バレンタインに贈りたい! 美味しい「トリュフ」チョコレートの作り方を憧れの老舗珈琲店に教わる

もうすぐバレンタイン。美味しいチョコレートが気になる季節の到来です。東京・山谷の自家焙煎珈琲「カフェ・バッハ」のトリュフは、この季節ならではの絶品スイーツ。そのトリュフの作り方を教えていただきました。プレゼントにも、自分へのご褒美にもぜひチャレンジしてみてください。香り高い深煎りのコーヒーとともに召し上がれ。

ガナッシュをビターチョコレートで包んだチョコレート菓子の基本形で、バッハでは、ガナッシュに上質な洋酒をきかせた2つの風味をバレンタインの時季だけ作っています。1つはレミーマルタンVSOPで樽熟のきいた気高い香り、もう1つはグランマルニエ酒でオレンジの香り、いずれも大人っぽい味わいに仕立てています。チョコレートがコーヒーと似ているのは、材料の産地や品種、銘柄が味わいに大きく影響するところ。バッハではチョコレートの味わいが勝負のトリュフには、スイスのカルマ社とフランスのヴァローナ社のものを使っています。

材料(各20個分)

●トリュフ
ガナッシュ
 ビターチョコレートA(※1)
140g
 生クリーム(乳脂肪分40%)
50g
 ブランデー(レミーマルタンVSOP)
24g
粉糖
適量
ビターチョコレートB(※2)
120g
ココアパウダー(仕上げ用)
適量
●オレンジ風味のトリュフ
ガナッシュ
 ビターチョコレートA(※1)
130g
 生クリーム(乳脂肪分40%)
50g
 オレンジピール(刻んだもの)
10g
 グランマルニエ酒
24g
粉糖(丸め用と仕上げ用)
適量
ビターチョコレートB(※2)
120g
※1:カルマ社のダーク1044を使用。
※2:ヴァローナ社のエクストラビター61%を使用。

作り方

  1. 道具● 特に用意する道具
    鍋 小鍋 温度計 ボウル バット ゴムべら 絞り袋 15mm丸口金 ロール紙 マーブル台 金属製三角べら パレットナイフ トリュフ用フォーク
  2. 下準備● チョコレート類はすべて小さく刻む。
    ● 仕上げ用のココアパウダー、粉糖をそれぞれバットに入れる。
  3. 1トリュフ
    ガナッシュを作る。ボウルにビターチョコレートAを入れる。鍋に生クリームを入れて沸騰させ、チョコレートに注ぎ、少しおいてチョコレートが柔らかくなってきたらゴムべらで空気が入らないように混ぜてツヤを出す。ブランデーを加え、さらになめらかな状態になるまで混ぜる。
  4. 2バットに流し入れ、作業台から10cmほど持ち上げて落とし、空気を抜く。冷蔵庫で約20分冷やし、絞り袋で絞れる固さにする。15mm丸口金をつけた絞り袋に詰め、ロール紙の上に1個8gの大きさに丸く絞る。冷蔵庫で冷やし固める。
  5. 3手のひらに粉糖をまぶし、2を丸め、冷蔵庫で冷やす。
  6. 4コーティング・仕上げをする。ボウルにビターチョコレートBを入れ、ボウルよりもひと回り小さい鍋で湯せん(60℃)にし、静かに混ぜ溶かし、55~58℃に調整する。マーブル台の上に全体の2/3量を流し、パレットナイフで薄く広げる。三角べらですくっては混ぜ、これをくり返しながら温度を下げ、28~29℃にする。ツヤのあるなめらかな状態になったら、元のボウルに戻し、混ぜて30~31℃にする。
    ※テンパリングが成功したかどうかは、紙に30~31℃のチョコレートをつけて冷蔵庫で冷やし、その状態をみて判断する。ツヤがあればOK、ツヤがなかったりブルームが出ていたら4の最初からやり直す。
  7. 54を手のひらに少し取り、3を1個のせて両手で転がしてコーティングする。手が温かいとガナッシュが溶けるので、その場合は手を冷やす。
  8. 64の中に5を1個ずつくぐらせ、さらにコーティングしてココアパウダーのバットに置き、表面のツヤが消え、固まる直前にフォークでジグザグに転がしてまぶしながら模様をつける。残りも同様に仕上げる。
  9. 7オレンジ風味のトリュフ
    「トリュフ」のブランデーをオレンジピールとグランマルニエ酒に、ココアパウダーを粉糖に替えて作る。

Chef’s voice

ガナッシュに加える洋酒を変えると違う雰囲気になるので、どうぞ試してみてください。トリュフでは、コーティングでチョコレートの基本テクニック「テンパリング」を行います。適切な温度に調節して、不ぞろいだった粒子をきれいにそろえて美しいツヤとなめらかな口溶けにする作業です。マーブル台がなければ、混ぜながらボウルを湯せんと冷水に交互に浸けて30~31℃まで下げましょう。その温度はチョコレートに含まれるカカオバターの含有量によって多少違うので気をつけてください。

Point

このお菓子とコーヒーの相性
トリュフそのものに味も濃度も詰まっているので、コーヒーも味わい豊かなものがよいでしょう。たとえばエスプレッソのように少量ながらリッチな旨みや脂肪分が舌になめらかに広がるもの、トリュフと同じくブランデーの高貴な香り漂うカフェ・ロワイヤル(※)、強くてドライなアイリッシュウィスキーを入れたアイリッシュコーヒーなど。またしっかり焙煎されたチョコレートは、一般に深煎りコーヒーと好相性。オレンジ風味のトリュフは、同じオレンジ香を持つコーヒーで調和させてもよいでしょう。
※ドリップしたコーヒーをカップに入れ、カップの上にスプーンを置き、角砂糖をのせてブランデーをたらし、マッチなどで火をつける。火が消えたら砂糖を混ぜていただく。中煎りのコーヒー豆がおすすめ。ナポレオンが愛飲したといわれる。

田口文子・田口 護(たぐち ふみこ・たぐち まもる)/1968年、文子さんの実家の地、東京・山谷に夫婦で「カフェ・バッハ」を開店、72年から自家焙煎を始める。護さんはコーヒー界きっての理論家で著書も多数、文子さんは90年に立ち上げた製菓・製パン部を指揮する日々で、バッハから独立したカフェも日本全国に多数。2人の趣味は、出会いのきっかけでもあるクラシック音楽の鑑賞と演奏。
http://www.bach-kaffee.co.jp

撮影:高橋栄一