【レシピ・葛焼き】ファン多し! 人気の名店に教わる、美しくもおいしい上生菓子

今週ご紹介するスイーツは、葛焼きです。教えてくださるのは、「ここの葛焼きが一番好き!」というファンも多数、東京・富ヶ谷「岬屋」店主の渡邊好樹さんです。「練り上げた葛を焼く、春と秋のお菓子。葛にこしあんを混ぜて、羊羹葛焼きにしてもよいでしょう。焼いてすぐ食べる必要はないので、曲げわっぱやお重箱の中で保存します」。お月見をしながら皆で食べてもいいですね。
材料(21×17×4.7cmの流し缶1台分)
- 本葛粉
- 130g
- 砂糖(上白糖)※
- 325g
- 水※
- 585ml
- 手粉(上用粉3:片栗粉2を混ぜたもの)
- 約200g
- ※割合は、本葛粉の2.5倍の砂糖、4.5倍の水と覚えておくとよい。
- 特に用意するもの
- 深めのざる(みそこしがおすすめ)
- 21×17×4.7cmの流し缶(卵豆腐などを作る仕切りのあるもの)
- かまぼこ板
- ホットプレート(四角でエンボス加工のないものがおすすめ)
作り方
- 1
鍋に深めのざるを重ねて本葛粉を入れ、水を半量注ぎ入れる。
- 2
水に浸しながら手で葛粉をくずし溶かし、残りの水でざるに残った葛粉を落としながら加える。砂糖を加えて木べらでよく混ぜる。
※「羊羹葛焼き」を作るときは砂糖と一緒にこしあんを加えるだけ。あとは同じです。 - 3
鍋を中火にかけ、木べらで混ぜながら火を通していく。固まりかけたら弱火にし、8割がた固まったら火を止める。
- 4
しっかりと練って、余熱で全体に火を通す。
※こうするとダマにならず、均一に火が通ります。 - 5
柔らかくなったら泡立て器に持ち替え、しっかりと混ぜる。
- 6
泡立て器を持ち上げ、生地がするするたれるようになったらOK。
- 7
ボウルに移し、ゴムべらで広げる。
- 8
蒸し器を火にかけ、しっかり蒸気が上がったら7をボウルごと入れる。ボウルにふきんをかけ、30分蒸す。取り出し、あつあつのうちに木べらで混ぜて、蒸しムラをなくす。
※ボウルは熱いので、乾いたふきんで持ちましょう。 - 9
流し缶を水でさっとぬらす。8が熱いうちに流し入れ、全体に平らにならす。
※粘度があってやや扱いにくい状態です。平らになりにくいので、へらですみずみまでならします。 - 10
すぐに手粉を全体にふりかけ、手で素早く広げる。スケッパーで端を押さえて整える。
- 11
さらにかまぼこ板などで全体を押し、生地を平らに整えて、常温で完全に冷ます。
※かまぼこ板に取っ手をつけて、使うと便利です。 - 12
台に流し缶を置き、手粉をふるいでたっぷりふりかける。スケッパーを端に差し込んですき間を作り、手粉を入れてはずしやすくする。
- 13
流し缶の仕切りをのせ、さらにまな板などをのせ、上から下へまっすぐ差し込む。最後は手で奥まで押し込む。
※まな板を使うと均一に力がかかり、仕切りをまっすぐ差し込むことができます。 - 14
仕切りと生地の間に手粉を入れながら、仕切りをはずす。台に手粉をたっぷりふり、生地を流し缶からそっとはずして台にのせる。1つずつ全面に手粉をつけ、バットに上面を上にして置く。刷毛で余分な粉をはらう。
- 15
ホットプレートを120~140℃に設定し、14の上面を下にして焼く。余分な粉を刷毛ではらい、焼き色がしっかりついたら返して同様に焼く。網にクッキングシートを敷き、取り出して冷ます。
※冷めると焼き色が薄くなります。
Point
●羊羹葛焼きにするなら
【材料】(21×17×4.7cmの流し缶1台分)
本葛粉…… 95g
砂糖…… 190g
こしあん…… 310g
水…… 440ml
手粉(上用粉3:片栗粉2を混ぜたもの)……約200g
【材料】(21×17×4.7cmの流し缶1台分)
本葛粉…… 95g
砂糖…… 190g
こしあん…… 310g
水…… 440ml
手粉(上用粉3:片栗粉2を混ぜたもの)……約200g
【作り方】
「葛焼き」の作り方2で、砂糖とこしあんを入れ、あとは同様に作る。
<関連記事>
・【コラム】覚えて便利! 簡単なひと手間で市販のあんをおいしくする方法
・【レシピ・水ようかん】暑い日に大人食いしたくなる夏の甘味
・【レシピ・おはぎ】お彼岸にそなえて人気の専門店に”ぼたもち”の作り方を教わろう
・【レシピ・羊羹粽】手作りに挑戦! 端午の節句の粽作りを評判の菓子店に教わる
渡邊好樹(わたなべ よしき)/東京・富ヶ谷「岬屋」の三代当主。和菓子の基本であるあんの仕立てを特に大切にし、300以上の上菓子を、素材や作り方を細かく使い分けて作っている。茶席菓子を多く手がけているため、茶道関連の菓子作りが多い。また、小学校や大学、製菓材料店、料理教室、茶道関係での講師を務めることもあり、そのわかりやすい教え方に定評がある。
撮影:日置武晴
上菓子「岬屋」主人の やさしく教える和菓子のきほん

技を極めた専門店がご家庭向けに教える「おうちで作れる専門店の味」シリーズ第一弾。和菓子のプロが、本当に美味しく作れる34レシピとあんの炊き方を直伝します。ご家庭で作りやすい分量で、使う材料も普通の製菓材料店で手に入るものばかり。作り方のプロ…