和菓子のプロに教わる、粒あんの作り方。鏡開きでおいしいぜんざいを食べたい!

今日は鏡開き。おいしい粒あんを用意して、ぜんざいでいただくのはいかが。東京・富ヶ谷にある人気の菓子店「岬屋」の三代当主・渡邊好樹さんの著書『上菓子「岬屋」主人の やさしく教える和菓子のきほん』から、おいしい粒あんの作り方をご紹介します。粒あんを使ったぜんざいの作り方も紹介しているので、ぜひ作ってみてください。

材料(でき上がり約1300g分)

小豆(乾燥)
400g
砂糖(上白糖)
600g
重曹
5g
適量

作り方

  1. 1鍋に小豆の1.5倍の水(小豆400gの場合600ml)を入れて火にかけ、鍋の中央から泡が出るまで沸かす。
    ※湯は下から持ち上げる力が強くなるまで、しっかり沸かしましょう。
  2. 2小豆を入れる。
    ※小豆はあらかじめ水に浸けず、いきなり沸騰した湯に入れるのがポイント。これで、“胚芽”がこわれ、吸水します。
  3. 3再沸騰したら、2~3分おいてから、水600mlを一気に加えて差し水をする。
    ※水を加えて温度を60℃まで一気に下げると、胚芽のたんぱく質がこわれて、水を吸って柔らかくもどります。一度ではこわれないので、何度か繰り返します。
  4. 4すぐに鍋から湯600mlを取り除く。
    ※この時点では、胚芽のたんぱく質がこわれていないので、取り出した湯はまだ淡い色をしています。
  5. 53~4と同様に、沸騰したら2~3分そのままおき、水600mlを一気に加え、小豆の2cm上まで湯を取り除く。
    ※2 回目は色が少し濃くなりますが、まだ澄んだ色をしています。この段階ではまだ、皮の色が出ただけです。
  6. 6同様に沸騰したら2~3分そのままおき、水600mlを加え、小豆の2cm上まで湯を取り除くことを、計4~5回繰り返す。
  7. 7煮汁が一番左側のように濁ったら、煮終わり。右から1回目、2回目、4回目、煮上がり。
    ※一番左の煮上がりは、たんぱく質がしっかりこわれています。
  8. 8ゆで上がりの小豆(右)。水を吸って、もとの小豆(左)の約3倍にふくれるのが目安。
  9. 9ざるに上げ、煮汁をきる。
    ※この作業を「渋切り」といいます。この煮汁は使いません。
  10. 10鍋にもとの小豆の1.5~2倍の湯を沸かし、重曹、9を入れる。再び沸いたら弱火にする。
    ※湯が多すぎたり火が強いと、豆が踊り、つぶれやすくなります。粒あんを作るときは特に注意しましょう。
  11. 11アルミ箔で落とし蓋をし、柔らかくなるまで20~30分煮る。途中、水面から豆が出るようなら湯を足す。
    ※ときどき鍋を回して、火の当たりムラがないようにしましょう。新豆の場合は柔らかくなりやすいので、煮る時間を20分くらいにします。
  12. 12煮上がりの状態。
  13. 13ボウルにざるを重ね、12をあけ、小豆と煮汁を分ける。煮汁はそのままおいて、呉(ご=生あん)を沈殿させる。
    ※煮汁は捨てないように。
  14. 14鍋に13の小豆を戻し、砂糖を加える。
  15. 1513の煮汁の底に呉が沈殿し、2層に分かれたら、上水をそっと捨てる。
  16. 1614の鍋に15の呉を加え、木べらで混ぜて砂糖となじませる。
  17. 17中火にかけ、豆をこわさないように、木べらでそっと底をかきながら、砂糖を完全に溶かす。途中、沸いたら弱火にする。
  18. 18網じゃくしで豆をすくい、ざるに上げて煮汁と分ける。
    ※この状態で豆と煮汁を一緒に取り出し、白玉だんごと一緒に温めたら、さらりと上品な味わいのぜんざいが作れます。この小豆をアイスクリームにかけてもおいしいです。
  19. 1918のざるから落ちた煮汁を鍋に戻す。鍋を中火にかけ、煮汁を煮詰める。耐熱のシリコンべらを使うと失敗しにくい。
    ※泡がふわーっと上まで上がらないように、火加減を調整します。特にIHは底面が熱くなるので、注意が必要です。
  20. 20沸いたら火を弱め、プツプツと軽く沸く状態を保ちながら、焦げないように鍋底をかいて、しっかり煮詰めていく。
    ※かくときは、へらを手前から向こうへ一方向に動かし、真ん中、右、真ん中、左の順に行います。
  21. 21ときどきぬらしたキッチンペーパーで、鍋肌を拭う。
    ※鍋肌について固まると溶けません。あんに混ざると舌ざわりが悪くなるので、早め早めに拭き取ります。
  22. 22次第に水分が少なくなってくる。焦がさないように注意しながら混ぜる。この段階ではまだツヤがある。
  23. 23木べらで底をかいたときに鍋底が見えるまで煮詰め、ツヤがなくなったら火を止める。
    ※ここまで煮詰めると甘みの角が取れておだやかな甘さになり、旨みがしっかり感じられるようになります。
  24. 2418の小豆を鍋に戻し入れ、木べらで鍋底から返すように均一に混ぜる。
  25. 25小分けにして木のまな板などに移し、余分な水分を吸わせる。
  26. 26粗熱がとれたら木べらですくい、バットに軽く打ちつけるようにして移す。
    ※カビ防止のため、打ちつけて空気を抜いておきます。
  27. 27乾いたふきんを二重にして手に巻きつけ、あんを押しながら平らにならす。表面が乾いたらラップをかぶせる。
    ※均一に乾かすため、平らにしておきます。

Point

【あんを使って、手軽に甘味が作れます】
おいしいあんがあれば、絶品のぜんざいやお汁粉が簡単に作れます。ぜんざいは、なめらかに伸ばした粒あんを白玉だんごにたっぷりからませて召し上がってください。ここでは粒あんから作る方法をご紹介しますが、「粒あん」の作り方18の豆と煮汁で作ると、よりさらりとした味わいに。

粒あんで作るぜんざい
【材料】(1人分)
粒あん…… 70g
水…… 適量
白玉粉…… 20~30g
ぬるま湯(約30℃)…… 適量

【作り方】
1. ボウルに白玉粉を入れ、ぬるま湯を少しずつ加えながら手で練る。
2. 耳たぶよりやや固くなったら棒状にし、ちぎって直径約2cmの団子状に丸め、親指で中央を押してへこませる。
3. 鍋に湯(分量外)を沸かし、2をゆでる。浮いてきたらすくって氷水にとり、水気をきる。
4. 小鍋に粒あんと水少量を入れて温める。水を少しずつ入れて好みのとろみにする。
5. 椀に3を3~4個入れて4をかける。



※鏡開きには、白玉だんごの代わりに焼いたお餅でぜんざいを作りましょう。またこちらの本では「あんを一から作る時間がない」というかたのために、市販のあんをおいしくする秘策もご紹介しています。

渡邊好樹(わたなべ よしき)/東京・富ヶ谷「岬屋」の三代当主。和菓子の基本であるあんの仕立てを特に大切にし、300以上の上菓子を、素材や作り方を細かく使い分けて作っている。茶席菓子を多く手がけているため、茶道関連の菓子作りが多い。また、小学校や大学、製菓材料店、料理教室、茶道関係での講師を務めることもあり、そのわかりやすい教え方に定評がある。

撮影:日置武晴

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