- 120g
- 砂糖(上白糖)
- 240g
- こしあん
- 400g
- 水
- 560ml
- 特に用意するもの
- 笹の葉(乾燥)
- 80枚
- い草
- 100本
作り方
- 1
笹の葉のもどし方笹の葉(右)は束ねて縛る。い草(左)が細い場合は多めに準備する。
- 2
葉が沈む深さの鍋に葉と水(分量外)を入れて強火にかけ、沸いたら木べらで押さえながら、5分くらい煮る。
- 3
葉をずらしてみて、乾燥した部分がなくなり、全体が均一に笹色に発色していたらOK。湯を捨てて鍋に水(分量外)を入れ、葉の束ねた部分を持ってじゃぶじゃぶ洗う。葉と葉の間のゴミが取れるまで、水を2~3回替えて洗う。
- 4
生地を作り、包む鍋に深めのざるを重ねて本葛粉を入れ、水を半量注ぎ入れる。浸しながら手で葛粉をくずし溶かし、残りの水でざるに残った葛粉を落としながら加える。
- 5
砂糖を加えて混ぜ、こしあんを加えて木べらでくずす。あんがくずれたら中火にかけ、混ぜながら溶かす。
- 6
固まり始めたら弱火にし、焦げないように混ぜながら8割程度固める。熱が伝わっている鍋の周りから固まり始めるので、注意して混ぜる。
- 7
火を止め、ぐるぐると混ぜて余熱で火を入れ、均一な状態にする。
- 8
2つの耐熱ボウルに半量ぐらいずつ移し、2回に分けて蒸す。一方を蒸気の充分上がった蒸し器に入れ、ふきんをボウルにかぶせ、約30分蒸す。もう一方はラップをかける。
- 9
蒸し上がりの状態。ボウルごと取り出し、8のもう一方のボウルを蒸し器に入れ、同様に蒸す。
- 10
蒸し上がった9を大きめのボウルに移す。しっかり混ぜられるよう、こし器にのせるかぬれぶきんを敷き、ボウルを固定する。均一に混ぜ、蒸しムラがないようにする。
- 11
笹の葉を手のひらにのせ、10が熱いうちにひとすくいし、葉の先端から1/3ほど下に落とし、そのまま下に引っぱる。
- 12
笹の葉3枚の根元を合わせてから、縦に約1cmずつずらし、扇状に広げる。その上に11をずらしてのせる。
- 13
そのまま手のひらにのせ、右から内側に折り込む。
- 14
きっちり最後まで巻く。
- 15
根元を持ちながら、一番短い茎(12で最後にのせた葉の茎)を引っぱって、キュッと締める。
- 16
先端のふくらんだ部分を、軽く左の親指で押さえる。右手で4枚の葉をまとめてひとねじりする。
- 17
ねじり終わった状態。
- 18
ねじったところに、い草をひと巻きする。
- 19
先端の葉を折り曲げ、その上を18のい草で巻き上げる。
- 20
葉の根元に親指を置いてその上にい草を巻いて輪を作り、い草を通す。
- 21
引っぱり、縛る。い草は切らずに長いままにしておく。包み終えたら、9のもう一方の蒸し上がりを取り出し、同様に10~21を行う。
- 22
包んだ粽は、下に3本、上に2本のせる。動くようならふきんをかぶせて固定する。
- 23
片手で根元側の少しふくらんだ部分を、まとめて持つ。この位置で持つと、粽同士がしっかり固定される。あまり根元に近いと、不安定になる。
- 24
い草10~12本を束にし、粽を持った手の人差し指と中指の間に入れる。
- 25
動かないようにしっかり固定しながら、巻き始めの上に交差するようにひと巻きする。
- 26
い草を帯状にしてずらしながら巻き上げる。
- 27
巻いたら天地を返す。
- 28
茎を残して巻き終わりのい草をねじる。
- 29
ひと巻きして輪を作って結ぶ。
- 30
天地を逆さに持ち替え、巻きつけたい草を、下に押し込んで締める。
- 31
い草と葉の茎の部分を、適宜切る。
- 32
完成。
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渡邊好樹(わたなべ よしき)/東京・富ヶ谷「岬屋」の三代当主。和菓子の基本であるあんの仕立てを特に大切にし、300以上の上菓子を、素材や作り方を細かく使い分けて作っている。茶席菓子を多く手がけているため、茶道関連の菓子作りが多い。また、小学校や大学、製菓材料店、料理教室、茶道関係での講師を務めることもあり、そのわかりやすい教え方に定評がある。
撮影:日置武晴
上菓子「岬屋」主人の やさしく教える和菓子のきほん

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